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ブテリン氏が期待寄せるイーサリアムの活用法5選

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

有望なユースケース

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は5日、イーサリアムのエコシステムの中で最も「エキサイティング」だと考える主なユースケース5選を紹介した。

ブテリン氏が取り上げた5つのカテゴリーは以下の通り。

  1. お金:ステーブルコインの重要性
  2. DeFi(分散型金融)
  3. デジタル・アイデンティティ
  4. DAO(分散型自立組織)
  5. ブロックチェーンと他システムのハイブリッド

ブテリン氏の「イーサリアムに対する熱意」は、数年前のように「未知数の可能性」といった抽象的なものではなく、すでに「検証され、さらに強化されつつある」と考察。今後のユースケースはすでに議論されたアイデアから派生すると分析している。

ブテリン氏はまず、お金が暗号資産(仮想通貨)の最初のユースケースであり、今でも最も重要なアプリケーションだと指摘。一方、価格変動の大きさを考慮すると、実際に仮想通貨を貯蓄やビジネスに利用するのが困難であることも認め、ステーブルコインが重要な役割を果たすと主張した。

関連:初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

ステーブルコインの展望

同氏はステーブルコインは主に以下の3種類に分類。現在主流となっているUSDCやテザー(USDT)のような中央集権型ステーブルコインは利便性が高い反面、米国のマクロ経済及び政治的安定性に依存しているため、長期的には代替策が必要だとの持論を示した。

  • 中央集権型
  • DAOが実世界の価値(RWA)を管理するタイプ
  • ガバナンスを最小化し、仮想通貨を担保とするタイプ

一方で、ブテリン氏はDAOが管理するRWA担保型のステーブルコインは今後、十分な堅牢性や検閲耐性、スケーラビリティ、そして経済的実用性を兼ね備えることができれば、「満足できる媒体」となる可能性が高いと楽観的な観測を示した。

DeFiのメリットと課題

また、ブテリン氏は分散型金融(DeFi)について以下のような見解を示した。

分散型金融は、最初は公正だが限定的な分野として始まったが、のちに持続不可能な形態のイールドファーミングに依存した、過剰資本の怪物のようなものになってしまった。

しかし、現在DeFiは落ち着きを取り戻しつつあり、セキュリティを向上させ、特に価値のあるいくつかのユースケースに再度フォーカスし始めたと評価。特に分散型ステーブルコインは最も重要なDeFiの産物だと考察した。

そのほかにもDeFiの重要なニッチとしては、予測市場、主要な株価指数や不動産、他の資産と効率的に取引するためのレイヤーが考えられると述べた。

イールドファーミングとは

DeFi(分散型金融)で、レンディングやDEX(分散型取引所)などのサービスに資産を貸し出し提供することで、金利や手数料収入を得る運用モデル。イールドは”利回り”、ファームは”耕す”を意味する。

▶️仮想通貨用語集

関連:DeFi(分散型金融)とは|初心者でもわかるメリット・デメリット、重要点を徹底解説

アイデンティティのエコシステム

ブテリン氏はブロックチェーンを活用したアイデンティティ(ID)の取り組みを三つ目の有望なユースケースとして取り上げた。

IDエコシステムのユースケースの一つには、イーサリアムアドレスを単純なユーザー名に簡素化するイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)がある。

同氏は、「ブロックチェーン・アイデンティティ」には強気だが、さまざまな身元確認や証明を一元管理するような集中型のプラットフォームには懐疑的だと説明。「多くのプロジェクトが、個々に価値のある特定のタスクに取り組み、時間をかけて相互運用性を高めていく有機的なアプローチ」を推奨した。

また、IDエコシステムの課題としてプライバシーを挙げ、アプリケーションごとに意図的に取り組むことが重要だと指摘。オンチェーンとオフチェーンの情報を組み合わせたり、ゼロ知識証明ベースの暗号化技術「ZK-SNARK」などの技術を多用するべきだと述べた。

関連:高額取引されるイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)とは 歴代トップセールスや利用用途を徹底解説

これまで提唱されてきたIDの仕組みなどにはPOAPやSBT、SIWE(Sign in with Ethereum)などがその他の事例として紹介した。

SBTとは

Soulbound Tokenの略称。一度受信するとその後取引や譲渡が不可能なNFT。ユーザー認証など本人証明などアイデンティティ(ID)におけるユースケースが期待されている。

イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏など複数の開発者が2022年初頭に提唱したコンセプト。

▶️仮想通貨用語集

関連:「Soulboundトークン(SBT)」とは

DAOとハイブリッド型のアプローチ

ブテリン氏は分散型自立組織(DAO)の在り方について、ガバナンス構造とその構造を実装する意味について問いかけ、詳細な議論を提示した。

DAOとは

組織やコラボレーションのためのブロックチェーンのユースケースの一つ。経営者のような中央管理者が存在せず、コミュニティによって運営され、トークンを保有するすべての参加者が意思決定に参加できる。活動に対する報酬をトークンで受け取ることができ、より公平で民主的な組織構造を作ろうとするコンセプト。

▶️仮想通貨用語集

同氏は最後に完全なオンチェーンではなく、他のシステムと組み合わせることで、信頼性が向上し、うまく機能するハイブリッド型のアプローチを提唱。投票や政府の登録簿、企業会計、またゲームやサプライチェーン、アクセス権限の追跡などを事例として挙げた。

一方で、今後の課題として、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題やプライバシーの問題があるとブテリン氏は考察。このような問題は解決可能であるとともに、解決しようとする強い意志が業界には存在すると楽観的な見方を示した。スケーラビリティ問題に関しては、ロールアップ技術の急速な進歩で、トランザクション速度が向上している例を紹介した。

関連:イーサリアム共同創設者ブテリン氏が語る、ロールアップ技術の展望と課題

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