三菱UFJ信託銀行とのステーブルコイン事業
クロスチェーン技術を提供する株式会社Datachainは27日、三菱UFJ信託銀行からの資金調達を行ったことを公表した。この動きは、三菱UFJ信託銀行とのステーブルコイン事業での連携強化を目指す一環だ。
2社は、三菱UFJ信託銀行が開発したステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を使用した事業の開発と技術の検証を推進してきた。プログマコインによるステーブルコインの発行と流通が計画されている。
今後、Datachainはイーサリアムなどのパブリックブロックチェーン上でのステーブルコインの発行と流通の取り組みを、2024年の4月から6月を商用化の目処に掲げ、積極的に推進していくことを明らかにした。この取り組みは三菱UFJ信託銀行と、さらにはグローバル市場向けのクロスチェーンブリッジを提供するTOKIを加えた3社での協力によるものだ。
三菱UFJ信託銀行株式会社 取締役 常務執行役員 木村智広氏は以下のように述べている。
今後デジタルアセット市場の拡大が見込まれており、三菱UFJ信託銀行としては、そのような未来に向けて「Progmat」を立ち上げ推進をしてきました。デジタルアセットの未来を考える際に、マルチチェーン展開、そしてクロスチェーンの取引は必要不可欠です。この度はそのような重要な技術領域に唯一無二の専門性を持つDatachain様に出資を行い、今後は株主としてより深く関わりを持てることを嬉しく思います。デジタルアセットの市場において、大きな変革を起こせるよう、尽力してまいります。
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クロスチェーン技術活かした取り組み
BCGとADDXの共同レポートによると、デジタルアセット市場は金融市場だけでも2030年には最低でも16.1兆ドル、最高で68兆ドルまで成長すると予測されている。ステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)市場も同様に成長が見込まれており、デジタルアセット全体の市場規模は今後さらに拡大していくことが予想されている。
Datachainと三菱UFJ信託銀行はまた、セキュリティトークン(デジタル証券)やクロスチェーン技術を活用した各種取り組みの商用化に向けて、共同で取り組んできた。
特に、ステーブルコインを使ったデジタル証券のクロスチェーン決済に関する取り組みについては2024年内に実現を目指すとのこと。この目標に向け、関係する証券会社などとの連携をより一層深めていく計画だ。
ステーブルコインはブロックチェーン技術を用いて作成されており、裏付け資産に基づき価格の安定性を保つよう設計されている。グローバル市場では米ドルに連動するUSDCoin(USDC)やテザー(USDT)が主流となり、仮想通貨取引やNFT(非代替性トークン)取引の決済手段として用いられてきた。今後は国際送金やオンラインショッピングなどでの利用拡大も期待されている。
日本では2023年6月1日の改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能になっていた。先週、三菱UFJ信託銀行のデジタルアセット事業室プロダクトマネージャーである齊藤達哉氏は、グローバル市場向けのステーブルコイン発行に向けて、外部パートナーとの調整を進めていることを明かしていた。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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