はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム共同創設者ブテリン氏が語る、ロールアップ技術の展望と課題

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロールアップの今後

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は5日、イーサリアムのL2ソリューション「ロールアップ」について、長期的にはZKロールアップがオプティミスティック・ロールアップよりも普及するとの見解を示した。

この発言は、ブテリン氏が「ETHSeoul」というイベントに登壇した際に行ったもの。

ブテリン氏は現時点ではオプティミスティック・ロールアップの方が相対的に発展しているとしながらも、L1への送金に7日かかることが、オプティミスティック・ロールアップ普及の障壁になると指摘した。10年またはそれ以上かかるかもしれないが、将来的にロールアップ技術は基本的に、全てZKロールアップを採用すると予想している。

ロールアップとは、メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーン(ブロックチェーン外)で処理することにより、ネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術。現在、大きく分けてZKロールアップとオプティミスティック・ロールアップの2つの技術で開発が進められている。

関連スケーリング問題の打開策「ロールアップ」とは|仕組みや注目点を詳しく解説

ブテリン氏が「現時点ではオプティミスティック・ロールアップの方が相対的に発展している」と指摘しているのは、ZKロールアップには非常に開発が難しいというデメリットがあるためだ。今回ブテリン氏は、ZKロールアップの開発の難しさを課題として挙げ、オプティミスティック・ロールアップの方が開発は先に進んでいると述べている。

ZKロールアップの更なる課題

ZKロールアップにはもう1つ、イーサリアムを支える仮想マシン(EVM)と互換性がないことが課題として指摘されてきた。ブテリン氏は今回、この点にも言及している。

EVMと互換性があるとアプリのポート(移植)が容易に行えるようになるなどのメリットがあるため、これまでEVMと互換性がないことがZKロールアップの大きな課題として挙げられてきた。一方で、この課題を解決するための開発も以前から進められている。

先月にはポリゴン(MATIC)やMatter Labsが相次いで、EVMと互換性がある「zkEVM」という技術を発表。ブテリン氏は今回「zkEVMがイーサリアムの拡張性に貢献する準備はほとんど整っている」と期待を示した。

関連ポリゴン(MATIC)、ZKロールアップに特化した新たなL2をリリース

関連イーサリアムL2「zkSync 2.0」、22年11月にローンチへ

イーサリアムのフォークについて

ブテリン氏は今回のイベントで、イーサリアムが次期大型アップグレート「The Merge(マージ)」を実施した際に起こる可能性があると注目されている「チェーンの分岐(フォーク)」についても言及。

関連イーサリアム「マージ」後のチェーン分岐の可能性に注目高まる

イベントの質疑応答でフォークについて聞かれたブテリン氏は、以下のように回答している。

フォークに本質的な側面はなく、少数のアウトサイダーが、ただ素早くお金を稼ぎたいためだけにフォークに関心を持っているように見える。

チェーンが分岐して元のイーサリアムが継続して稼働しても、長期的に普及するとは思っていない。何が起こったとしても、人々がお金を失うことがないように望む。

マージは、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行する大型アップグレード。今後イーサリアムはPoSの仕組みで稼働することになるが、元のイーサリアムをマイナーが採掘し続けることで、PoWの方のイーサリアムも今後も稼働するのではと注目が集まっている。

PoSとは

PoSとは、ステークする仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。

▶️仮想通貨用語集

関連仮想通貨のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)とは|PoWとの違いとメリットを解説

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧