- 仮想通貨市場は大幅下落
- ビットコイン急落に伴いアルトコインの底値割れが続発する中、特に顕著な下げを記録したイーサリアムの下落率は前日比-17%に達した。ブルームバーグのアナリストは、下落原因としてICO実施企業による大量売却を挙げている。
- イーサリアム下落の原因とは
- とりわけ顕著に価格を押し下げたイーサリアム。bloombergのアナリストは、イーサリアムの大幅な下落原因としてICO実施企業によるイーサリアム売却を挙げている。
仮想通貨市場は総悲観
8/9以来、ビットコインの価格は70万円付近で小さい上下を繰り返し、大きく価格変動することなく推移していましたが、日本時間の14日0時ごろ均衡は崩れ、再び60万円台へと突入しています。
14日12時現在でビットコイン価格は66万円台を推移しており、24時間で約5%の価格下落となりました。
今回の下落対象はビットコインだけでなく、イーサリアムをはじめとした主要アルトコインはビットコインよりも大きい下げ幅を記録しています。
特に、イーサリアムはビットコインが下落を始めた本日深夜の同じタイミングで大きく下落しました。
イーサリアムの価格は、先日まで50,000円前後。昨日は35,000円付近で推移していましたが、14日11時現在で27,000円台まで価格を押し下げています。
24時間での下落率は17%を記録しており、15%以上の下落は今年3月以来、さらに30,000円を下回ったのは、昨年11月以来となります。
その他の主要アルトコインも、今回の下げ相場の煽りを大きく受けています。
IOTA、VeChain、Binance Coin、TRONといった主要アルトコインは、24時間あたりの下落率でいずれも20%超を記録しており、時価総額100位以内の仮想通貨のうち9割程度が10%以上価格を下げています。
アルトコインの下落率がビットコインの下落率を大きく越したことで、ドミナンスの状況にも大きな変化が現れています。
ビットコインドミナンスは5月初旬から単調に上昇を続け、8/12に50%を超えましたが、今もなおビットコイン優勢の状況は続き、14日12時現在で53.6%にまでドミナンスを押し上げました。
イーサリアム下落の原因は
Bloombergは今回のイーサリアムの下落理由として、ICO実施企業による大規模なイーサリアム売却を挙げています。
これまでのイーサリアム高騰は、多くのICO実施企業が資金調達の手段としてイーサリアムを利用したことが背景にありますが、今回の下落ではそれが仇となったようです。
Bloombergは、長らく続く弱気市場を見かねたICO実施企業がイーサリアムを現金化したことで、下落を招いたと分析しています。
例えば、EOSの運営元であるBlock.oneはICOの実施によりおよそ40億ドル相当のイーサリアムを調達したと推算されていますが、過去にEOS運営がICOで資金調達したイーサリアムを大量売却した事実も報告されています。
これまでに同団体が保有するイーサリアムウォレットから巨額のイーサリアムが取引所へ送金された動きが度々確認されており、これらが売り圧力となってイーサリアムの価格低下を招いた過去もあります。
トルコ・ショックの余波
トルコの通貨リラが急激に下落を続けている「トルコ・ショック」も仮想通貨市場に大きな影響を及ぼしているでしょう。
トルコリラが10日に対ドルで前日比約20%下落し、それにつられる形で日経平均、NYダウはともに3日連続で下落しました。
トルコ・ショックは現在世界的に金融市場をかき乱す要因となっており、その影響は株式市場にとどまらず仮想通貨市場にも波及しています。
特に仮想通貨はそのボラティリティーの大きさからリスク資産として認知されており、リスク回避のため仮想通貨から資金を引き上げた投資家も少なくないと考えられます。