- 潜在投資家のデータ
- 英仮想通貨関連企業CoinSharesのCEOは、世界銀行の人口データを元に、世界各国における仮想通貨業界の潜在投資家を約1億人と算出。1,900,000BTC(約1.3兆円)もの需要になり得ると分析した。
潜在投資家のデータ
8月17日に、イギリスの仮想通貨関連会社CoinSharesのCEOを務めるRyan Radloff氏が同社公式ブログにて、仮想通貨(または、ビットコイン)の潜在顧客が多数存在していると言及しました。
数年前には、仮想通貨業界が非常に小さく、人口動態調査が意味を為さなかったものの、最近になって仮想通貨市場が大手メディアに取り上げられるなど、多くの人々に認知され、昨年から今年にかけて多くの投資家が参入してきたことから人口動態調査や、仮想通貨研究などが活発的に行われるようになってきました。
Radloff氏は、その公式ブログにて、ING国際調査(14,828人対象)、Global Blockchain Business Council調査 (5,761人対象)、カナダ中央銀行調査(1,997人対象)という3つの仮想通貨関連の調査結果および、世界銀行の人口データを元に、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアにおける仮想通貨業界の潜在投資家を算出しました。
彼は、調査によって、将来的に仮想通貨を保有したいと考えている人々の割合から、すでに仮想通貨を保有している人々の割合を引き、将来的に仮想通貨を保有することに興味を持ち、同時に現時点で、仮想通貨を保有していない人々の割合を算出しました。
そして、その割合を各国の人口と掛け合わせることで、実際何人が潜在的な新規参入投資家に該当するかを割り出しています。
結果的に、オーストラリアで196万人、アメリカで4,232万人、ヨーロッパで5,463万人、合計1億人近い人々が潜在投資家として存在していると言及しました。
そしてこれらの人々が、現時点で6,500ドル(約72万円)ほどのビットコインを100ポンド(約14,000円)ずつ購入した場合、190万BTCもの需要になり得るとRadloff氏は語り、以下のように記述しました。
長期的な視野が必要
しかし、その潜在的需要に反して、現時点でビットコイン価格は、未だ6,500ドル(約72万円)ほどで取引されており、2017年末の過去最高値から下落の一途を辿っています。
この現状を受け、同社CoinSharesの最高戦略責任者(CSO)を務めるMeltem Demirors氏(以下、Demirors氏)は、CNBCのFast Moneyという番組に出演し、新しい技術が受け入れられるにはある程度の時間を要することをITバブルの例を挙げて説明しました。
Demirors氏は、アマゾンが過去最高値を記録し、下落、そして、再度その最高値の水準に戻ってくるまでに9年の年月を要したと主張しました。同様に、インテルは15年、マイクロソフトは17年の年月を経て、過去の最高値の水準にまで回復したと述べています。
彼女は、FOMO(Fear of Missing Out、見逃す事の心理的恐怖)などによって、仮想通貨業界は、投機的な側面で爆発的な上昇を記録し、バブルであると危惧されたものの、流入してきた資産が、現在、実際のユースケースを持つ仮想通貨関連ビジネスの発展に繋がっていると言及しました。
このように、仮想通貨業界は、その回復にある程度の時間を要する可能性もありますが、ITバブル時代の株式と同様に最終的にはその最高値水準まで回復し、その後も、”価値の保存”などにおける特定市場の占有率やメインストリームへの普及によるユーザーの増加が進み次第、アマゾンや、マイクロソフトをはじめとする大手IT企業のように右語りで上がっていくという予想が出されました。
そして、既述の調査において、仮想通貨を現時点で保有している人々が、調査対象の10%にも達していないことから、今後の新規参入者も期待出来ると言えるでしょう。