はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「仮想通貨の冬」におけるWeb3ブランディングとは|Ontology寄稿 オントロジーによる考察シリーズ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

越冬のための戦略的ブランディング

オントロジーのOWN Insightsシリーズでは、業界のリーダーを招き彼らのWeb3産業についての知見を共有して頂いています。シリーズ全体を通してこのインターネットの新しい流れを読者の方々により深く理解してもらうことが本連載の目的となっています。

本記事はテクノロジー系コンサルティング会社、Wachsmanの役員を務めるRory O’Neill氏が寄稿したものです。コンサルティングの観点から、Web3企業とブランディングについての考え方を解説しています。

関連:DAOはWeb3における次のカギになる|Ontology寄稿


低迷期にこそ業界で存在感を示すことが大切になる

仮想通貨(暗号資産)市場の低迷はWeb3にも深い影を落とし、メディアはブロックチェーン技術に対する否定的な報道を行い、ジャーナリストやクリプトに懐疑的な専門家がこの業界の将来に関して様々な見解を披露しています。

いつ終わるとも知れない「仮想通貨の冬」の時代を乗り切るために、今ひとつ軽視されているかもしれないものがあります。それは、この業界の企業は戦略的なブランドマネジメントを必要としているということです。

ここ数ヶ月間、仮想通貨に関するニュースはネガティブな見出しが多く、Web3企業にとって、この環境を乗り切ることは並大抵のことではありません。撤退という文字がよぎっても、この業界に当面身を置くつもりなら、沈黙を保つことが適切ではないことが明らかです。

むしろ、この時期に業界の旗手として立ち回り、センセーショナルな見出しよりもWeb3とブロックチェーン技術には更なる可能性があることを示すことが重要です。従って、この業界の企業は今、逆境にあっても自らを鼓舞し、Web3の根底にある価値に注目し、構築するときを迎えているといえます。

逆境を乗り越えるには

今、私たちは、ブランドが教育や構築、開発に重点を置き、自社プロジェクトだけでなく、業界全体の長期的な目標を明示することが重要となる分岐点にいます。そうすることが、将来にわたってリターンを得る唯一の方法です。

メディアが市況に目を向けるのは仕方のないことです。しかし、このような状況の中でも、業界のリーダーたちが、自らの専門知識を駆使して、前向きな力となる肥沃な土壌が存在しています。そして、この嵐を切り抜け、次の強気相場に向けて成功するために、現在の市場で下すべきビジネスクリティカルな決断について、業界の人々に道筋をつけます。

このような捉え方は、今ヘッドラインで見られるようなノイズをカットするのに役立つだけでなく、スポークスパーソンをこの分野における価値ある情報源として確立し、Web3に向けて構築するという重要な使命に再び集中することにおいても必要です。

ブロックチェーン技術は私たちの言葉の一部となりつつあり、著名ブランドがWeb3の世界に進出してきていることから、この業界に初めて足を踏み入れる人たちを教育することも大切です。

困難な時期に、この業界が既存のWeb2インフラに提供できるポジティブな改善点を、新規参入者やクリプトに興味がある人たちに示すことが不可欠です。信憑性は重要ですが、ブロックチェーン業界の革新的なプロジェクトを紹介することは、停滞を避けると同時に、有意義な貢献をするための素晴らしい方法となります。

関連:金融庁、Web3のデジタル資産に関する「新たな市場整備」に本腰へ

開発を進めることが、業界全体のイメージ改善へ

ブランドはこの市場の低迷を成長と発展のための時間として活用し、将来的にこの種の市場の変動による影響から身を守ることが不可欠です。

Web3が過去最高値を記録したのは、決して誇大広告が全てだったというわけではなく、基礎となる技術という強力なファンダメンタルズによるものです。

この視点を見失わないようにすることが重要です。今こそ、基本に立ち返り、企業や消費者に真の価値を提供できる技術を開発する時です。新しい製品や使用例が次々と発表される業界にとっては、話題性のあるニュースが実感できるポジティブなライフラインとなります。

ブランディング戦略の重要性

ブランドは、開発に注力すると同時に、ユースケースを推進することで、Web3テクノロジーがもたらすポジティブなインパクトが、市場の短期的な変動を超えて広がっていることを示すことが出来ます。

そうすることで、「仮想通貨の冬」は個々のブランドだけでなく、業界全体にとっても一時的なものであり、この技術が市場の気まぐれをものともせず普遍的な価値を持ち続けていることの証左であることを伝え続けることが出来ます。このことは、おそらく現在の仮想通貨情勢から学ぶべき貴重な教訓の1つであり、したがって、この業界のブランドの成功に今後不可欠であることが証明されるでしょう。

ブランドマネジメントは疑いようもなく、このWeb3史の局面において重要性を増しています。戦略的なアプローチは成功にとって極めて重要であり、適切に実施すれば、ネガティブな報道にさらされることを避けれるだけでなく、ブランドの知名度向上にもつながります。

つまるところ、今は尻込みしている場合ではなく、うまく対処し、Web3というトンネルの先に見える一筋の光となるべき時です。

関連:Web3の実現に向けた課題とは|Ontology寄稿

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:45
「サトシ」か「ビット」か? ビットコイン価格高騰で基本単位論争が再燃
ビットコインの価格高騰に伴い、コミュニティではその基本単位「サトシ」変更の議論が白熱している。サトシを廃止すべきというビットコイン改善提案177にジャック・ドーシー氏が支持を表明する一方で、反対意見も多く論じられている。
14:00
ブラックロック「BUIDL」で利回り増やす取引戦略 BounceBitが実証試験
BounceBitがブラックロックのトークン化米国債「BUIDL」を担保に利用して、年利20%を実現した取引戦略を公開した。ステーブルコインを担保とするよりも利点があるとしている。
13:10
個人ノード運用を容易に、ヴィタリックの新たなイーサリアム拡張案とは
仮想通貨イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が新L1スケーリング計画を発表。個人のノード運用を容易にする「部分的ステートレスノード」でガスリミットを10~100倍に拡張する革新的アプローチを提案。
12:35
米上院、ステーブルコイン規制『GENIUS法案』の審議進行可決
米上院が仮想通貨ステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」の審議を66対32で可決。消費者保護や倫理規定を強化した修正案で超党派合意が進展。
11:59
ビットコイン下髭で押し目買い意欲旺盛か イーサリアムにも機関投資家の強い関心
過去最高値の更新まで目前のビットコインは米国債格下げなど不透明感のある中、下髭形成し押し目買い意欲の強さを示した。50日・200日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫る中、イーサリアムには機関投資家の資金が集まり、CMEグループのXRP先物は初日に1,560万ドルの取引高を記録した。
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。
06:05
SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期 21SharesとBitwiseが対象
米証券取引委員会が21SharesとBitwiseのソラナETF提案について決定期限を延期し、パブリックコメントを求めると発表。Canary、VanEckも含む複数企業が仮想通貨ETF承認を競う中、SECの審査が本格化へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧