Web3で求められるスキルや人材とは
オントロジーのOWN Insightsシリーズでは、業界のリーダーを招き彼らのWeb3産業についての知見を共有して頂いています。シリーズ全体を通してこのインターネットの新しい流れを読者の方々により深く理解してもらうことが本連載の目的となっています。
今回はオントロジーのHRM(人事)を担当しているEden Yang氏が寄稿しています。テーマは「Web3業界で求められる人材とは」。
いまだ日の浅いこの業界に飛び込むには、どのようなスキルを身に着けるべきなのでしょうか。
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Web3業界の魅力とは
この1年間でWeb3は知名度を上げ、今や多くの人が知る概念となりました。
人々のWeb3に対する最初の反応は、一夜にして築かれる富に集まりがちですが、その次に見られるのは、その破壊的ともいえる進歩についてです。この業界の価値の変動は、従来の業界よりも遥かに大きく、ハッカーによって盗まれる額は、しばしば多くの注目を集めます。
また、革新的で壮大なビジョンは多くの人を惹きつけており、中でも有名な人物がイーロンマスクです。中国の大企業の中には、Web3への投資やインキュベーション(起業家の育成)を積極的に計画しているものもあり、多くの企業が未知の景色に期待を寄せています。
採用需要の急増
Web3業界の採用需要も大幅な急増を目の当たりにしており、多くの若い人材が集まっています。Web3は間違いなく大きなトレンドであり、そこに賭ける価値があります。
主要な求人サービスを閲覧すると、業界のポジションも魅力的であることがわかります。ところが、興味を引かれた人が周りを見渡しても、Web3についての学習機会はほとんどありません。そこで、Web3業界で求められる人材とは何かという疑問が生じます。
破壊的イノベーション
まず、Web3についての私の理解について話しましょう。Web3とは、データの所有権が個人に帰属する時代です。その基盤となるレイヤーはブロックチェーン技術であり、その構成要素にNFTがあります。
経済のシステムはDeFi(分散型金融)を通じて確立され、暗号通貨によって支払われ、自律的な分散型組織(DAO)によって形成されます。これらはいずれもWeb2業界にとって破壊的であり、Web3を信じる人々が何年にもわたって築き上げてきた道です。
DAO
・「Decentralized Autonomous Organization(自律分散型組織)」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。
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どのような人材が求められるのか
では、Web3関連職の採用チームはどのような志望者を好意的に思うのでしょうか。志望者が採用面接で尋ねる最も一般的な質問の1つから例を挙げてみましょう。
「業界での経験がない人が採用されることはあるのでしょうか?」
答えはイエスですが、それは候補者が学ぶ意欲と能力がある場合に限ります。では彼らの意志と能力とはなんでしょうか。
学習意欲
破壊的な概念であるWeb3の最大の課題の1つは、大量の情報を短い時間で消化し理解することが求められる点であり、迅速に学習する意欲が特に重要です。
また、学習も、MetaMaskウォレットを使ってみたり、ホワイトペーパー(事業計画書)を読む、エアドロップに参加する、DAO組織を見つけて参加する、業界のリーダーの動向を追ったり、AMA(質疑応答)やTwitterスペースを聞くといった、実際の体験には劣ってしまうでしょう。初心者レベルの経験のように思えるかもしれませんが、単に「Web3に賭けている」と熱弁するよりはるかに信頼できます。また機能面で言えば、Web3の大きな特徴の1つはオープン性です。多くのチームは分散型の働き方を許可しており、オープンソースの精神の下で、誰もがプロジェクトの貢献者になることができます。
ただし、非同期作業や、長時間オンラインで作業する必要性、海外チームとのコミュニケーション、一部の非技術職で必要とされる技術的な理解、さらには契約の理解、業界において継続的に求められる学習量などにより、一部の人はしばしばためらいを覚えると思います。
コミュニケーション
標準化されたWeb2業界とは異なり、Web3は長期間にわたる自己発見の姿勢を求められます。
Web3プロジェクトに参加した後、何も知らないことに気づき、自信を失うことは誰にもあるでしょう。でも、実はみんなが等しく学習の段階なので、気軽に心を開いて、コミュニケーションを続けるとよいです。
オープンで楽観的な姿勢を維持し、業界の知識を習得する強い意志と、ある程度の言語能力があれば、Web3業界の志望者になるのに十分なはずです。この業界では、好奇心旺盛に働く人材の確保が急務です。
私は近い将来、業界が盛り上がりを見せるとともに、更なる新しい技術、機会を人々が目の当たりにすることになると信じています。ぜひこの機会にWeb3ブームを体感し、この業界の未来にご参加ください。