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NY連銀「分散型台帳はFXの銀行間決済市場に利益をもたらす」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ホールセール取引のCBDC検証

ニューヨーク連邦準備銀行(ニューヨーク連銀)は4日、FX(外国為替取引)の銀行間決済(ホールセール取引)に焦点を当てた概念実証「プロジェクトシーダー(第一フェーズ)」の実験結果を発表。

クロスボーダー取引用の中央銀行デジタル通貨(CBDC)のテストを通して、米国のデジタルドルと別々のブロックチェーン上の外国通貨を交換。銀行間支払い、清算、決済といったホールセール取引を15秒以内に完了できたという。

プロジェクトシーダーは21年22月に設置された「ニューヨーク・イノベーション・センター(NYIC)」のプロジェクト。連邦準備制度、国際決済銀行(BIS)イノベーション部門、官民の専門家と協力して、中央銀行のための新しい金融テクノロジー製品やサービスを検証、設計、構築している。

第一フェーズは今後のホールセールCBDC(WCBDC)の研究の出発点とされ、ホールセール・クロスボーダー決済の改善のために分散型台帳技術(DLT)、特にブロックチェーンを適用する可能性に焦点を当てた。

レポートによると、2国間や多国間で行われるFX市場の1日の取引高は7兆ドルを超えており、ホールセール市場で世界最大。ニューヨーク連銀は、米財務省や連邦準備銀行に口座を持つ外国・国際通貨当局に代わってFX市場で取引を執行している。

しかし、FXのスポット取引は決済まで2日程かかるため、中央銀行や民間金融機関にとって決済リスクやカウンターパーティリスクなどに晒される課題がある。その点で、CBDCの採用がこうした課題をクリアにする可能性があると述べている。

ホールセールCBDC(wCBDC)の活用は、中央銀行の負債の安全、迅速かつ効率的な移動を促進することで、より大きなホールセール市場の改善を促進する可能性を有す。分散型台帳のような実現技術が利益をもたらす可能性がある。

透明性、弾力性、プログラマビリティなど。これらのシステムを通じてwCBDCの形で移転できる中央銀行の負債は、既存の決済インフラの強化を促進し、将来の決済イノベーションに拍車をかける可能性を秘めている。

スポット取引

インターバンク市場の外国為替取引のひとつ。約定から資金受渡日までの期間が2営業日以内の取引。取引から通貨の受け渡しが完了する決済まで「取引日プラス2日」かかることから「T+2(てぃーぷらすつー)」と呼ばれる。

▶️仮想通貨用語集

CBDCの国際的進展

このレポートは、技術的観点からCBDCに関する議論に貢献することを目的としており、連邦準備制度理事会(FRB)による特定の政策を直接サポートするものではないことに留意している。

FRBのジェローム・パウエル議長はCBDCの導入について慎重な姿勢を維持してきたが、世界各国でCBDCの開発が進む中でFRBのスタンスに変化が生じてきている。

FRBのラエル・ブレイナード理事は22年2月の講演で、CBDCに関連する国際的進展が世界の金融システムに影響を与えるリスクがあるとして、「米国がCBDCに関する研究と政策開発の最前線に立つことが不可欠」と発言した。

関連:米連銀副議長、CBDCの研究・政策立案は「不可欠」

国際決済銀行(BIS)は22年9月、イスラエル、ノルウェーとスウェーデンの中央銀行とCBDCの合同実証実験を開始することを発表。実証実験の名称は「プロジェクト・アイスブレーカー」。BISのイノベーションハブ北欧センターが参加し、国際リテール決済や送金にCBDCがどのように利用できるかが検証される。

関連:国際決済銀行、CBDCの国際送金や相互接続を検証

10月には株式会社ジェーシービー(JCB)がCBDCの導入を想定した実証試験の準備を進めていることが明らかになった。

関連:国内決済大手JCB、年内にCBDCの実証検証を開始=報道

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

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