CoinPostで今最も読まれています

FOMC目前にビットコイン膠着状態、BNB/BTC上昇止まらず過去最高値を更新

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

10月31日の米NY株式市場では、ダウは前日比128ドル(0.39%)安で取引を終えた。

6営業日連続で反発していたことから、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にポジション縮小する動きが顕在化、利益確定売り優勢になったものとみられる。

関連:1日朝の金融市場短観|NYダウ反落 BTCマイニングArgoの株価は暴落

次回FOMCで0.75%の大幅利上げは、ほぼ織り込み済みと思われ、市場の関心は日本時間3日3時過ぎに予定されるパウエルFRB議長の講演内容における”金融政策スタンス”及び、次回(12月)FOMCにおける利上げ幅などに移っている。

最大の焦点は、今後の利上げペース(金融引き締め)減速を示唆するかどうかであり、相場の底入れシグナルの一つとなり得るだろう。

一方、世界的に高進するインフレを抑制するための”金融引き締め”フェーズはこの先も当面続く見込みであり、ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスクや欧米諸国のリセッション(景気後退)リスクが取り沙汰される中、今夏を彷彿とさせる期待先行の値動きに対して「時期尚早」と警鐘を鳴らす市場関係者も少なくない。

4日には「米雇用統計」発表があるほか、翌週8日には大統領選の前哨戦となる「米中間選挙」を、10日にはCPI(米消費者物価指数)発表といった重要イベントが目白押しであり、相場急変には注意したい。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.19%高の20,516ドル。

BTC/USD日足

底割れリスクの高いレンジ下限への再転落を免れ、相場の反転機運を高められるかどうかの正念場に差し掛かっている。

Cryptoquant先週末、OTC(店頭)取引に参加する機関投資家の数が減少していると報告。相場反発に伴う売買が、小口のリテール主体であることを示唆した。ビットコインネットワーク上の資金フロー比率が低下し、転送されたトークン量が上昇するとOTC取引と見なすことができるという。

一部マイナーは危機的状況に

相場低迷の続く中、ビットコインマイナー(採掘業者)は苦境に立たされている。

マイニング企業Argo Blockchainは、近いうちに「キャッシュフローがマイナス」に陥るリスクがあると発表。事業撤退の可能性に言及したことで、株価が暴落した。

関連:仮想通貨採掘企業の経営難続く 英上場Argo、事業終了の可能性に言及

相場環境の悪化や世界的な資源高(エネルギーコスト高騰)に伴い、マイニング企業の財政を圧迫する中、ハッシュレート(採掘速度)は上昇し続け、競争率は激化している。

Core Scientificも財政悪化が深刻なマイニング企業のひとつだ。1000億円超に上る債務に関する支払いが遅れ、デフォルト(債務不履行)及び経営破綻に陥る可能性が取り沙汰される。債権者には米保険MassMutual、仮想通貨融資BlockFi、投資銀行B.Rileyなど大手企業が名を連ねる。

今年7月時点では、Core Scientificはビットコインマイニング企業としては3番手となる時価総額5億2500万ドルであったが、わずか数ヶ月で7,000万ドルにまで縮小している。

Core Scientificは今年7月、保有するビットコインを前月までに7202BTC以上売却したことを明かした。ブルームバーグの情報によれば、現在は採掘済みのビットコインはほとんど残されておらず、直接的な相場の下押し圧力にはなりにくいものと考えられる。

一方、現TOP3のマイニング企業であるMarathon DigitalやHut 8 Mining Group、Riot Blockchainにも影響が強く波及した場合、相応の売り圧力となる可能性もある。

アルトコイン相場

アルト市場の個別銘柄では、時価総額4位のBNBが前日比7.1%高に。

BNBは最大手取引所バイナンスのネイティブトークン。イーロン・マスク氏のツイッター社巨額買収において、バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(CZ)が出資したことがわかっており、思惑買いにつながったものと見られる。

イーロン・マスクが支持するドージコイン(DOGE)は、一度頓挫した買収交渉が最終局面を迎えたことが報じられて以降、わずか数日間で2倍以上高騰。時価総額8位まで急進した。

特筆すべきは、BNB/BTC通貨ペアでの上昇だ。弱気トレンドの最中で資金の集中しやすいビットコインを上回るパフォーマンスを示しており、過去最高値を更新。0.016BTCに達した。

BNB/BTC週足

2021年初めには0.0012BTCだったが、13.3倍ほど高騰したことになる。

なお、BNBは過去1週間で、5億7500万ドル相当のトークンがバーン(焼却)された。

またオンチェーンデータによれば、イーサリアム(ETH)基盤最大手のNFTマーケットプレイスOpenSeaの出来高が21年6月以来最低水準に失速する中、安価なガス代や高速トランザクションを背景に、BNBチェーン基盤の分散型取引所PancakeSwapやTofu NFTにおけるBNBチェーンの取引規模が拡大している。

OpenSeaの出来高は、48億6000万ドルを記録した今年1月のピーク水準から94%減少し、10月は3億300万ドルに留まった。2022年以降の市況悪化に伴いNFT需要が大幅減少した影響のほか、ソラナ基盤のMagic EdenやBNBチェーン基盤のマーケットプレイスが台頭し、市場シェアを奪ったとの指摘がある。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア