CoinPostで今最も読まれています

FOMC控え様子見基調の仮想通貨市場、XRPなど一部銘柄は続伸

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

20日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比313ドル(1.0%)安となった。 米長期金利が11年ぶりの水準まで上昇したほか、日本時間22日午前3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)発表を控え、様子見基調が強まった。

関連:Cumberland社「イーサリアムとナスダックの相関性が上昇」

米連邦公開市場委員会(FOMC)では、先日発表されたCPI(米消費者物価指数)でインフレ(物価上昇)の高止まりが露わになった影響を受け、3会合連続で通常の3倍水準となる0.75%の大幅利上げが予想されている。

先物金利市場では、0.75%の利上げを82%織り込むなどほぼ既定路線といっても過言ではない。一方、1.00%の利上げが発表された場合は市場の動揺を誘うネガティブサプライズとなり得る。

CME FedWatch Tool

関連:世界の投資家が注目する米金融政策決定会合「FOMC」とは

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.06%安の19,006ドルに。

BTC/USD日足

FOMCに備えて薄商いの様相を呈しており、米株指数に連動するような小幅推移となった。

海外のアナリストTrading Tank(@TheTradingTank)氏は、「1.00%の利上げが実現した場合は、さらなる暴落を招くおそれもある。FRBの金融政策よる主な経済効果は半年以上先となるが、市場は往々にして即時反応しがちである」と指摘。

逆に0.75%の利上げに留まった場合、市場の反発の起点となり得るとの見通しを示した。

Wintermuteハッキング続報

昨日、1億6000万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)が不正流出したことが発覚した大手マーケットメイカー企業WintermuteのEvengy Gaevoy CEOは、ハッキング被害の発端は”人的ミス”であることを認めた。セキュリティ対策が不十分だった可能性がある。

Evengy Gaevoy氏は、オンチェーン上の分散型金融(DeFi)取引に使用されたWintermuteのデジタル・ウォレット「Ethereum Vault」に関連していると説明し、このウォレットは中央集権型取引所、およびOTC取引に対するマーケットメイク・オペレーションとは別のものであることを強調。

その上で、同社の支払い能力にも問題はなく、マーケットメイクのサービスは継続できるとの見解を示した。継続不可能となった場合、流動性提供先に悪影響を及ぼすおそれがある。

関連:仮想通貨マーケットメーカーWintermute、1億6000万ドル規模のハッキング被害か

盗難された資金の内、約7割がDAI、テザー(USDT)、USD Coin(USDC)などのステーブルコインが占め、ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin)が8%、イーサリアム(ETH)が6%だったとされる。

分散型取引所(DEX)アグリゲーター1inchの調査によれば、15日時点でイーサリアムのバニティアドレスツールである「Profanity」に脆弱性が発見されていた。

「Profanity」のキージェネレーターによって過去に生成されたウォレットアドレスから秘密鍵が漏洩した疑いを持たれている。

アルトコイン相場

個別銘柄ではXRP(リップル)が前日比9.0%高と続伸した。開発の経緯や国境を超えた国際送金などの共通点から相関しやすいステラルーメン(XLM)とともに、直近では地合いの逆行高が目立つ。

ビットコイン(BTC)は前日比2.3%安、イーサリアム(ETH)は前日比1.8%安となっており、明暗が分かれている。

暗号資産 騰落率(Messari)

背景には、20年12月に米SEC(証券取引委員会)に有価証券問題で提訴され、長期化していた裁判の行方にようやく終息の兆しが見られたことがある。Ripple社と米国証券取引委員会(SEC)の双方が、略式判決の申立てを提出したことなどが材料視された。

主な争点は、XRPの当該取引が”未登録有価証券の販売”に該当するかどうかだ。SECとRippleの主張は真っ向から対立しており、本裁判で暗号資産に対するSECの権限のライン引きが明確になる判例となり得る。

Rippleが勝訴、もしくは和解に漕ぎ着けた場合、米国の規制に準拠する形でXRP関連サービスを見合わせざるを得なかった事業体のサービス再開が見込まれ、再び関心が集まる可能性が高い。

2020年12月以降には、SECがRipple社を証券法違反で提訴したことを受け、米大手取引所コインベースをはじめ、仮想通貨決済サービスのCrypto.comなどが、XRPの取引・サービスの停止を相次いで発表。Galaxy DigitalやSBIファイナンシャル傘下のB2C2がXRP取引サービスを停止するなど、大手マーケットメイカーへの影響もみられた。

このような影響が尾を引いた結果、2021年の強気相場では、BTCやETHが2017年12月〜2018年1月の過去最高値を大きく更新する中、XRPの市場価格は伸び悩んだ。

一方、SECの主張が認められる形で勝訴した場合、XRP価格にネガティブな影響を及ぼす可能性があるほか、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行したばかりのイーサリアムなど、他の暗号資産に有価証券問題が飛び火する可能性も懸念される。

XRPなどの暗号資産に精通する弁護士のJohn E Deaton氏は、「SECからは、過去のRipple社の取組とXRP価格の因果関係を証明しようとする証言は見られず、XRPLedgerネットワークが中央集権的に運営・管理されていると主張する証言もない」などと指摘しつつ、「2ヶ月以内に和解成立の公算は低い」として、現時点では時期尚早との見立てを示した。

19日には、米SEC(証券取引委員会)と暗号資産(仮想通貨)の管轄権を巡って見解の対立する米CFTC(商品取引委員会)のCaroline Pham委員長が、米リップル社の本社を訪問したことも好感された。

関連:米CFTC委員長、リップル本社を訪問|XRP関連動向まとめ

昨年8月には、米商品先物取引委員会(CFTC)のブライアン・クインテンツ委員が、「SECに暗号資産に対する権限はない」と踏み込んだ発言をしており、監督権限における見解について米規制当局間で対立している。

詳細:米CFTC委員「SEC(証券取引委員会)は、仮想通貨など商品に対する権限は持たない」

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。
05:50
モルガン・スタンレー、ブローカーによるビットコインETF勧誘を検討
最近の仮想通貨ビットコインETF資金流入状況に関しては昨日、ブラックロックのIBITが1月11日ローンチ以来初めて資金流入がゼロとなり、71日連続の流入記録が終了したことが確認された。
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧