NFT市場全体で冷え込み
NFT(非代替性トークン)データの分析・研究を行うSeaLaunchがまとめたデータによると、NFT市場全体で売上、ユーザー数ともに、2021年と並ぶ低水準に陥っている。
SeaLaunchが分析の対象としたのは、OpenseaやBlurなどの 主要NFTマーケットプレイス。 市場全体のユニークユーザー数は、この1週間で顕著に減少し、19日には7,805人まで落ち込んだ。これは2021年7月31日の7,455人に並ぶ低さだ。
19日のマーケット毎のユニークユーザー数は、OpenSeaが4,327人、Blurが1,777人だった。
販売件数も減少しており、19日は16,149件で、2021年11月9日の12,910件に近づいている。プロのトレーター向けのNFTマーケットプレイスであるBlurの同日の取引件数は5,688件、OpenSeaで7,444件、OpenSea Proで1,753件だった。
イーサリアムNFTマーケットの状況
SeaLaunchは、直近のイーサリアムNFTマーケットの落ち込みは、1年を通してみても最悪な状況の一つだと述べている。
1/ Why is the Ethereum NFT Market decaying in terms of users?
— sealaunch.xyz (@SeaLaunch_) April 20, 2023
Last few days were one of the worst in terms of users and sales on most NFT Marketplaces in the last 365D.
Source: https://t.co/wHKVRo4Cll@DuneAnalytics pic.twitter.com/ZJI4X72QFI
マーケットが低迷する理由には、イーサリアムブロックチェーンのガス代の高騰があると指摘し、手数料の高騰の背景にはネットワーク活動とMEV botのサンドイッチ攻撃があると説明した。また、税金の支払いのための資産の売却や、ここ数日のミームコインブームがあると付け加えた。
ユーザーの特性(頻繁に売買するプロから一般トレーダーまで)によるトレンドの差が見られないことから、SeaLaunchは、上記のような「マクロ的要素」が影響した可能性が大きいとまとめた。
Uniswapの影響
SeaLaunchは、多くのユーザーがOpenSeaやBlurから分散型取引所(DEX)に流れた可能性があると見ている。
It seems that🦄 @Uniswap is eating @opensea and @blur_io NFT cake https://t.co/IljEpS2IuU pic.twitter.com/BHTF10Z9Kb
— sealaunch.xyz (@SeaLaunch_) April 20, 2023
4月8日以降の、1日あたりのアクティブユーザーは、OpenSeaとBlurで2万人以上減少する一方で、Uniswapでは約4万1,000人増加したという。
ミームコインの季節はNFTマーケットプレイス戦争に、伝統的ではない競争相手をもたらした。Uniswapは流動性の王者だ。
ビットコイン版NFT
イーサリアムの取引手数料が高騰する中、ビットコイン・ブロックチェーン上のNFTが注目を集め始めている。
ビットコイン版NFTは、1月にローンチされた「Ordinals」プロトコルを利用して作成され、ビットコインの最小単位であるsatoshi(1BTCの1億分の1)に、動画や画像などが、直接保存されたもの。Ordinalsではsatoshiに通し番号をつけることで、ユーザーが個々のsatoshiを探索、転送、受信することを可能になった。
Ordinalsを評価するクリエイターがビットコインNFT市場に参入し始めており、「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」などのNFTを手掛けるYuga Labsは、3月初旬にOrdinals版のNFTコレクション「TwelveFold」のオークションを実施した。
Ordinalsに対応するマーケットプレイスが登場し、クロスチェーンNFT電子市場のMagic Edenも3月にOrdinalsのサポートを開始した。
関連:Magic Eden、ビットコイン版NFT「Ordinals」のサポートを開始
ビットコイン版NFTの作成は、インスクリプション(Inscription)と呼ばれるが、Ordinalsでのインスクリプション数は、急速な伸びを示している。