BNBチェーンの発展へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのベンチャーキャピタル部門「バイナンスラボ」は2日、DeFi(分散型金融)プロジェクト「Ambit Finance」に戦略的投資を行ったことを発表した。
投資金額は最大で約6億円(450万ドル)。両社は協業して、BNBチェーン上のDeFi領域を発展させ、ステーブルコイン「BUSD」や他の仮想通貨の実用性向上を目指す。
Welcome @ambitfinance to the Binance Labs family! We continue to accelerate development of trustless Defi in BNB Chain ecosystem and SECURITY is always at at core for all Defi protocols. 🔝https://t.co/vmAv5LrvaC
— Binance Labs Fund (@BinanceLabs) December 2, 2022
Ambit Financeは、まだ公式ウェブサイトも準備中の新しいプロジェクト。DeFiプラットフォーム「Anchor Protocol」を主導していたメンバーなど、様々な経歴を持つ人々で構成されるチームが、Ambit Financeを運営している。
Anchor Protocolは、運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」が、約2.6兆円(200億ドル)まで増加したことのあるDeFiプロジェクトだ。
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今後はバイナンスラボとAmbit Financeで協力し、DeFiのアプリを複数ローンチすることを計画。このアプリは、イノベーションとセキュリティ、リスク管理に特化するという。
具体的には、BUSDをベースにしたステーブルコインで金利を稼げるようにしたり、レンディングや金融機関向けの仕組み商品などのサービスを統合したスーパーアプリを開発したりする。
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バイナンスラボとAmbit FinanceはこういったサービスをBNBチェーン上で展開し、BUSDを初めとする仮想通貨のユースケースを増やしていく。さらに、BNBチェーン上の他のプロジェクトとも協業していくとした。
バイナンスの共同創設者で、バイナンスラボのトップを務めるYi He氏は、今回の出資について以下のように説明している。
バイナンスラボは、将来性のあるDeFiプロジェクトに出資していく。
たとえ市場が荒れていても、トラストレスなDeFiの発展に貢献することができるプロダクトを構築するチームやソリューションは存在していると信じている。
また、バイナンスの投資ディレクターTyler Z.氏のコメントは以下の通り。
今回の出資で、BNBチェーンコミュニティに高水準のレンディングサービスを提供できるようになるだろう。
我々は、Ambit FinanceがDeFiを一般層まで普及させることを望んでいる。
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バイナンスラボの出資事例
バイナンスラボはこれまでも、様々なWeb3プロジェクトに支援や出資をしてきた。
最近では先月10日、5回目となるインキュベーションプログラムの対象に、Suiブロックチェーン上のEVMプロジェクト「HANA EVM」を含む12のプロジェクトを選出したと発表。このインキュベーションプログラムは、「Web3の未来を形作る革新的なブロックチェーンプロジェクト」を支援することを目的としている。
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また、同月22日には、デジタル資産のセキュリティサービス企業「NGRAVE」への出資を発表。すでに戦略的投資を行っていることに加え、これからNGRAVEが行うシリーズAの資金調達ラウンドをバイナンスラボが主導すると説明した。
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