SPACが合併期限延長を提案
コインチェックグループのナスダック上場パートナーとなる特別買収目的会社(SPAC)「Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ, Inc」は16日、コインチェックとの合併期限を延長することを提案した。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Thunder Bridgeの取締役会は、株主投票による承認を条件として、期限を最大12カ月延長することを提案している形だ。
Thunder Bridge Capitalは、次のように述べている。
当社は可能な限り早く、コインチェックとの経営統合を完了するために最善の努力を払っているが、そのためには2023年7月2日までという現在の期限では、十分な時間がないと考える。
したがって、当社の取締役会はコインチェックとの経営統合を完了するには期限を延長する必要があると判断している。
また、もし現在の期限までに統合が完了できなければ、株主が取引に賛成していたとしても、Thunder Bridge Capitalは清算を余儀なくされることになるとも続けた。
現在、マネックスグループは、完全子会社であるコインチェックグループのナスダック上場を目指しているところだ。
上場はSPACとの合併という形で行う計画であり、2022年3月には、米国のThunder Bridge Capital Partners Ⅳ Incなどとの間で事業統合契約を締結している。
2022年10月時点では、23年7月を統合目途としていたが、今回延長が提案された形だ。
関連:コインチェック、23年7月の契約期限までに米ナスダックへ上場を目指す
SPAC上場とは
SPAC上場では、先に特別買収目的会社(SPAC)が上場し、その後にターゲットとなる企業を買収し、結果的に買収先の企業が上場を果たす仕組みである。
企業にとっては審査プロセスを省略して速やかに上場できるという利点がある一方、最近では規制当局の監視が強化されている傾向もみられる。
最近の事例では、ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を提供する米サークル社が2022年12月、SPAC上場の計画をいったん取りやめている。
サークル社のSPAC上場計画が頓挫した原因については、米証券取引委員会(SEC)が登録書類を認可しなかったことも背景にあるとされているところだ。
関連:米サークル社がSECを非難「SPAC株式上場計画の頓挫に責任あり」