はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

DAOはWeb3における次のカギになる|Ontology寄稿 オントロジーによる考察シリーズ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3によって進化するDAO

DAO(自律分散型組織)はWeb3において重要な概念であり、新たな組織の在り方として注目されています。2022年はDAO元年とも呼ばれ、多くの仮想通貨プロジェクトが自前のトークンを持つなどして、DAOの構築を模索してきた年でもありました。

多くのDAO向けのサービス、ツールが登場し、革新的な試みも見られる一方で、DAOにおけるインセンティブのあり方は課題をはらんでおり、議論は尽きていません。

オントロジーのOWN Insightsシリーズでは、業界のリーダーを招き彼らのWeb3産業についての知見を共有して頂いています。シリーズ全体を通して彼らの考えを学び、このインターネットの新しい流れをより理解できるようになるでしょう。

今回は、オントロジーコミュニティ責任者であるハンプティ・カルデロン氏に、DAO(自律分散型組織)について寄稿いただきました。

関連:Web3は能動的な「表現者経済」をつくる|Ontology寄稿


DAOの可能性

Web3はとてつもない可能性を秘めた分野であり、金融の民主化革命を前進させる上で、DeFiは大きな意味を持ちます。また、人々は意義のある方法と価値観で他者に影響を与えたいと考える様になっています。

DAO(自律分散型組織)はこの1年、価値や目的の共有をもたらすメカニズムとして機能することを証明してきました。共通の使命を持った人々が、複雑な問題を様々なツールや方法によって共に解決するべく、それらの信念のもと組織化されています。

現状、ほとんどのDAOはサービス、プロトコル、投資、助成金、コレクター、ソーシャル、およびメディアのグループに分類できます。DAOが成長し成熟し続けるにつれて、需要に伴ったより小さな枠のカテゴリーも増えていくことでしょう。

DAOツールも、わずか1年前から進化しており、DAOとの対話はより複雑になっています。単純なウォレットとソーシャルプラットフォームから、マルチシグ、オペレーティング システム、P2P補償、投票プラットフォーム、そして最近ではタスクやバウンティ(報酬)管理ツールも公開されるようになりました。Gnosis Safe、Snapshot、CollabLand、Coordinapeといった傑出したツールは、DAOによる革命をリードしています。

DAOは不可逆的なものであるように思われ、実際に新しい斬新なDAOの需要は加速しています。「ConstitutionDAO」のようなプロジェクト(アメリカ合衆国憲法の原本の一つをオークションで落札するための資金調達プロジェクト)は、多くのDAO創設者候補の想像力を掻き立て、世界に影響を与えたいという同じ熱意、コミットメント、欲求を共有する人々によってアイデアを加速させてきました。

DAOとそのツールが進化するにつれて、プロジェクトや貢献者を管理およびサポートするためのより堅牢なメカニズムを作成するために、DAOを構成するコミュニティからの要求も高まっています。

関連:Web 3.0により発揮されるインターネットの真価とは

DAOに改善が必要な領域とは

メンバーのオンボーディング(DAOへの参加)はこれまで、参加者に配られるトークンによって導かれてきたといえます。多くのDAOはトークンを使用してコミュニティの管理を行い、インセンティブとして利用しています。

また、これらのトークンを配布するために、プラットフォームのユーザーと価値に沿ったプロジェクトとプロトコルにエアドロップを実行し、これらの個人をコミュニティの構築とガバナンスに参加するためオンボードさせることを目指しています。これはまだ完全とはいえませんが、しばらくの間機能してきたプラ​​クティス(慣例)といえるでしょう。

最近では、エアドロップを使用してDAOメンバーをオンボードする方法が進化しています。より包括的な「チェックリスト」を使用して、エアドロップ受信者とプロジェクトまたはプロトコルとのやり取りを定量的に測ることができるようになっています。プロジェクトのガバナンスプロセスを紹介し、エアドロップを受け入れる前に参加を開始するために、追加の手順が実行される場合もあります。その目的は、DAOの使命に賛同し、積極的で価値のある貢献者になる可能性が高い個人を見つけることです。

エアドロップとは

エアドロップとは、仮想通貨(トークン)を無料配布すること。認知度向上キャンペーン的な性質を持つ

仮想通貨用語集

オンボーディングが完了したら、DAOは影響力の大きい貢献者を維持する方法を見つけなければなりません。助成金、報奨金、または役割ベースの支払いを通じて、DAOは貢献者にインセンティブを与えて価値を創造し、エコシステムを成長させます。

このプロセスにより、DAOへの参加に関心のある人は、誰でもあまり労力をかけずに参加することが出来るようになります。また、これは初期の貢献者からの貢献を促進するためにうまく機能するプロセスです。ただし、DAO が成熟するにつれて、そのインセンティブは、エコシステムに多大な価値を生み出したベテランの貢献者に合わないことが課題となってきます。長年のメンバーは、彼らの貢献を同じように評価するバウンティと役割を求めて、新しいメンバーと競争することになるかもしれません。

DAOのガバナンスは、常にではないにしても、多くの場合、トークンの保有を通じて行われます。所有するトークンが多いほど、DAOでの声は大きくなります。この方法は初期の段階では参加者が対等に近いためうまく機能する傾向があります。ただし、個人がDAOに貢献するにつれ、ある個人が生み出す価値は他の個人とは異なっていくことになります。

これは、後で参加する可能性があるにはあるが、あまり頻繁に貢献しない、またはまったく貢献しないトークンの大量所有者に関して特に当てはまります。従って、DAOのニーズにもっと同調しているかもしれない熱心で頻繁な貢献者の声は、形だけの富を持つ人々によってかき消される可能性があります。これは、DAOの価値観と一致しておらず、DAOを形成することに関心がある人や、DAOを構築している人に有利な結果に歪曲する可能性があります。

DAOの今後の見通し

とはいえ、DAOの未来は明るいです。最近、非常に影響力のある人物によって書かれた記事、ブログ、および論文等を通じて、分散型コミュニティに関連する自己主権のアイデンティティと評価システムに多くの注目が集まっています。これにより、分散型識別子 (DID)、検証可能な資格情報 (VC)、および譲渡不可のNFT(SBT:Soulboundトークン)を活用する新たな開発の波が生まれました。

関連:イーサリアム創設者ブテリン氏提唱の「Soulboundトークン(SBT)」に高い関心

関連:Web3時代のIDソリューション、ONT IDとは

各プロジェクトは、DAOでのユースケースを特定するために、これらの新しい技術を試しています。これらが、個人の評判を解き放ち、よりダイナミックで公正なオンボーディング、インセンティブ、およびガバナンスの実践を生み出すことができるのではないかと期待されているのです。

DAOおよびWeb3全般における新しくエキサイティングな始まりとなるのは明らかでしょう。個人的にも、私たち自身の目の前で進化し続けるこの新たな空間を探求し、構築する機会が与えられていることに興奮しています。

関連:オントロジーが構築する、ユーザー所有権を通じた分散型社会|Ontology寄稿

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/04 土曜日
13:30
仮想通貨強気相場を加速か? トランプ米大統領が最大2000ドルの給付金を検討
米国のトランプ大統領が関税収入を基に最大2,000ドルの国民給付金を検討している。コロナ禍では給付金がビットコイン上昇を後押ししており仮想通貨市場への影響が注目される。
11:40
ビットコインマイニング大手MARA、BTC保有量が1兆円に迫る
Maraが発表した9月の生産実績によると、218ブロックを獲得し前月比5%増を記録した。ビットコイン保有量は52,850BTCに達し、上場企業の中でストラテジーに次ぐ第2位の保有額。
11:05
ウォルマート傘下のワンペイ、仮想通貨取引機能を年内追加へ
ウォルマートが過半数を所有するフィンテック企業ワンペイが年内にモバイルアプリで仮想通貨取引とカストディサービスを開始すると報じられた。
10:15
ビットコイン現物ETFへの週間流入が3300億円到達、「アップトーバー」の兆しか
米国の仮想通貨ビットコイン現物ETFへの週間流入額が3,300億円に到達した。過去データから10月の上昇傾向「アップトーバー」が注目されている。
09:50
テザーなど、金トークントレジャリー設立で2億ドル調達へ=報道
テザーとアンタルファがトークン化ゴールドを蓄積するトレジャリー会社設立のため2億ドル以上の資金調達を協議中とブルームバーグが報じた。
08:30
ビットコイン円建て史上最高値更新、米政府閉鎖で逃避資金が集中|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは4日、円建てで史上最高値を記録。米政府の閉鎖によって「無国籍資産」としてのビットコインの存在感が強まり、投資家心理は極めて強気である。
07:50
コインベースが連邦信託認可を申請、決済サービス拡大の狙いで
仮想通貨取引所大手コインベースが3日に通貨監督庁に国家信託会社認可を申請したと発表した。カストディ事業を拡大し決済関連サービスを提供する計画で、銀行になる意図はないと明言。
07:42
コインベースとSamsung、Galaxyスマホユーザーに仮想通貨体験を提供へ
コインベースとSamsungがパートナーシップを締結。まずは米国のGalaxyスマホユーザーがCoinbase Oneを試験利用できるようにして、仮想通貨の利用機会を提供する。
06:40
24銘柄以上の仮想通貨関連ETFが新規申請、米政府閉鎖で承認手続きに遅延
様々な投資運用会社が3日に24銘柄以上の仮想通貨ETFを新規申請したと報じられた。しかし米国政府閉鎖によりSECの審査プロセスが停止し、承認時期が不透明になっている。
06:10
BNBが1100ドル突破でBNBチェーン銘柄大幅高、CAKEが40%高騰
仮想通貨BNBが3日に1,100ドルを突破したことでBNBチェーンのネイティブプロトコルへの投資家関心が再び高まった。パンケーキスワップのCAKEトークンは24時間で約30%上昇。
05:45
イーサリアム財団、6.6億円相当ETHをステーブルコインに換金予定
イーサリアム財団が4日に1000ETH(6.6億円相当)を売却すると発表した。CoWSwapのTWAP機能を使用し、研究開発や助成金、寄付の資金調達を目的としている。
10/03 金曜日
18:27
野村HD傘下Laser Digital、暗号資産交換業登録を目指す
野村HD子会社Laser Digitalが、日本で暗号資産交換業者登録を目指し金融庁と協議中。スイス発の同社は国内金融機関向け事業展開を計画。
17:37
積立NISAの次は?35歳会社員のイーサリアム投資入門
積立NISA実践中の35歳会社員が、次の投資先として注目するイーサリアムステーキング。月5,000円から始められる暗号資産投資の基礎知識、積立NISAとの違い、リスクと対策を専門家がわかりやすく解説。家族への説明方法も紹介
17:36
月2万円で始めるイーサリアム 35歳会社員の積立シミュレーション
月2万円のイーサリアム積立投資で5年後の資産はどうなる?35歳会社員が実際の数字でシミュレーション。頭金50万円のケースや価格変動パターン別の詳細な試算結果、始め方の3ステップまで具体的に解説します。
13:55
「ミームコインは仮想通貨への入り口として重要」=ギャラクシーデジタル考察
米仮想通貨金融大手ギャラクシーデジタルは最新レポートで、ミームコインはもはや単なるブームではなく、仮想通貨市場への新規参入者誘致に重要な役割を果たしていると指摘した。一方、ごく少数のトークンのみが生き残り、大半は衰退するなど、ギャンブル性が高いことには注意を促した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧