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ポルカドット基盤のAcalaネットワーク、1600億円相当の「aUSD」が不正発行

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

プロトコルの設定に欠陥

暗号資産(仮想通貨)ポルカドット上のDeFi(分散型金融)プロジェクト「Acala」ネットワークで14日、脆弱性を利用し1,600億円(12億ドル)相当のステーブルコイン「Acala Dollar(aUSD)」が不正に発行されるという事件が発生した。

公式側はaUSDを発行するHonzonプロトコルの設定に問題があると発表し、送金を含む特定のネットワーク機能を一時停止。その後、問題の原因を、稼働したばかりのiBTC/aUSD流動性プールの設定ミスと特定した。

この事態を受け、aUSDは基準値となる1ドルから乖離し、一時0.5713ドルまで急落。執筆時点では、0.98ドルまで回復しているが、依然としてディペッグ状態が続いている。(CoinMarketCap参照)

Acalaはツイッターで、すでに「誤設定」は修正され、「誤って」aUSDを受け取ったウォレットアドレスは特定されたと報告。オンチェーン追跡の結果、不正に発行された99%以上のaUSDはAcalaパラチェーン上に残っており、ごく一部がネイティブトークンのACAなどに交換されたことがわかった。

Acalaチームは、問題への対処方法が決定されるまでの間、これらの資産の送金機能を停止した。

さらに、緊急のガバナンス投票により、スワップやクロスチェーンメッセージ送付、オラクルなどのオンチェーン機能も一時的に停止されている。

特定されたウォレットには、現在12.67億のaUSDと785のACAトークンなどを確認することができる。

Acalaが基盤とするポルカドットは、この件に対しAcalaのガバナンスの迅速な対応を称賛。また、ポルカドットのリレーチェーンと共有されているセキュリティは影響を受けないと付け加えた。

Acalaとは

Acalaは、DeFiに最適化されたレイヤー1のブロックチェーン・プロジェクト。イーサリアム(ETH)ブロックチェーンと互換性があることも特徴だ。異なるブロックチェーンの相互運用とスケーラビリティ向上に取り組むポルカドットで、DeFiのハブ(中心)となることを目指している。

Acalaは昨年11月に行われたポルカドットのパラチェーンオークションで、限定100とされるポルカドットの接続枠を、最初に獲得したプロトコルとなった。

パラチェーンとは

ポルカドットに接続する、独立した個々のブロックチェーンのこと。一方、各パラチェーンが接続され、ネットワークで中心的な役割を果たす部分は「リレーチェーン」と呼ばれる

▶️仮想通貨用語集

Acalaは今年3月、aUSDの普及を促進するアプリ開発企業を支援するため、330億円(2.5億ドル)相当の「aUSDエコシステムファンド」をローンチした。

今回の件で、aUSDの価格乖離がこのまま継続するのか、収束に向かうのか、今後のAcalaチームと市場の対応が注目される。

関連:ポルカドット上のDeFiプロジェクト「Acala」、300億円のファンドをローンチ

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