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Gunosy設立のLayerX|技術力を活かしブロックチェーン業界をリード

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

LayerX福島良典社長へ独占インタビュー
7月12日に、株式会社Gunosyはブロックチェーン事業への参入とAnyPay株式会社とブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「株式会社LayerX」の設立を発表。今回はそのLayerX社の社長に就任された福島良典社長にCoinPostで独占インタビューを行いました。当インタビューではテックカンパニーとしての観点から語られるブロックチェーンの本質など、大変興味深い内容になっております。

Gunosy、ブロックチェーン事業参入へ

出典:Gunosy 「平成30年5月期 決算説明資料」

7月12日、株式会社GunosyはAnyPay株式会社と共に、ブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「株式会社LayerX」の設立を発表し、Gunosy社のブロックチェーン事業への参入を表明しました。

LayerX社ではトークン開発、ICO時やスマートコントラクトのハッキング対策、フィジビリティスタディなどを軸にコンサルティングなど、技術力を活かした事業を行なっていく方針との事です。

今回、Gunosy社の創業者でもある、LayerX社の代表取締役社長に就任された福島良典氏にインタビューの機会をいただけたので、以下ご覧下さい。

LayerX社、福島良典社長へ独占インタビュー

撮影:CoinPost編集部

―Q1.LayerX社を通じて具体的にどういった事業展開をされていく予定か。

トークン設計のコンサルティングとコード監査、そのほかマイニング事業等を展開する予定です。

日本のブロックチェーン業界は、投機的な側面は盛り上がっているのですが、技術的な実装や技術の面からアドバイスが可能な会社やプレイヤーが凄く少ないなと考えています。

今後ブロックチェーンの活用が増えていく中で技術的なサポートの需要が一気に増えていくだろうと予測しているので、技術のスペシャリストである我々がそういったサポートをする事業展開をしていく予定です。

―Q2.LayerX社の設立をこのタイミングで発表されたのは狙いがあったのか。

Gunosyの視点で考えると、スマートフォンメディアの成長が少しずつ鈍化してきている現状と、市場全体としても、スマートフォンの登場から10年経ってきている中で今後大きなメディアが出てくることはないだろう、と考えた背景があります。

Gunosyがテクノロジーカンパニーという文脈の中で、次にどんな大波に乗っていくかといったところで、体制変更と一緒にLayerXを発表させていただきました。

Gunosyはメディアカンパニーではなくテクノロジーカンパニーであり、ポートフォリオの一つとしてLayerXがあり、ブロックチェーンを本気で事業として行っていく事が、このタイミングで発表して最も伝えたかったメッセージです。

ブロックチェーンの領域でビジネスとして成り立っているのは取引所とマイニングしかなかった中で、急激にこの1、2年でICOが盛り上がってきました。直近では、ホワイトペーパーだけで資金調達しているようなプロジェクトはだんだんと少なくなってきています。

プロダクトが動いているものだったり、MVPがあるものや、きちんとトークン設計がされたもの、セキュリティチェックがしっかりされたものに大きな金額が集まるようになってきていて、ICOも少しずつ健全化してきています。

そういった流れの中で、技術の需要に対して供給が少ない現状があります。まさにこのタイミングで参入しないと遅れてしまうといった意識があるので、この時期に発表させていただきました。

―Q3. もっと早い時期、例えばビットコインや仮想通貨の値段が高騰していた時期に発表していたら良かったと思うことはあるか。

当然、当時も模索はしていました。現状仮想通貨の価格が下落して、(高騰していた時期と比べて)低い価格で安定して推移しておりますが、ICOの件数や金額は安定して増えています。

もちろん、(件数や金額が)一時落ちたり波はありますが、安定して増加傾向にあるので、今の方がタイミングとしては凄くいいなと思っています。

逆に価格が盛り上がっている時はどうしても「仮想通貨=投機」のようにみられてしまいます。

価格は確かに下がりましたが、本質的なバリューは何も落ちていないどころか、むしろ技術開発はずっと進んで上がってきています。おそらく本物が生まれてくるのはこういったタイミングで、今ビジネスに変えていける会社がブロックチェーン領域を取っていくのだろうと考えています。

ただ、私たちの事業開始は、(仮想通貨の価格が)高い低いはあまり関係していない、気にしていないのが正直なところです

―Q4.日本のみならず、世界中でICOを通じて誕生しているプロダクト、プロジェクトをどのように評価しているか。

市場についての観点で言えば、まだ未成熟な市場だと思っています。

日本だとICOの件数自体が少ないので、まだ成否を問うような段階では無く、またブロックチェーンで変わる事は限定的だとも考えています。

ブロックチェーンで今ある産業のルールを置き換えるのではなく、ブロックチェーンにしかできない事であったり、ブロックチェーンで新しい公共財ができた事によって、新しく生まれる信用創造の場所や、新しく生まれる市場を狙っていくようなプロジェクトは良いプロジェクトと言えるのではないでしょうか。

グローバルでいくと、アプリケーションというより、プロトコルレイヤーのプロダクトが多いように思います。

ですから、私たち(LayerX社)は、まだそういった段階である市場を上手くアシスト、サポートしていきたいと考えていて、LayerXとしても体制構築をしっかりと図っていきます。

―Q5.そもそもGunosy社でブロックチェーン事業を始められる経緯は。

直感的なものだったのですが、ブロックチェーンが出てきた時、インターネットに必要なインフラだと感じました。

現在のインターネットは情報を受け取ったり、発信したりする際にその情報の真偽や内容はさておき、今ウェブサイトに掲載されている情報を疑って見てる人は誰もいないと思いますが、権利や価値が紐づくものはまだそうなってはいないのではないでしょうか。

コピーライトの問題も含めて、インターネットはコピーに弱いインフラだったのですが、初めてブロックチェーンで二重払いやコピーに対する解が出てきて、その点が非常に革命的だなと思います。

また、情報技術のとても面白い部分は距離がどれだけ離れていても様々な人を結びつけていく、経済圏に組み込める点ですが、ブロックチェーンによってそのインターネットに足りないピースがようやく揃ったんじゃないかな、と直感的に思いました。

これは本当にインターネット誕生に匹敵するほど本質的に大きな流れで、何か大きな市場が誕生するのではないかと考えました。

ビジネスとしてはどういう形になるか全く予想はつきませんでしたが、リサーチチームを立ち上げたのが昨年ですね。

メディアや広告に囚われているわけではなく、当然それらの領域にも将来的には大きく関わってくるのだろうと考えつつも、私たちのブロックチェーン事業で描くロードマップの中で、ユーザーが触る部分、メディアや広告の部分は、とても最後の方だと思っています。

トランザクションが承認されるまでに一定の時間が必要であったり、ユーザーが手数料を支払ったり、ファイナリティの問題など、現状技術的にブロックチェーンはまだまだ未成熟です。

ユーザビリティが全然追いついていない為、ユーザーが(ブロックチェーンを)触るにはまだリテラシーを求めすぎてしまう部分があるので、メディアや広告の分野まで届くのはまだ先だと考えております。

その為、メディアや広告にとらわれるのではなく、ブロックチェーンを軸に考えた時にブロックチェーンで変わる領域はどこなのだろう、ここにブロックチェーンを用いると今までに無い新しい事ができるのではないかといったところを軸に事業を進めていこうとしています。現在、マイニングも研究開発の一環でテスト運用などを行っています。

撮影:CoinPost編集部

―Q6.(ブロックチェーンを活用した)メディア事業はあくまで先とのことだが、現状行なっている技術に関する情報発信は続けていくのか。

そうですね。技術的な情報発信は続けていこうと考えていまして、ブログやMediumSNS等で研究レポートやプロトコルの解説等を行い、エンジニアリング向けの情報発信は続けていこうと考えています。

英語圏のウェブサイトを読めば、多くの情報に触れる事ができますが、日本人の場合言語も壁になってしまっているので、日本語でブロックチェーン技術に関する情報提供を試みている他、blockchain.tokyoというエンジニア向け勉強会も昨年10月から開催しています。

それが収益に繋がるかどうかではなく、もっと日本で開発コミュニティを作っていかなければ、日本においてブロックチェーンのプロジェクトが出てくるのは夢物語で終わってしまいます。少しでもそういったところで貢献できればなと考え、やり続けていこうと思っています。

―Q7.日本のブロックチェーン業界は実際のサービスやコンテンツが不在であると言われる中で、業界にとって必要な事は何か。

やはり、まずはきちんと正しい情報やトレンドを理解する事ではないでしょうか。

私たちが持つ海外情報網、ネットワークから見ると、日本で盛り上がっている事と海外で盛り上がっている事って「正直ズレているな」といった感覚があります。

それはやはり、技術者が育ちきっていない側面もありますが、若い方で独学でコードを書いている方の弱点でもあるビジネスと遠すぎるといった側面もあります。

ブロックチェーンは当然技術だけでは完結しない為、サービスの設計をはじめ経済学の知識を求められたり、法や規制の問題も含めて、様々な観点を考慮しないと形にしても意味のあるものにはならないと思います。

技術だけ先走っても、ビジネスだけ先走ってもいけないのですが、日本はそこが非常にバラバラで、日本にいるブロックチェーンの開発者でエンジニアリングだけやればいいと考える人もいれば、儲かればいいみたいな人もいて、非常に極端だなと感じています。

なので、もう少し全体感を持って動ける人が増えていかなければならないなと考え、LayerXは、そういった人を増やしていけるようなその場所にしていきたいなと思っています。

―Q8.福島社長は「インターネット以来の革命」とブロックチェーンについて言及されたが、ブロックチェーンはどんな変化や可能性を私たちにもたらしてくれると考えるか。

従来までの信頼、トラストはある種何かの権力に紐づいていましたが、ブロックチェーンでは、プロトコルから行われる強制的な執行に信頼が移っていくという点が非常に面白い部分だと思います。

自分の知らない人でも信用していい、中央的なものや仲介者がいない取引に関しても信用しても大丈夫だとなると取引コストが下がって、今までになかった経済圏が生まれる可能性があり、そういった究極的な取引コストを下げてくれる部分がブロックチェーンの可能性ではないかなと思います。

―Q9.最後に、CoinPostのユーザーに何か伝えたい事は。

ブロックチェーンを仮想通貨の観点から見ると、投機的な動きや声が多いですが、この半年の価格下落で皆さん盛り下がった部分はあると思います。

ただ、この半年で進んだ技術的発展は、それ以前の半年で進んだものよりも遥かに大きくて、新しい事例はたくさん出てきているのでファンダメンタルは全く崩れていないと考えています。

むしろ、ブロックチェーンの応用は現実社会にどんどん近づいてきているのではないでしょうか。

ただ投機的な動きに参加するのではなく、本質的な部分をしっかり見定めて、エンジニアではなくとも、ブロックチェーンはどう動いているのだろうか、Dappsってどう作るのだろうか、分散的で自律的で強制執行がなされるのってどういう概念なのだろうか、何に使えるのだろうか、どう応用していくのかだとか、そういった事をどんどん考えていってほしいと思います。

また、個人に大きなパワーが寄っていく時代だと思っています。ヴィタリック氏(時価総額2位の通貨イーサリアムの創業者)も会社を持っていなくても、19歳がわずか数年で世界のコンピュータの基礎的な部分を作っているので、そういう人が生まれてきてもおかしくない、日本においてもヴィタリック氏みたいな方が出てきても全くおかしくないと思っています。

日本人もそういった投機ではなくプロダクトを作ったり、ルールを作ったり、新しいものを世の中に提供して変革していくようなアクションをどんどん起こしていってほしいなと考えています。

LayerXの求人案内

今回インタビューをお受けいただいたLayerX社では求人募集をしているとの事で、ご案内いただいたので併せて形成させていただきます。

今回のインタビュー記事の内容を見て、LayerX社の仕事に興味を持たれた方、「ここで働いて見たい!」、「ブロックチェーン業界に飛び込みたい!」と思った方は、以下のページリンクへ是非お進み下さい。

LayerX Wantedlyページ

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福島良典社長略歴

撮影:CoinPost編集部

経歴

東京大学大学院工学系研究科修了。大学院在学中に「Gunosy(グノシー)」のサービスを開発し、2012年11月に株式会社Gunosyを創業、代表取締役に就任。

2013年11月より代表取締役最高経営責任者に就任。2012年度IPA未踏スーパークリエータ。 2018年8月よりLayerXの代表取締役社長に就任。

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