CoinPostで今最も読まれています

ポルカドット トークンの非証券化プロセスの研究を検討 SECとの関わった3年間の総括

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3規制の参考文献として

暗号資産(仮想通貨)ポルカドットのコミュニティで、トークンが非証券化するプロセスをわかりやすくまとめ、規制のガイドラインとする研究が提案されている。

ポルカドットは、発行時に証券と見做されたトークンが、開発と普及を通して分散化が進み、証券とは見做されなくなる段階に達するプロセスを「トークン・モーフィズム」(トークン変容論)と呼んでいる。ポルカドットは2022年11月、ネイティブトークンであるDOTがトークン・モーフィズムに成功し、もはや証券には該当しなくなったと発表していた。

関連:ポルカドット開発のWeb3財団、「DOTは証券ではなくなった」

DOTが非証券化されたとポルカドットが確信を持っているのは、2019年11月から米証券取引委員会(SEC)と積極的にミィーティングを重ね、「SECの懸念事項をより深く理解し、それに対処するための解決策を開発してきた」た経緯があるからだという。

トークンの配布、投資の開示、マーケティングやコミュニケーションに注意を払えば、ポルカドットが「真に技術的に分散化に到達した際に」DOTは証券ではなく、ソフトウェアに生まれ変わる可能性があることが示唆されていたと、ポルカドット・プロトコルの開発・推進を行うWeb3 Foundationは述べている。

ポルカドットは、3年間に及ぶSECとの関わりで学んだ規制プロセスとその成果をまとめることで、複雑な要素が絡み合うWeb3関連の規制に対処するための「最新の参考書」としたい考えのようだ。規制に関しては技術的側面から語られることが多いが、技術畑以外の利害関係者向けにも理解しやすい内容になることを目指すという。

ポルカドットと研究テーマ

ポルカドットは、異なるブロックチェーンにおける相互運用性の実現を目指すプロジェクト。イーサリアムの共同創設者で元CTOのGavin Wood氏が共同創設したPoS(プルーフ・オブ・ステーク)基盤のブロックチェーンで、分散型ウェブ(Web3.0)の構築を目指すWeb3 Foundationが主導で開発を行っている。

分散型のインターネットを実現するための「他のブロックチェーンの構築が可能なベースレイヤー」として開発されており、イーサリアムやビットコインのようなレイヤー1と競合するのではなく、安全でスケーラブルな方法で、他のブロックチェーンと接続し通信するための基盤構築を目的としている。

提案されたリサーチでは、以下のような研究テーマを網羅する予定だという。

  • SECのノーアクションレターについて
  • 2017年〜2022年の主要事例の包括的な分析
  • トークン・モーフィズム:概念と事例
  • ポルカドットのケーススタディ:SECとの対話から学んだ教訓
  • トークン発行に関するベストプラクティス
  • Web3におけるトークン・モーフィズムの適用可能・不可能なユースケースの解明
  • パラチェーンにおけるトークン発行の青写真
  • 広範なWeb3業界関連の調査結果
  • 米国と大陸法の適用国との仮想通貨規制の枠組みの簡単な比較分析

提案者は研究のための予算を約1,200万円(9万2,000ドル)と見積もっている。

SECの強制執行措置

大手取引所FTXと投資会社アラメダ・リサーチの破綻を受け、仮想通貨業界に対する規制当局の目はますます厳しいものになっている。

直近では、米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が13日、パクソス(Paxos National Trust)に米ドル連動型のステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」の新規発行停止を命じた。同社はBUSDと「Paxドル(USDP)」の2種類のステーブルコインの発行に携わっている。BUSDはテザー(USDT)、USD Coin(USDC)に次ぐ時価総額3位のステーブルコインで、NYDFSの認可・監督の下で発行されていた。

関連:米NY州金融サービス局、ステーブルコイン「BUSD」の発行停止を命じた理由を説明

また、SECは9日、米大手取引所クラーケンによるステーキングサービスの提供は、米国の証券法違反にあたるとして起訴。クラーケンは、罰金や不正利得などを含めた約39億円(3,000万ドル)の支払いと米国におけるステーキングサービスの提供中止に合意し、SECと和解に達した。

関連:米SEC「クラーケンの仮想通貨ステーキングサービスは証券法違反」

ポルカドットはSECとの対話に成功したと主張しているが、SECはポルカドットが非証券となったことを公に承認したわけではない。これまで、米リップル社や米大手取引所ジェミナイなど、多くの仮想通貨企業が長期に渡り「SECとの対話」を行なってきたにもかかわらず、事前の通知もなく提訴されたという事例が多いことは留意しておくべきだろう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/20 土曜日
18:00
TON、Telegramのユーザーに照準 トンコイン奨励金を提供
Telegramのウォレットがサポートするブロックチェーン「TON」の手数料削減と、1,100万TONのインセンティブプログラムを開始。特に500万単位の暗号資産(仮想通貨)TONがTelegramユーザーに報酬として付与される。
16:30
日銀、CBDC戦略の中間報告を公表 想定モデルと5つの課題
日本銀行が公表したCBDC中間整理報告書の主要論点や影響について解説。CBDCの導入方針やデジタル通貨の未来についての展望を探る。
12:30
コスモス基盤のInjective、Web3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能提供
レイヤー1ブロックチェーンInjectiveは、Jamboテクノロジーと提携してWeb3スマホ「JamboPhone」でDeFi機能を提供すると発表した。
12:00
知らずに損しているかも?取引所選び 3つの注意点
ビットコインなどの投資初心者に大事な暗号資産(仮想通貨)取引所選びと、後悔しがちな代表的な失敗事例3つを解説。手数料、価格、取扱銘柄の違いを比較し、最適な仮想通貨取引所を見極めるポイント、賢い投資戦略と失敗回避のためのチェックリストも提供。
10:30
ソラナWeb3ゲーム「Nyan Heroes」、Epicのストアでトップ30入り
ブロックチェーンゲーム「Nyan Heroes」はEpic Games Storeで最もプレイされたゲームでトップ30以内に入った。今後NFT機能や独自の仮想通貨も導入する予定だ。
09:15
ビットコイン、4度目の半減期完了 報酬が3.125 BTCに
直近の米経済指標(3月の雇用統計やCPI等)が景気の堅調さを改めて示しているため、FRBが利下げを急ぐ必要がなくなりつつあるとの観測が高まってきており、仮想通貨や株のようなリスク資産をさらに押し上げる力は弱まってきたようだ。
08:25
BTCクジラが1900億円相当のビットコイン押し目買い、エヌビディアなど大幅安|金融短観
19日のアジア時間はイスラエルがイランに対して報復攻撃を実施したとのメディア報道が嫌気され日経平均指数や上海総合指数などは大きく下がったが、その後攻撃の規模が限定されており核施設に被害はなかったとの報道を受け米国の株式市場ではこのニュースへの反応は見られなかった。
06:45
Magic Eden、BaseチェーンのNFTに対応へ Open Editionミントも予定
Magic Edenは現在NFTマーケットプレイスのランキングで1位。ビットコイン半減期を背景に需要が高まるビットコインOrdinalsおよびビットコイン上の「Runes」への期待が出来高を押し上げている。
06:15
マイクロストラテジーのセイラー会長、自社株売却で570億円の利益
マイクロストラテジーの株価は仮想通貨ビットコインの3月の高騰に伴い3月27日に1,919ドルまで値上がりした。同株は年初来+71.37%のパフォーマンスを見せた。
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧