はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国の州金融当局が指摘、セルシウスは投資家に偽情報を提供していたか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「投資家に虚偽の説明を行っていた」と指摘

米バーモント州金融規制局は7日、破産申請した暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)の運営に問題があったとする書類を、ニューヨーク南部地区破産裁判所に提出した。問題点を指摘し検査官による同社の調査を求める形だ。他の州の当局も同様の申し立てを行っている。

バーモント州の規制局は、複数州の当局が行った調査により、セルシウスが「財務の健全性と証券法遵守について、投資家に虚偽かつ誤解を招くような説明を行い」、リスクを隠して「同社へ投資を行わせていた可能性が明らかになった」と述べている。

現在、約40の州の証券規制当局が、セルシウスの活動について調査しており、テキサス州証券委員会も、バーモント州当局と同様の申し立てを行っているところだ。

具体的にバーモント州当局はまず、セルシウスは十分な資産を保有していなかったにも関わらず「顧客資産を保護する能力がある」と表明していたと指摘した。

例えば2022年6月に、セルシウスはそのブログで「流動性リスク管理枠組みの下で必要とされる、十分な準備金とイーサリアム(ETH)を保有している」と説明している。

しかし複数州の当局が内部財務記録を調査すると、実際にはこの時点ですでに債権者に返済するのに十分な資産がなくなっており、ETH建ての負債がETH建ての資産を超えていたことが示されたという。

2021年にも巨額損失か

セルシウスは、5月のテラエコシステム崩壊後に債務不履行に陥り、米国でチャプターイレブンにより破産申請を行った。だが、バーモント州当局は、同社は2021年にも巨額損失を出していたと申し立てている。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

複数州の規制当局グループに提出された財務記録の予備的分析によれば、セルシウスは2021年の1月から7月の間に巨額の損失を出しており、アーンプログラム(利回りプログラム)投資家へのリターンを支えるのに十分な収益は得ていなかったという。

それにも関わらず、同社のAlex Mashinsky CEOは2021年7月31日のツイートで「セルシウスは利益を上げており、いつもユーザーにとって最良の方法で動いている」と発言していた。

CELトークン価格操作の可能性も

また、バーモント州当局は「少なくともある時点では、既存投資家への利回りが、新規投資家の資産でまかなわれていた可能性が示唆される」とも指摘している。

背景として、セルシウスが破産手続きに関する会議で、「投資家に支払われる利回りを支えるだけの収益を得たことがない」と認めていることを挙げた。

さらに、セルシウスは過去数回に渡り、バランスシート上の債務超過を隠蔽するために独自トークンCELの価格操作を行っていた可能性があるとしている。

バーモント州当局は「セルシウスはCELトークンのポジションを数億ドル増やすことで、CELの市場価格を上昇させ、それによってバランスシートと財務諸表上の同社のCEL保有量を膨らませた」と述べた。

こうしたCELトークンのポジションがなければ、少なくとも2019年2月以降、負債が資産を上回っていたことになるとしている。

バーモント州当局は、このような運営上の問題点を挙げた上で、セルシウスの財務状況などを調査するための検査官任命を要請した。

独立検査官による調査

米司法省も8月、セルシウスの破産申請に関して独立した検査官を任命するよう求める書類を裁判所に提出している。「債権者などがセルシウスに抱く不信感を緩和するために、同社のビジネスモデルやその他の事項について調査し報告する検査官が必要」だとする格好だ。

関連米司法省、破産したセルシウスの調査をめぐり独立検査官の任命を要請

セルシウスの無担保債権者委員会は直近の公聴会で、検査官がセルシウスの事業について独自の調査を行うことが可能で、その過程で多額の費用がかからないのであれば、独立検査官を立てることに前向きであるとしている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
17:03
XRP ETF、13取引日で8億ドル(約1240億円)到達 仮想通貨史上2番目の速さ
XRP現物ETFが上場13日で8億ドル超の流入を達成し、ビットコインETFに次ぐ史上2番目の速さを記録。ソラナETFを大きく上回るペースで、アナリストは最大1兆円超の市場規模を予測。
16:25
バイナンス(海外)、15種類の現物取引ペアを停止へ 12月5日実施
バイナンス(海外)は流動性レビューに基づき、12月5日に現物取引ペア15種を停止すると発表。停止は特定ペアのみで、対象トークンの上場廃止を意味しない。取引ボットも同時に終了予定。
15:14
ゲンスラー前SEC委員長「仮想通貨は投機的」 ビットコイン除く全トークンに警告
ゲンスラー前SEC委員長がブルームバーグのインタビューで、ビットコインを除くすべての仮想通貨を「極めて投機的」と評価。退任後も投資家保護の重要性を強調し、規制の観点からビットコインのみをコモディティとして区別する姿勢を維持している。
15:00
HashPortウォレット、Pontaポイントでステーブルコインの購入が可能に
HashPortは12月1日、HashPort WalletでPontaポイントをBase上のUSDCやcbBTCに交換できる「オンランプ」機能と、暗号資産をau PAYギフトカードに変換する「オフランプ」機能を開始した。
13:40
カルシが米CNNの公式パートナーに、予測市場のリアルタイムデータを報道に統合
米予測市場プラットフォームのカルシがCNNと提携し公式予測市場パートナーになった。カルシのリアルタイムデータがCNN番組全体に統合され、政治的・文化的イベントの確率情報を報道に活用する。ソラナ上でのトークン化予測市場も開始した。
12:45
ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る
米ストラテジー社CEOが今後の準備金や配当戦略を詳細に説明した。米ドル準備金で当面の配当資金を確保し、ビットコイン売却を回避する。レンディング参入の可能性も示唆した。
12:14
イーロンの「Xマネー」決済システム開発で人材募集 ソラナが支援表明
イーロン・マスク氏のX Moneyが決済プラットフォームの技術責任者を募集。ソラナが協力を表明し、仮想通貨統合の可能性に注目が集まる。WeChat型スーパーアプリ実現への動きを解説。
10:32
「資産トークン化が金融のあり方を変革」ブラックロックのフィンクCEOらが論説
ブラックロックのフィンクCEOらが現実資産(RWA)トークン化の可能性を様々な観点から解説した。トークン化の2つの大きな利点や規制当局の役割などにも言及している。
10:15
Trust Wallet、予測市場へのアクセス機能をローンチ
仮想通貨ウォレットのTrust Walletは、予測市場にアクセスできる機能をローンチ。まずはMyriad、ポリマーケット、カルシの3つの予測市場に対応する。
09:49
クラーケン、Backed買収 米国株のトークン化取引を拡大
仮想通貨取引所クラーケンがスイスのBacked Finance買収を発表。トークン化株式サービス「xStocks」は半年で取引高100億ドルを突破。RWA市場は2028年に2兆ドル規模へ成長見込み。
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧