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イーサリアムはデジタル世界経済を支える「トラストウェア」=Consensysレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

10周年を迎えるイーサリアムとその役割の進化

イーサリアム(ETH)基盤の開発とソリューションを提供するConsensysは、イーサリアムが7月30日に10周年を迎えるにあたり、「The Industrialization of Trust(信頼の産業化)」と題したレポートを発表。イーサリアムをデジタル経済における信頼の基盤「トラストウェア(Trustware)」として位置づけ、その役割と将来性を詳細に解説した。

レポートでは、イーサリアムはすでに根本的な変革を遂げており、投機的なプラットフォームから、ますますデジタル化が進むグローバル経済において、信頼提供の基盤となる不可欠なレイヤーへと成熟しつつあると主張した。

この主張を裏付けるため、Consensysはプログラムと検証が可能な技術レイヤーである「トラストウェア」という概念を紹介し、以下のように定義した。

トラストウェアとは、人間の代理人や監査人によって検証され、人間の保険会社や規制当局によって保証されるメモや台帳といったアナログな信頼の概念を、アルゴリズムによって生成可能な同等のデジタルな信頼の概念への移行を可能にするインフラである。

信頼はすべての経済活動の基盤となるものだが、従来の社会的・制度的な信頼(アナログな信頼)の形成は、銀行、政府、企業などの仲介者に依存しており、膨大な費用がかかる。Consensysの試算によると、世界経済は毎年、保険に8兆ドル(1,167兆円)、法律関連に1兆ドル(146兆円)以上、監査に2,900億ドル(42.3兆円)など、信頼関連の費用に約9.3兆ドル(1,357兆円)を費やしている。

しかし、この信頼モデルは非効率的で高コストであり、デジタル経済への適応には限界があるとレポートは指摘。一方、イーサリアムのトラストウェアは、数学的に保証されたデータの正確性と、改変が困難で永続的な完了性を備えた信頼を、効率的に生成・管理可能なデジタルインフラを提供する。そのため、ほぼ人間の介入なしに、取引の検証を高速、低コスト、安全、かつスケーラブルに実現し、信頼コストを劇的に削減できる。

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イーサリアムの優位性

イーサリアムはその最初期から、未来の世界経済を牽引するプラットフォームとしての役割を担うことを目標に構築されてきたとレポートは主張。以下の点で他のチェーンを圧倒していると指摘した。

  • 市場シェア:ビットコイン以外のデジタル資産の50%を支えており、ステーブルコインの60%、分散型金融(DeFi)の資本60%、株式、債券などトークン化された実物資産(RWA)の80%がイーサリアム上で運用されている。
  • 経済的な安全性:1,000億ドル超のステーキング資本と100万人以上のバリデータを擁し、攻撃に対する強力な防御を構築。
  • 堅牢なネットワーク効果:最も高い流動性と最多の開発者コミュニティ(最大の競合チェーンの2倍)。EVM(イーサリアム仮想マシン)はスマートコントラクト技術の標準であり、主要ステーブルコインの基盤。また、最も豊かなアプリケーションエコシステムを擁する。
  • 適応性と継続的なアップグレード:The Merge(PoSへの移行で99.95%のエネルギー削減)やDencun(ロールアップ手数料の90%削減)などの複雑なアップグレードを通じて、10年間、ダウンタイムなしに回復力と継続的な改善を実証している。
  • グローバルな中立性と分散性:単一企業や国家に支配されず、80カ国以上で100万以上のバリデーターが稼働(67%が米国外)。
  • 機関投資家による採用:ブラックロック、JPモルガン、Visa、フランクリン・テンプルトンなどの大手機関が、決済、トークン化資産、プライベートエクイティへのアクセスで活用中。

投資としての将来性

レポートは、現在の暗号資産(仮想通貨)の時価総額は世界の富の0.3%に過ぎず、トークン化証券も資本市場のごく一部であることから、今後の成長に大きな余地があると示唆。米国における規制の明確化により、採用の加速も期待されている。

さらに、人工知能(AI)とブロックチェーンの融合により、トラストレスなインフラに対する需要がかつてないほど高まっているが、イーサリアムはAIエージェントによる高速取引に対応し、かつアルゴリズム同士の信頼を提供する唯一のプラットフォームであると主張した。

また、イーサリアムはネットワーク上の決済に使用でき、価値の保存手段として機能するだけでなく、ステーキングを通じてキャッシュフローを生み出し、イーサリアム・プラットフォームの普及に伴い価値が高まると指摘。「コモディティ、通貨、そして資本資産の特性を融合させた独自の魅力的な資産」であると、その多機能性を高く評価した。

イーサリアムはすでに「信頼のマシン」として構築されており、信頼のデジタル化が進展すると考えるならば、イーサリアムへの投資はデジタル経済のインフラへの投資と同義であり、今後その価値が増大することは自明の理だとレポートはまとめている。

価格の予測

Consensysは「Cost-to-Corrupt Floor(不正コストの下限)」モデルを用いて、今後のイーサリアムの価格を予測した。

このモデルはネットワークに対する攻撃を防御するコストを定量化し、セキュリティを維持するために最低限必要なイーサリアムの市場価値の下限を示すもので、ネットワーク上で保護される資産の経済的価値と密接に関連している。

イーサリアムの価格は2025年末までに4,900ドル(約71.5万円)、2028年までに15,800ドル(230.5万円)に達するとConsensysは予測している。

なお、この評価は、将来の経済がイーサリアムのトラストウェアに依存していることを前提としており、その成長軌道に大きく左右されるとレポートは付け加えた。

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