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Web3企業のパイオニア、Consensysが初のリブランディングへ 「暗号資産とWeb3」テーマのレポートを公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

暗号資産に高い認知

世界で3000万人以上が利用する暗号資産(仮想通貨)ウォレット「メタマスク」などを手掛ける、米国のWeb3(分散型ウェブ)開発企業コンセンシス(Consensys)がリブランディングを実施した。

すべての人の中にある「ビルダー(構築者)」を刺激してパワーを与える、というコミットメントを反映した新しいブランドを立ち上げたという。

企業ロゴの刷新に伴い、アルファベットの綴りもConsenSysから「Consensys」へと変化する。

コンセンシスは、ブロックチェーンスタートアップのインキュベーターとして出発し、今日の統合ソフトウェア企業に至るまで、急速に変化する業界とともに進化してきた。web3の主流化が目前に迫る中、コンセンシスが意図的に、一から自社ブランドの再開発を試みたのは今回が初。

バーチャルハッカソン「NAVH」

コンセンシスは、グローバル・バーチャルハッカソン「NAVH」の開催を発表した。2023年7月7日から9月7日まで開催予定となっており、8月14日まではいつでも申し込み可能としている。

暗号資産とWeb3レポート

コンセンシスは、Web3と暗号資産エコシステムに対する一般人の認識度や理解度、さらにそれらが国によってどのように異なるのかを探求する調査結果を公開した。

本調査は市場調査会社YouGovが実施し、「暗号資産とWeb3」をテーマにした世界規模のアンケートとなる。対象地域は日本、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの15か国に広がり、全体で1万5158人の18歳から65歳までの一般人が参加した。

調査期間は2023年4月26日から5月18日までで、暗号資産への投資、個人データのプライバシー、インターネット上の所有権など、Web3に関連する各種意見を集めた。

出典:Consensys(以降全て同じ)

調査の結果、世界的に暗号資産への認識は92%と非常に高いことが明らかとなった。対象者の40%が現在もしくは過去に暗号資産を所有した経験があり、その所有者比率が最も高かったのは米国、フィリピン、ベトナム、インド、ナイジェリア、南アフリカだった。

日本に関して、暗号資産の購入経験のある回答者は20%を下回っている。また、コンセンシスによれば、日本の回答者の保有資産としてはビットコイン、イーサリアムの2強状態となっている。

暗号資産の弱気相場が長期化する中、2022年には中央集権型暗号資産取引所であるFTXやCelsiusなどが相次いで破綻。調査対象者は、この市場が信頼を回復するために必要な行動として、「安全対策と透明性の向上」を重視していることがわかった。

FTX(グローバル版)をはじめ、複数の中央集権型プラットフォームの顧客資産が出金できない状況も散見される中、22年11月にはハードウォレットなどセルフカストディ(自己保管)型の暗号資産ウォレットの需要が高まったとするデータも見られた。

関連:自己管理型のハードウェアウォレット、週間売上高が過去最高に

しかし、世界中の多くの回答者は、非保管型ウォレットと自己保管型ウォレットの違いを明確に理解していないという結果が出ている。特に、英国とメキシコの回答者の中でこの理解の欠如が顕著で、それぞれ72%、70%の人々がこれらのウォレットについてあまり馴染みがないか、まったく知らないと答えている。

Web3の今後の可能性

一方で、Web3の概念を理解していると自認する人は全体の8%にとどまった。しかし、Web3の特徴であるデジタル所有権や個人情報の管理などの概念は回答者たちによって重視されており、その傾向が読み取れる。

実際、調査対象者の67%がオンラインで作成したものは自分が所有すべきだと主張しており、50%がインターネットに価値を付加していると認識している。しかし、その価値に対して十分な報酬を得ていると感じているのは38%に過ぎない。特に日本では、ユーザーの19%だけがインターネット上の価値と創造性に対して十分な報酬を得ていると感じており、現行のWeb2における「クリエーター経済」への大きな不信感が浮き彫りとなっている。

この調査結果からは、世界中の人々がオンラインで価値ある貢献を行い、自分自身がその貢献者であると認識していることが伺える。Web3は、従来のウェブ(Web2)と比べてユーザーがよりアクティブに参加し、自身が行った活動によって得た価値を自分自身がコントロールできる分散型のインターネットを目指しているため、このユーザーの自己認識が重要でとなる。

このようなグローバルな傾向に対応する形で、Consensysは「全ての人々がWeb3の“ビルダー(構築者)”である」との定義を提示した。また、それを推進する目的を反映して新たなブランドイメージを発表した。

コンセンシスは従来の開発者やステーキングによりイーサリアム(ETH)ネットワークに貢献する人々だけでなく、アーティスト、コミュニティ作りのクリエイター、コレクターなど、Web3の「ビルダー」すなわち構築者として、彼らをサポートするブランドへと進化することを強調している。

コンセンシスの創設者でありCEOのJoe Lubinは「暗号資産とWeb3」をテーマにした調査結果について以下のように統括した。

この調査はユーザーやコミュニティが分散型信頼パラダイムによってエンパワーメントを受ける現象の出現を確認している。ビルダーの時代は、全員が貢献できるWeb3の理念に合致している。Consensysはビルダーと開発者の信頼できるパートナーを目指しており、コミュニティのエンパワーメントとポジティブなグローバルインパクトの支援を志向している。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。ConsensysはWeb3の3つの特性として、「積極的な参加」、「エンパワーメント」(個々の力を強め、主体性を促進すること)、そして「より広範なコミュニティオーナーシップ」(共同体の所有権を一部の企業や団体から多くの個々のユーザーに広げること)を指摘した。

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