はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米経済学者「2年後に過去最大級の金融危機」その時、仮想通貨は買いか?売りか?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リーマンショックを超える金融危機に警鐘
米経済学者は、「このままだと2020年に、リーマンショックよりも深刻な世界的金融危機が起こる」と警鐘を鳴らしている。10年前と異なり、金融セクターの大企業が仮想通貨などの新資産クラスへのコミットに関心を寄せている現在、仮想通貨市場への資金流入は加速するのか。

リーマンショックを超える金融危機に警鐘

2008年9月15日に発生した「リーマン・ブラザーズ」の経営破綻が引き金を引いた、世界的な金融危機「リーマンショック」から10年が経ちましたが、ここ数ヶ月、次なる金融危機が迫っているとの報道が多く散見されるようになりました。

今月上旬に、米金融大手のJPモルガン・チェースが、2020年に「流動性の欠如」がきっかけとなり、新たな金融危機につながると述べたのに次いで、ニューヨーク大学スターンビジネススクール教授で経済学者のNOURIEL ROUBINI氏は、2008年よりもさらに深刻な金融危機が、2020年までにアメリカ市場を襲うだろうとの見方を示しました。

世界各界の著名人からの寄稿を公開しているメディア、Project Syndicateに寄せた解説の中で、ROUBINI氏は、次のような要素が絡み合い、次なる金融危機を起こすだろうと予測しています。

現在の米国の「財政刺激政策」は、持続不可能であると同時に、景気刺激策の時期を誤ったがために、アメリカ経済は過熱状況にあり、インフレ率は目標を超えて上昇している。

そのため、2020年までに、米国連邦準備理事会(FRB) は、連邦準備金利を現行の2%から3.5%まで引き上げ、その結果、短期および長期金利と米ドルを押し上げる可能性が高い。

トランプ政権下における保護主義や中国をはじめとする世界各地との貿易紛争により、先進国だけでなく、すでに脆弱な新興国市場も成長を鈍化させると同時に、インフレ率は上昇する。

アメリカならびに世界の株式市場は、過去平均の株価収益率を50%上回る「バブル状態」にある。さらに、すでに世界の多くの都市で、商業ならびに住宅不動産価格は高騰しすぎた状態にある。

2020年の”経済成長鈍化”を見越して、市場は、2019年にはリスクの高い資産価格の見直しを始めるだろう。

価格の見直しが行われた後、著しく低下した流動性から来るリスクや、資産の投げ売りなどのリスクが高まる。また、高度なアルゴリズム取引は、「フラッシュ・クラッシュ」を引き起こす可能性を高める。(下記説明)

2020年に行われる大統領選のために、悪化した経済状態から国民の目をそらすため、トランプ大統領が、地政学的ショックを起こす可能性が考えられ、特にイランがその的となった際には、70年代や1990年のオイルショックに似た石油の高騰を招く恐れも。

さらに、上記のような混乱が起きた際に、政府が財政刺激策として行えることは、すでに2008年より大きな公的債務を抱えていることもあり、より制限されているため、金融危機が起こった際には、その程度はより深刻で、より長いものとなるだろう。

フラッシュクラッシュとは

株価は仮想通貨価格など相場が瞬間的な急落を記録すること。先物価格の急落窓に反応し、高速かつ高頻度取引(HFT)などのアルゴリズム取引が追随、下げ幅を大きく下げた事例などがある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ROUBINI氏は、今後の経済の見通しに大変悲観的なようですが、同氏は、ビットコインをはじめとする仮想通貨に大変懐疑的であることでもよく知られています。 今月に入って大幅な下落を見せた仮想通貨に対し、ROUBINI氏は次のようにツイートしています。

仮想通貨黙示録:ビットコインはそのピークから70%下落、イーサリアム85%、上位10位の仮想通貨は約90%;残りのゾンビ仮想通貨 は95%〜99%の価値を失うだろう。 ほとんどが、価値がゼロになるまで続く、まさに血みどろの大虐殺だ!

ビットコインは、その誕生以来何度もバブルだと呼ばれ、無価値だと批判されながらも、大暴落と驚くほどの暴騰を繰り返しながら、底値を上げて今日まで生き抜いてきています。

そして、その可能性は、ゴールドマンサックスやモルガン・スタンレーなどの大手金融機関も無視できないところまできています。 金融大手が、相次いで仮想通貨関連商品を開発していることは昨今、多くの報道がなされています。

2008年と現在の違いとして、株や債権、不動産等の既存の資産クラスの価格と相関関係に乏しい、仮想通貨という新しい資産クラスが生まれていることが挙げられます。

米投資会社Morgan Creek Digitalの創設者のAnthony Pompliano 氏は伝統的資産クラスの代わりに仮想通貨へ投資することの圧力を感じ始めるだろうと、次のようにツイートしています。

嫌われる意見:これから先5年間に、ビットコインやデジタル資産投資が0%であれば、機関投資家は、圧力をかけられることになるだろう。信託を受ける者として、リスクを調整する最高の手段に資本を投資する必要がある。

デジタル資産は歴史的にリスクの単位あたりでみると、最善の収益をもたらしている。

また、「金持ち父さん、貧乏父さん」の著作で知られる、ロバート・キヨサキ氏も、金融危機に備えて、仮想通貨への投資を推奨しています。

金融危機のリスクヘッジとして、仮想通貨が注目を集める場合もあり、今後も注視する必要があります。

CoinPostの関連記事

リーマンショックから10年、ビットコインを絡めた金融の新時代へ
リーマンショック以来10年間、株式市場への投資は減少傾向にあり、期待値が高まる仮想通貨市場は、完全に伝統金融市場と衝突するのではなく、既存の枠組みに適応しつつその力を伸ばしていく時期にある。
ビットコインは迫り来る世界金融危機に打ち勝つことができるか
リーマンショックを機に生まれたビットコインが、本来の設計思想通りに経済危機を乗り越えられるかは、ビットコインユーザーの手に委ねられているのかもしれません。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/17 水曜日
18:51
仮想通貨の分離課税、2028年1月からの見通しか
暗号資産の申告分離課税の施行時期について、2028年1月からの案が浮上。金商法への移行や投資者保護体制の整備が条件とされ、当初想定の2027年より遅れる見通しだ。
18:00
Progmat, Inc.、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
Progmat, Inc.が、2026年2月27日に東京で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など通貨のデジタル化と社会実装をテーマに議論する。
17:51
GMOフィナンシャルHD、株主優待にビットコイン導入へ
上限1万円相当のBTC GMOフィナンシャルホールディングスは12月16日、2025年12月31日を基準日とする新たな株主優待を発表した。 新制度では、GMOクリック証券におけ…
17:45
トランプ大統領、仮想通貨支持派ウォーラー理事を次期FRB議長候補に面接へ=WSJ報道
トランプ大統領が仮想通貨支持派のウォーラーFRB理事を次期議長候補として18日に面接。ステーブルコインやDeFiに積極的で、利下げを主張する同氏は、エコノミストから高評価を得ているが、トランプ氏との個人的関係の薄さから「大穴候補」との見方も。
17:00
イーサリアム「フサカ」のメリット一覧|恩恵を受けるのは誰?
仮想通貨イーサリアムはフサカのアップグレードを完了しました。本記事では主にフサカによってどのようなメリットが生まれ、どんな主体が恩恵を受けるのかを考察します。
16:12
アニモカ・ブランズ・ジャパン、BTCFi事業者2社と相次ぎ提携 
Animoca Brands Japanは、Babylon LabsおよびBifrostとBTCFi分野で戦略的提携を締結。自己管理型ビットコイン運用ソリューションの日本市場展開を目指し、上場企業向けDAT支援事業を強化する。
15:52
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、BTC保有量で世界20位と発表
トランプ大統領次男エリック・トランプ氏が支援するアメリカン・ビットコインが、39日間で4社を追い抜き世界20位の上場企業BTC保有量を達成。2025年に企業のビットコイン保有が急拡大する中、同社は5,098BTCを保有し急成長を遂げている。
14:58
パンプ・ファンとソラナへの55億ドル訴訟、5000件の内部チャット提出へ
パンプ・ファンとソラナを相手取った集団訴訟で、裁判所が第二次修正訴状を許可。内部告発者から入手した5000件のチャット記録を新証拠として提出へ。40億~55億ドルの不正搾取疑惑でRICO法違反を主張。
13:45
ロシア下院委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定、投資手段に限定
ロシア下院金融市場委員会のアクサコフ委員長が仮想通貨の国内決済利用を否定し、投資手段としてのみ認めると表明した。
11:50
JPYC EX、累計口座開設1万件・発行額5億円を突破
JPYC株式会社は、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」において、累計口座開設数1万件、累計発行額5億円を突破したと発表。10月のリリースから約2か月での達成となった。
11:45
「ビットコインは最高値更新へ」Bitwise、2026年の3つの予測を公開
Bitwiseは仮想通貨投資家にとって特に重要な2026年の3つの予測を公開。その1つとしてビットコインは最高値を更新すると予測し、根拠を説明している。
11:40
セキュリタイズが来年トークン化株式取引開始、24時間オンチェーン取引を実現
証券トークン化プラットフォームのセキュリタイズが2026年第1四半期にトークン化された上場株式の取引を開始する。合成商品ではなく実際の規制された株式をオンチェーンで発行・取引し、24時間365日の流動性を提供へ。
09:45
ソラナに大規模なDDoS攻撃、ネットワークは現時点で影響受けず
仮想通貨ソラナが過去最大級の6TbpsのDDoS攻撃を受けたが、現在トランザクション処理は正常に稼働している。市場の下落を受けビットワイズのソラナETFは初の純流出を記録した。
09:40
マーシャル諸島、ステラでベーシックインカム支給
マーシャル諸島共和国がブロックチェーンを利用した世界初のベーシックインカムのオンチェーン支給を完了した。ステラーブロックチェーン上の主権債USDM1を使い、四半期ごとの現金配送をデジタル送金に置き換えた。
09:00
ビットコイン、2026年に過去最高値更新は可能か=グレースケールの最新予測
グレースケールは最新レポートで、ビットコイン価格の30%下落について歴史的には平均的な調整範囲内で、強気相場中の典型的な変動に過ぎないとの見解を示した。また、2026年には最高値を更新する可能性があると主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧