- 仮想通貨プロジェクト、大部分がコード流用
- Securities Dailyの調査によると、約80%の仮想通貨プロジェクトがコードの流用に当たっている事実が判明した。
- 業界に求められる努力
- 多くの専門家はこうしたプロジェクトのオリジナル性の欠如は、業界が解決していくべき課題の一つだと考えている。
仮想通貨プロジェクト、大半がコード流用
仮想通貨やブロックチェーン業界で全てのプロジェクトが革新的で技術的に優れているわけではありません。
中国のSina Newsが発表し、Securities Dailyにて詳細が記述された最新の調査では、実際のところ本当に優れた革新性を有するプロジェクトは全体のうちごく僅かでしかなかった事実が明らかになりました。
調査によると、約80%のプロジェクトがコードの盗用・流用に当たるとのことです。
また今回の調査では大半のプロジェクトにおいて、コードの90%以上が他プロジェクトからの流用に当たるとのことで、さらに一部では95%以上のコードの流用が見られるものもあった事が明らかになりました。
調査の対象となった488の仮想通貨プロジェクトでコード一致率で以下のような結果が判明しました。
- コードを盗用・流用しているプロジェクト
- 324 … 95~100%一致
- 81 … 90~95%一致
- 29 … 85~90%一致
- 16 … 80~85%一致
- 38 … 80%以下
今回の調査を掲載した記事では以下のように述べられています。
この調査では、各プロジェクトの他との比較において、この比較の組み合わせが互いに完全に独立したプロジェクト同士だったのか、あるいはフォークしたプロジェクトであったのかということは示されていない。
大部分のコードが一致しているという結果は、おそらくフォークなどで複数に分かれた姉妹プロジェクトも中には含まれているでしょう。
したがって、今回の調査結果からビットコインキャッシュがビットコインのコードを盗用し、イーサリアムがイーサリアムクラシックのコードを盗用した、と言うことは非合理であると言えます。
また、もう一つ重要な点として、現在の市場の多くのプロジェクトはその多くがビットコインやイーサリアム、あるいはその他主要なブロックチェーン上で運用されているという事です。
業界に求められる努力
しかしそれらを踏まえた上でも、多くの専門家はこうしたオリジナル性の欠如は、業界で解決していくべき課題の一つだと考えています。
Netta Labs創業者、Xie Shaoyun氏は今回の調査の結果に対し、以下のようにコメントしました。
現時点で、この業界は第一にアプリケーションの実装技術、さらにはイノベーションと課題解決といった点において決定的な進歩を欠いている。多くの人がとりあえず挑戦してあとは運任せ、というスタンスをとっている。
しかし今こそ、現実的な課題の解決や、ユーザーに利便性を提供するプロダクト作り、本物の価値とユーザビリティの構築や実物を伴うプロジェクト、さらには世の中への価値提供による業界の発達への貢献といった、本質に立ち返らなくてはならない。
いずれにせよ、Sina Newsも「ショッキング」と報じた今回の調査結果は、Shaoyun氏が望む、上記のような現状の改善に期待が持てるものではありませんでした。
多くのプロジェクトにとって、こうした水準での革新を起こすのはなかなか難しいようです。
Sina Newsでは以下のように記述されていました。
今回の結果は衝撃的なもので、仮想通貨業界でコードの盗用・流用が浸透している事実が明かされることにもなりました。
調査対象となったオープンソースプロジェクトの内、90%以上が他のプロジェクトと80%以上コードが一致するのです。
著作権侵害や、アイデアの盗作やコピーは分散化されていて、オープンソースなブロックチェーン技術を利用した仮想通貨業界に限った問題ではありません。
しかし、今後どのようにデータの分散化と様々なアイデアの発掘を両立できるかが、仮想通貨業界拡大の一つの課題と言えるでしょう。
80% Of All Altcoins Share 90% Of The Code, Study Finds
September 14, 2018 by Jose Antonio Lanz
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