はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

IMF、新たな多国間決済システムの構想を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「XCプラットフォーム」を構想

国際通貨基金(IMF)は19日、モロッコで開催された中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての円卓会議で、新たな国際決済システムの構想を発表した。多国間決済を円滑で利便性が高いものとするシステムであり、 CBDCを導入してもしなくても各国が使える。

IMFのトビアス・エイドリアン金融資本市場局長が「XC(exchange and contracting:取引・契約)プラットフォーム」の詳細を話した形だ。このプラットフォームは、単一台帳の上で各国の中央銀行準備金である各国の通貨を、標準化されたデジタル表現で表わし、交換できるようにする。

決済を行うためには、参加銀行はプラットフォーム運営者が管理する口座に中央銀行の準備金を預け、その代わりにプラットフォーム上で取引するためのデジタル版を取得することになる仕組みだ。

台帳はプラットフォーム運営者によって管理され、この運営者のみが取引を決済する。このことで、迅速かつ安全な決済が可能となり、単一台帳により、明確に資産状況などが記述されるため、二重支出が発生することもない。

この「XCプラットフォーム」は、新たな決済用の資産を作成することなく、多通貨システムが可能になることも特徴だ。従来のシステムや制度を変更する必要もない。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

カスタマイズ・情報管理機能も

エイドリアン氏は、「XCプラットフォーム」には、各参加者がカスタマイズ可能なプログラミング機能もあると述べた。

外貨取得、支払いの同期や延期、リスク管理、資本フロー管理などの側面を参加者が調整できるようになっている。

その他に、ある通貨と別の通貨の同時スワップを、特定の価格に達したときに実行するなど、契約を自動化することも可能だ。

エイドリアン氏によると「XCプラットフォーム」では、情報管理を行うレイヤーも構想されている。

例えば、ある国の市民や企業が外貨を保有・取引できる金額の設定や、コンプライアンスのチェック、顧客身元確認(KYC)、マネーロンダリングやテロ資金供与対策などを管理できるものだ。

この際、個人の身元などプライバシーは保護しつつ、匿名化した情報を参照できるようになるとしている。

また、エイドリアン氏は、プラットフォームがガバナンス機能も備え、経済摩擦などの解決や、外国為替市場への介入、脆弱性の特定なども備えることが必要だとも論じた。

なお、エイドリアン氏は各国が検討しているCBDCについても、「公共政策の目標を強化しながらイノベーションを可能にする」ものであり、探求する価値があるもので、動向に注目していると話した。

BISがCBDCの実証実験

国際機関の試みとしては、国際決済銀行(BIS)が3月、CBDCクロスボーダー取引についての実験結果を報告している。

イスラエル銀行、ノルウェー銀行、スウェーデン国立銀行と協力して実施したもので、相互運用性や透明性の向上、コストの削減、競争の促進などを実証した。

関連国際決済銀行ら、CBDCクロスボーダー決済の実験報告

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/20 火曜日
11:20
SEC新委員長、仮想通貨規制を全面見直し
SEC新委員長ポール・アトキンス氏が仮想通貨規制の抜本的見直しを表明。前政権の執行措置を批判し、発行・保管・取引の3分野で明確なガイドライン策定へ。
10:35
リップル社、UAEの金融企業2社と提携
リップル社は、UAEのZand BankとMamoの2社が顧客になったことを発表。両社はリップルペイメントを使用すると説明しており、中東市場の事業を強化していく。
10:05
ソラナの新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」提案 性能引き上げへ
ソラナ開発スタジオAnzaが新コンセンサスプロトコル「Alpenglow」を発表した。処理時間を理論的に約150ミリ秒まで短縮し、Web2と競合できる高速処理を実現するとしている。
08:45
ビットコイン急騰、米国債格下げと州法により"安全資産"化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは史上最高値となる10万9,000ドル付近まで上昇している。米国債の格下げを契機として米国の信用力に対する懸念が台頭し、ドル安が進行した。
08:02
ステーブルコイン大手サークル、コインベースとリップルから買収アプローチ=報道
USDC発行元のサークル社が50億ドル以上の企業価値での買収提案を複数社から受けている。リップルとコインベースからアプローチされ、IPO計画と並行して検討中か。
07:45
過去最高515億円含み益達成、エルサルバドルのビットコイン投資
エルサルバドルが保有するビットコインが515億円の含み益を達成。国際通貨基金との合意に反してビットコイン蓄積を継続中。
07:25
コインベース顧客情報流出事件、米司法省が捜査開始=報道
米司法省が仮想通貨取引所コインベースの顧客データ流出事件について刑事捜査を開始。インド拠点従業員への贈賄による情報漏洩で、ハッカーが2000万ドルの身代金を要求していた。
06:40
ストラテジー社とセイラー氏、ビットコイン投資の収益性めぐり投資家から集団訴訟
ストラテジー社とマイケル・セイラー会長が、仮想通貨ビットコインの投資戦略の収益性について虚偽の説明をしたとして投資家から集団訴訟を起こされた。
06:15
Bybit、USDT使用の株式取引開始 ストラテジーなど78社が対象
仮想通貨取引所Bybitが株式取引機能をGold & FXに追加。ストラテジーやコインベース、マグニフィセント7を含む78社株式をUSDTで取引可能。CFDモデル採用で実株保有は不要。
06:05
SEC、ソラナ現物ETFへの決定を延期 21SharesとBitwiseが対象
米証券取引委員会が21SharesとBitwiseのソラナETF提案について決定期限を延期し、パブリックコメントを求めると発表。Canary、VanEckも含む複数企業が仮想通貨ETF承認を競う中、SECの審査が本格化へ。
05:45
米メガバンクJPモルガン、顧客のビットコイン購入を許可
CNBCによると、JPモルガンのダイモンCEOが顧客によるビットコイン購入を許可すると発表。長年の仮想通貨批判にも関わらず顧客選択の自由を重視。
05:35
1100億円相当のビットコインを買い増し、セイラーのストラテジー社
米ストラテジー社は19日夜、2025年5月12日から18日の間に総額1,100億円を投じて、7,390 BTCを購入したことを報告した。
05/19 月曜日
18:00
Bitcoin革命、ZK技術で実現するBitcoinOSのアプローチ
ビットコインの可能性を広げるBitcoinOS(BOS)は、ZK技術を活用してビットコインのコードを変更せずにスマートコントラクト機能やスケーラビリティを実現。BitSNARK、Grailブリッジ、xBTCなどの革新的プロダクトで、ビットコイン中心の統合エコシステムを構築。
17:15
リミックスポイント、最大56億円を調達へ 44億円でビットコイン買い増し
リミックスポイントがEVO FUND向け新株予約権で約56億円を調達。44億円で仮想通貨ビットコイン買い増し、12億円をWeb3バリデーター事業に投資へ。
16:50
変わるWeb3業界の投資地図 今注目のVC3社が語る「実需とインフラ」重視の新戦略
TEAMZ WEB3 AIサミットで取材したC² Ventures、DFG、Jsquareの3社が語るWeb3投資の現在地。実需・収益性・規制対応を軸に見極めが進む中、インフラやAIへの関心、そしてアジア市場の可能性にも注目が集まる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧