イーサリアムの普及を促進
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2ソリューションを開発するMatter Labsは20日、同社のプロダクト「zkSync 2.0」を100日後に、メインネットにローンチすることを発表した。
2022年10月には、エコシステムのパートナーと協業を開始する予定。そして11月に「BABY ALPHA版」としてメインネットにローンチし、まずは他のプロジェクトなしで、問題なく稼働できるかを試すという。その後、テストで問題がなければ、22年4Q(10月から12月)には各プロジェクトがエコシステムに参加できるようになるという計画だ。
Over the last year, we've been heads down working to scale Ethereum and accelerate its adoption.
— zkSync (@zksync) July 20, 2022
Today, we’re happy to announce that zkSync 2.0 – the first zkEVM rollup – will be live on mainnet in 100 days.
Our public roadmap for the rest of the year: https://t.co/wRjxJGoQwN pic.twitter.com/FuttnPWxZY
Matter Labsは、ゼロ知識証明を活用し、イーサリアムにおけるスケーラビリティ(拡張性)の課題解決に取り組んでいる。公式ウェブサイトによると、zkSyncは2020年の夏から開発を続けてきた。同社はパブリックブロックチェーンをメインストリームに普及させるために技術開発を行なっており、金融改革を加速させることをミッションにしている。
関連:イーサリアムL2プロジェクト「zkSync」、2.0のテストネットが稼働
イーサリアムの処理をサポートするzkSyncは、ゼロ知識証明を活用した「zkロールアップ」という仕組みを導入。Matter Labsは、これからローンチするzkSync2.0の主な特徴として、以下の内容を挙げた。
- EVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性がある
- 開発言語は「Solidity」と「Vyper」をサポート
- アプリのポート(移植)が容易
- イーサリアムのセキュリティを継承できる
- 取引の処理能力が向上し、ガス代を安価にできる
関連:スケーリング問題の打開策「ロールアップ」とは|仕組みや注目点を詳しく解説
最終的にzkSync2.0は、22年末までに「FULL ALPHA版」をローンチし、全てのプロジェクトやユーザーが利用できるようになる予定。今回の発表では、zkSyncは運営の分散化に取り組むとは述べているが、独自トークンの発行には言及していない。
関連:イーサリアムL2「StarkNet」、独自トークンを発行 運営を分散化へ
zkEVMの開発
イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決すると期待されるロールアップでは、大きく分類すると、zkロールアップとオプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollup)の2種類が開発されている。
それぞれにメリットとデメリットがあり、zkロールアップは、オプティミスティック・ロールアップよりも早くL2からL1にトークンを送金できるが、EVMと互換性がないことが課題の1つとして指摘されてきた。EVMと互換性がないと、アプリの移植に工数がかかる。
関連:イーサリアムのL2ソリューション「zkEVM」、テストネットでローンチ
一方で、その課題を克服できるようにするための開発は進められており、「ポリゴン(MATIC)」も20日にzkEVMを発表した。
関連:ポリゴン(MATIC)、ZKロールアップに特化した新たなL2をリリース