CoinPostで今最も読まれています

世界初公開INNOSILICONとSamsung電子による次世代新製品発表会レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

世界初公開INNOSILICONとSamsung電子による次世代新製品発表会レポート
7月13日、帝国ホテルにてマイニングマシン世界大手INNOSILICON社と、韓国半導体大手Samsung社による共同製品発表会(運営:AiFC株式会社)が開催されました。今回の次世代新製品発表会は何と世界に先駆けて日本で初公開。多くの来場者があり、会は大盛況。日本においても、マイニング市場に対する注目度が非常に高い事を今回のイベントを通して改めて確認できました。以下、イベントの重要点をまとめましたのでご覧下さい。

INNOSILICON社新製品の発表

撮影:AiFC株式会社

今回のイベントの趣旨であるINNOSILICON社のマイニングマシンに関する次世代新製品の発表。圧倒的なスペックを実現した同社の製品はまさに、これからマイニング市場の台風の目となりそうで、当日行われた販売会は大盛況でした。

INNOSILICON T2-Turbo-24T

撮影:CoinPost編集部

競合と比較して50%以上もの処理速度を実現(INNOSILICON社調査)。電気代によってハッシュレートのモードを調節可能となり、電気代コストに応じた効率の良いマイニングを実現。

  • アルゴリズム:SHA256
  • 対象通貨:BTC,BCH
  • Power:75W/Th
  • マシンの大きさ:40.5×13.5×23.2㎤
  • 調節可能モード:1360kw(18TH/s)、1680kw(20TH/s)、1946kw(22TH/s)、2180kw(25TH/s)

INNOSILICON A10 ETHMaster

撮影:CoinPost編集部

競合と比較して2.5倍の速度での処理速度を実現(INNOSILICON社調査)。GPUの3倍ものマイニング効率を達成。

  • アルゴリズム:Ethereium
  • 対象通貨:ETH
  • Hashrate:約400M/s
  • Power:700W
  • マシンの大きさ:35×12.5×15.5㎤

INNOSILLICON社によるプレゼンテーション

撮影:AiFC株式会社

INNOSILLICON社CEOであるGordon Ao氏による同社のプレゼンテーションも行われ、2013年のマイニング事業開始から今日に至るまでの取り組みを紹介。

その他、同社はマイニング事業以外にもIP設計事業等を行なっており、包括的な知識と経験がマイニング事業の更なる質の向上に役立っているとのこと。

また、同社はROI Insurance Program to Cover Principal Investmentなど投資家向けにROIを保証するプログラムなどをはじめとする差別化されたサービスの提供によって、マイニング事業への投資されている方をサポートする姿勢を大事にしていると訴えていた点が非常に印象的でした。

Samsung電子による発表

撮影:AiFC株式会社

また、Samsung電子からは副社長Charles Songや、Samsung FoundryのYongjoo Jeon氏の登壇があり、同社そしてSamsung Foundryの取り組みの紹介がありました。

同社が省電力化に取り組んでいる事に焦点を当てて説明しており、なぜ省電力化が必要かという点について「電気代削減」と「冷却の為のリソース削減」といった二重のコスト削減の観点から必要性を訴えていました。

更に同社はAI(人工知能)を主軸に開発を進めており、そこで産まれた技術、開発された技術は仮想通貨のマイニングマシンにも応用可能であり、INNOSILLICON社と取り組んでいくという事を力強く説明されていた事は非常に興味深い内容でした。

その他、登壇者

撮影:AiFC株式会社

他にも、PASSION PROGRESS Vice President田中琢氏によるINNOSILLICON社の製品の展開や、液浸冷却の焼却は非常に興味深い物であった他、株式会社ジェイベース代表取締役小田嶋 康博氏による富山でのマイニングプール運営、そしてCoinmint CIOのSatoshi Kitahama氏によるニューヨーク州におけるマイニングプールの展開などの講演などもありました。

撮影:AiFC株式会社

特に興味深かったのは、Coinmintのニューヨーク州におけるマイニングプールの展開。

世界的なアルミ大手企業アルコアと契約を結び、元アルミ工場を転用できるようになった他、何といっても1キロワットあたり約2円とエネルギーコストが非常に低く、現在200ペタハッシュのハッシュパワーに留まっているが、今後は3〜4エクサハッシュを見込んでいると今後の展開について、より拡大していく姿勢を示しておりました。

インタビュー

今回同イベントで、INNOSILLICON社CEO Gordon Ao氏への独占インタビューを行う事ができたので、その内容もご紹介致します。

―今回のイベントはどうでしたか?

Gordon Ao氏

非常に大盛況で、こんなにも日本のマイニングに関心のあるユーザーにお越しいただいて非常に感激しております。

世界の電気代事情を比較すると日本の電気代は割高だと思いますが、そのような状況下でなぜ今回のような製品発表会などを含む日本の展開を行なっているのでしょうか?

Gordon Ao氏

日本には国内にマイニングファームを作りたいといった興味や関心、そして需要があると感じております。

確かに通常の電気代は高いかもしれませんが、規制が緩和されている発電地域や発電所が少なくないので、日本においてもコストを抑えた電力使用も実現可能です。

また、弊社(INNOSILLICON社)の製品は、エネルギーコストの観点からいえば世界のマイニングハードウェア業界の中でもで最も低コストである為、電気代にあまり左右されません。それに加えて、弊社の製品はハッシュレートを調節できるので、電力コストを抑えながらマイニングによる利益を獲得できます。

日本の他にはどういった市場や国をターゲットにしているのでしょうか?

Gordon Ao氏

グローバルに展開していこうと考えているので、全ての国が我々のターゲットです。直近では北米、ヨーロッパ、シンガポール、そして中国に訪問する予定です。

その中で、先ほども申した通り日本市場は非常に関心が高く、マイニングへの需要もある為、こうして日本におけるマーケティング活動も行なっているのです。

INNOSILLICON社の上場の予定はありますか?

Gordon Ao氏

検討した事はありますが、弊社は12年もの歴史があり継続して取引がある顧客網を持っているだけでなく、財務面も非常に安定しております。

ですから、今現在は上場の予定はありません。豊富な商品ラインナップや知的財産を所有しているので、現在検討はしていませんが、もしそういったタイミングや機会があれば上場するかもしれませんね。投資家とのコミュニケーションは続けていきたいと考えております。

INNOSILLICON社の商品の強みは?

Gordon Ao氏

私たちには最先端の技術を凝縮したチップの設計し、開発してきた経験と専門的な知識があり、スピード感を持って製品改良と、技術の確信に取り組んでおります。

もちろん、イノベーションはスピード感だけでなく、プロセスも非常に大切な観点であり、一年間に8種類ものマイニングマシンをリリースした事も含めて、そういった点が我々の強みではないでしょうか。

日本のユーザーに一言

Gordon Ao氏

マイニングに対する関心が非常に高い日本市場を私たちはサポートし、盛り上げていきたいと考えております。

今回、私(Gordon Ao氏)にとって初の来日となりましたが、日本国内においてもサポートセンターとオフィスを設立しており、今後も日本のサポートチームやサービスをより一層充実したものにできるよう邁進して参ります。

今回世界に先駆けて日本初公開とした点は、弊社の意気込みを示しております。我が社の製品は非常にマイニングの効率性にこだわっており、そういった効率性の良いマイニング製品を日本のユーザーの皆様にご提供できるよう今後も頑張って参ります。

まとめ

撮影:AiFC株式会社

今回、世界に先駆けて初公開となったINNOSILLICON社のマイニングマシンへの関心度は非常に高く、プレゼンテーションの時間では立ち見も出るくらいの大盛り上がりでした。

省電力化を謳う同社の新製品は電気代が高い地域でも非常にチャンスがあり、ユーザーにも魅力的に写っているのではないでしょうか。Gordon Ao氏がインタビューにて意気込みを語っていたように、マイニングマシンの発展が著しく進んでおり、投資効率を上げる為には新製品を導入し、マイニングを勝つ事が非常に重要です。

今後INNOSILLICON社の日本への展開がより一層広がりを見せる事でしょう。今後のINNOSILLICON社、そしてSamsung電子によるマイニング市場での一挙手一投足に目が離せません。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06:45
米SoFi、仮想通貨取引サービスを停止へ Blockchain.comへ移行
米オンライン融資仲介サービス大手SoFiは29日、仮想通貨取引サービスの閉鎖および移行計画を発表した。Blockchain.comへの移行が必要となる。
06:05
ブラックロックとInvesco、ビットコインETFの上場申請でSECと再び面談
米SECは現物型ビットコインETFの上場申請について、今週28日に申請側のブラックロック(2度目)・Invescoと会議を行ったことが判明した。ゲンスラー委員長は別のイベントでETF申請についてコメントをした。
05:30
米で13番目のビットコインETF上場申請に、スイスPando
スイスの資産管理会社Pando Assetは米国で、現物型仮想通貨ビットコイン(BTC)ETFの上場申請を行っていることが判明。
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。
10:45
香港行政長官、Hounax詐欺事件について発言
香港の行政長官や規制当局責任者は、仮想通貨取引所Hounaxの詐欺事件について発言し今後の姿勢を示した。また香港警察が事件概要を説明している。
09:50
チェーンリンク、ステーキング機能をアップグレード
チェーンリンクは、ステーキングの新バージョンを仮想通貨イーサリアムのメインネットにローンチしたことを発表。特化する目標や移行スケジュールを説明している。
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア