マクロ経済と金融市場
週明け12日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比189ドル(0.56%)高と5日続伸。ナスダック指数は202ポイント(1.53%)高で取引を終えた。
CME FedWatch Toolによれば、金利先物市場では82.6%が利上げの一時停止を織り込んでいるものの、パウエルFRB(米連邦準備制度)議長は来月のFOMCでの利上げ再開の可能性に含みを残すとの観測も根強い。
本日21時半に公開されるCPI(米消費者物価指数)結果次第で規定路線が覆る可能性もあり、この先も重要な経済指標に揺さぶられやすい相場環境はつづく見込みだ。
関連:米国株上昇 今夜は米5月消費者物価指数(CPI)結果発表|13日金融短観
関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.81%高の25,988ドルに。
悲観予想が増加する中、25,300ドル水準のサポートライン(下値支持線)を割り込まず、底堅さも示している。
先週末に先物ロングのロスカットを巻き込む形で暴落したBNBやエイダ(ADA)、ポリゴン(MATIC)はいずれも前日比3%反発したが、前週比では軒並み20%前後下げるなど大きな爪痕を残している。
Lookonchainによれば、約2年間に渡って10,000 BNB(3億2000万円)を保有していたクジラ(大口投資家)が、バイナンス提訴の影響で売却に動いた可能性がある。
1/ A whale that has been dormant for 2 years sold 10,000 $BNB ($2.3M) at $230 today.
— Lookonchain (@lookonchain) June 12, 2023
This whale was a #SAFEMOON whale before and made 110K $BNB ($47.5M at that time) with only 10 $BNB($2,400 at that time) on #SAFEMOON. pic.twitter.com/jxuBJBcWad
オンチェーンデータ
ビットコイン(BTC)では、引き続き大手マイナー(採掘業者)の売りが観測されている。
glassnodeによれば、過去1週間のデータでは、ビットコインの取引所への最大流入額は、史上3番目の7,080万ドルに及んだ。
Across the past week, #Bitcoin Miners have been sending a significant amount of coins to Exchanges, with the largest inflow equal to $70.8M.
— glassnode (@glassnode) June 11, 2023
This is the 3rd largest inflow on record, -$30.2M less than the peak inflow of $101M recorded during the primary bull market of 2021. pic.twitter.com/w4fNFMcxr4
マイナーによるBTCの大量送金を示唆しており、この水準は2021年初めの強気相場の売り圧に匹敵するという。
昨今のマイナー活性化理由には、Ordinals(Inscriptions)およびERC-20トークンの台頭による取引手数料の高騰が指摘されるが、現在は沈静化しつつあり、同時にマイナー間の採掘シェア争い激化に伴い、採算性は悪化した。
オンチェーン分析プラットフォームGlassnodeのデータによると、マイナーの週平均収益は5月のピーク時には3,390万ドルに達したが、6月初めには25%減となった。
関連:ビットコイン採掘難易度が過去最高値に、ハッシュレートの上昇止まらず
ハッシュレート(採掘速度)とディフィカルティ(難易度調整)はいずれも過去最高値を更新し続けているが、課税や規制圧力にさらされる米国マイナーは帰路に立たされている。米国の採掘能力の約15%を占めるとされるテキサス州は気候変化の影響を受けやすく、夏は熱波、冬は寒波の影響で操業停止した経緯もある。
関連:寒波による大規模停電の影響がマイニング企業に波及=米テキサス州
一方、市場の需給バランスや投資家のセンチメントを反映するビットコイン(BTC)保有者のネットポジションは、引き続きプラスで推移。月あたりの平均蓄積率は、37,400 BTCに達した。
#Bitcoin HODLers remain resolute in the face of severe adversity, continuing their regime of accumulation. Currently, the cohort are acquiring coins at a rate of +37.4K BTC per Month. pic.twitter.com/lU9mk6wO7z
— glassnode (@glassnode) June 10, 2023
オンチェーンデータプロバイダーSantimentのデータでも、100BTC〜10,000BTCを保有する大口投資家のウォレットアドレスが、1日あたり1,000BTCペースでビットコインを買い増している蓄積傾向が観測された。
🐳 As #altcoin madness has ensued, there quietly is a #bullish divergence between #Bitcoin's accumulating whales and falling price. With whale holdings moving up by ~1K $BTC per day while prices fall, there is reason to believe a strong rebound can occur. https://t.co/Ol0cK5VhPE pic.twitter.com/FeHPqqJx7o
— Santiment (@santimentfeed) June 11, 2023
ビットコインは、規制圧力を強める米SEC(証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長から、有価証券ではなく「コモディティ(商品)」とみなされており、規制リスクと無縁なことも影響していると見られる。
データ分析企業CryptoQuantのアナリストCrazzyblockk氏は、BTCホルダーの利益率を表す「SOPR(Spent Output Profit Ratio)」指標について、2015年と2019年の価格サイクルと短期保有者のSOPRを比較。
この先強い売り圧力を引き起こすほどの数値にはないとし、「新たな需要の波によって成長し続けることができる」と結論付けた。
関連:1年を切った次回ビットコイン半減期へのカウントダウン、市場動向と専門家の予測は?
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら
【求人】Web3事業拡大で新たな人材募集
— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【アプリ配信中】 (@coin_post) February 14, 2023
国内最大手の暗号資産メディアCoinPostは、Web3事業拡大に伴い、正社員やインターン生を募集します。
1. メディア事業(編集部)
2. マーケティング業務
3. カンファレンス運営・立ち上げ業務
4. Open Position(学生歓迎)
詳細https://t.co/UsJp3v8mSH pic.twitter.com/B98JZmoQbW