CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン一時22000ドル台回復、13日にはCPI(米消費者物価指数)控える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比377ドル(1.19%)高と3日続伸。

21日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、75bpsの大幅利上げはすでに織り込んでいるとの観測が強まった。12日時点で金利先物市場では75bpsを88.0%の確率で予測している。

一方、FRB(米連邦準備制度)当局者らが発言を控えるブラックアウト期間となる明日13日には、インフレの重要指標である8月のCPI(米消費者物価指数)発表を控える。

CPIは、原油及びガソリン価格の下落を背景に減速予想が優勢となっているが、ここ数ヶ月間の値動き同様、イベント前後のボラティリティ(価格変動性)拡大に備えたポジション調整の加速も想定される。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.97%高の21,758ドル。

BTC/USD 日足

先週末の急騰局面では2,000ドル幅上昇し、12日にかけて一時22,000ドル台を回復した。

ドル指数の巻き戻しが先行する形でBTCが買われ、ショートスクイーズに繋がったものと見られる。coinglassのデータによれば、24時間で3億ドル相当のショートポジションがロスカット(強制清算)された。

Whale_mapによれば、1BTC=19,000ドルは大口投資家のサポートライン(下値支持線)として機能する。

反騰局面では、ここ最近では珍しくイーサリアム(ETH)に先行する形でビットコイン(BTC)が上昇しており、4年半ぶり最低水準まで低下したBTCドミナンスの39%が意識されたとの見立てもある。

関連:ビットコイン相場の大底形成がより濃厚か、市場は上値追う展開|bitbankアナリスト寄稿

明日21時半にはインフレ指標のCPI(米消費者物価指数)を控えるほか、15日頃にはイーサリアムのマージが予定される。さらに今月22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)発表を控えていることから、相場の乱高下も想定される。

イーサリアム(ETH)

イーサリアム(ETH)の新旧チェーン統合を意味する大型アップグレード「The Merge(ザ・マージ)」に向け、最終局面のカウントダウンが進む。マイナー(採掘業者)のハッシュレート(採掘速度)に基づく実行予想日は、現時点で9/15(木)の昼頃となる見通しだ。

Parisアップグレードは、TTD(Terminal Total Difficulty:期間中の合計難易度)58,750,000,000,000,000,000,000で発動する。

マージを通じて、合意形成アルゴリズムがPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行する。これにより、ETH排出量の約90%減が見込まれるほか、エネルギー効率を99.95%向上させるとの観測があり、インフレ率の大幅低下に関する市場関係者の関心も高い。

ETH関連のエンジニアリング会社Nethermindの報告によれば、マージ前の最終準備段階であるシャドーフォークまで無事完了し、残すところは、「Paris」と呼ばれる実行レイヤー(EL)のアップグレードのみとなった。

関連:イーサリアムマージの完了時期を左右する「TTD」とは|Parisアップグレードの注目ポイントを解説

ノードクライアント・ディストリビューションによれば、現時点で84.5%のノードが準備を完了している。

ethernodes.org

しかしながら、全てのイーサリアムネットワーク参加者が、マージによるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行を支持しているわけではない。

GPUを用いたPoWトークンが採掘不能になることを理由に、一部マイナーはチェーン分岐を伴うハードフォークを企てており、新トークン「ETHPoW(ETHW)」が誕生する可能性が取り沙汰される。

各取引所の対応一覧は以下の通り。

関連:イーサリアムPoWフォーク:新トークン付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表

BitMEXの共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏はBanklessのインタビューで、3,000ドルの権利行使価格でイーサリアム(ETH)のコールオプション買いを明かした。

コールオプションは、あらかじめ決めた行使価格で原資産を購入できる権利。市場価格が行使価格を下回った場合、権利を放棄すれば最大損失はオプション・プレミアム分に限定される。

イーサリアム(ETH)のプット/コール比率を示すPCRレシオは0.25であり、強気のコールオプショントレーダーによって支配されているとの見方がある。一方、新トークンの取得のための同額ショート建てのほか、マージの失敗・延期リスクやマージ後のセル・ザ・ファクトに備え、先物売りでヘッジする動きも確認されている。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/06 日曜日
13:00
今週の仮想通貨市場、主要アルト材料まとめ アプトス日本進出やスイ「Walrus」発表
ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRP、スイなど主要仮想通貨銘柄の最新動向を解説。価格変動や市場の影響要因、中東情勢や米雇用統計、ETFの動きまで、今週の注目トピックをまとめた。
11:30
ビットコインは中東情勢不安定化で神経質な値動き、ETFへの資金フローに引き続き注目|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが、今週のビットコイン(BTC)相場と来週の展望を分析。中東情勢の不安定化すによりビットコインは神経質な値動きが続く中、機関投資家のビットコイン現物ETFへの資金フローが注目される。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米SECのリップル裁判控訴に高い関心
今週は10x Researchによるビットコイン相場分析、金融庁による仮想通貨規制の抜本的見直し、米SECによるリップル裁判控訴に関するニュースが最も関心を集めた。
10/05 土曜日
14:30
Ubisoft新作「Captain Laserhawk: The G.A.M.E.」、アービトラムでNFTリリースへ
新ゲーム「Captain Laserhawk」 フランスの大手ゲーム会社Ubisoftは、近日中にイーサリアムレイヤー2のアービトラム上で1万体のNFTコレクションを発売する計…
13:00
26000以上のBTC保有 米マラソン、ビットコインHODL戦略を継続
米マイニング大手マラソンがビットコインHODL戦略を継続。9月に売却を行わず26,842BTCを保有している。9月の採掘実績も発表した。
11:30
ビットワイズ、ビットコインとイーサリアム先物ETFで戦略変更 米国債ローテーションを採用
ビットワイズが3つの仮想通貨先物ETFの戦略変更をSECに申請。独自の「トレンドワイズ」戦略で市場下落時に米国債へローテーション。
10:45
EigenLayer、8億円の仮想通貨EIGENが不正売却 公式側が調査
イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerで約8億円相当のEIGENトークンが不正売却。投資家のメールが侵害され、攻撃者がトークンを売却。
07:40
IMF「エルサルバドルはBTC投資に制限を」
仮想通貨ビットコインへの公的な投資に制限を課すことなどをIMFはエルサルバドルに勧告。IMFの報道官が会見で、同国のビットコイン政策に言及した。
07:15
コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で
大手仮想通貨取引所コインベースは10月4日、年末までに欧州連合(EU)域内で規制に準拠していない「ステーブルコイン」の上場廃止を行うと発表した。
06:45
ビットコインクジラ、2009年採掘のBTCを5億円分取引所へ送金
古参のビットコインクジラが5日、5億円相当のビットコインを米仮想通貨取引所クラーケンに送金したことが明らかになった。
10/04 金曜日
23:26
Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化
仮想通貨ソラナ(SOL)のブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Sanctum(サンクタム)」を詳しく解説。LSTの仕組みやCLOUDトークン、具体的な使用方法、将来展望まで。SOLのステーキングなど、投資利益を最適化したい方向け。
17:30
Web3事業のセキュリティをAI監査で強化【Bunzz Audit独自取材】
Web3時代のセキュリティ課題に挑むAI駆動スマートコントラクト監査サービス「Bunzz Audit」を解説。従来の監査の問題点と革新的解決策を探る。DeFi、NFT事業者向け。
16:38
バイナンス、4種類の仮想通貨取引ペアを取扱い中止
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは4種類の現物通貨ペアの取扱いを中止した。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
15:00
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、米クラーケンに新規上場
米大手仮想通貨取引所クラーケンは8日にソラナ(SOL)基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」を新規上場する予定だ。
14:30
リップル社、ラテンアメリカ大手仮想通貨取引所と協業
仮想通貨を活用した国際送金を変革するため、リップル社がラテンアメリカ大手取引所Mercado Bitcoinと協業。今後のユースケースなどを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア