WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自己管理型のハードウェアウォレット、週間売上高が過去最高に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ハードウェアウォレットの売上急増

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻により、自身で資産を保管する手段への需要が高まっているようだ。前週末にかけて、Ledger社やTrezor社が製造するハードウェアウォレットの週間売上高が大幅に急増したという。

ハードウェアベースのウォレットは「コールドウォレット」と呼ばれ、仮想通貨の保存、送信、および受信に使用される。利便性に長けたホットウォレットとは異なり、ウォレットの「秘密鍵」をインターネットから隔離された状態で保管するため、ネットを介したハッキング攻撃被害を物理的に遮断できるメリットがある。

Ledger社のPascal Gauthier最高経営責任者(CEO)は、米仮想通貨メディアDecryptに対して以下のように述べている。

先週、Ledger過去最高の売上を記録した。先週日曜に過去最高を記録し、翌月曜日にさらに更新した。明らかに人々は分散化の重要性に立ち戻り、セルフ・カストディの必要性に気付きだしている。

ビットコイン保有者の中では、以前から「Not your keys, not your coins(秘密鍵を持っていないなら、ビットコインの所有権はない)」という格言がある。これは、2014年2月にビットコイン(BTC)取引所「マウントゴックス」の破綻により生まれた教訓でもある。

Gauthier氏は、「この格言は仮想通貨の歴史と同じくらい古いものだが、これほど適切なものはない」と加えた。

マウントゴックスとは

2010年から2014年にかけて運営された、東京を拠点とするビットコイン取引所。ハッキング被害によって閉鎖しており、これをきっかけにして、取引所がハッキングされたり、誤送信などで仮想通貨を失ったりすることを「GOXする(ゴックスする)」と呼ぶ慣習が生まれた。同社が保有する約14万ETCについて債権者への返還手続きが進められている。

▶️仮想通貨用語集

関連:マウントゴックス、債権者が弁済情報を登録する新機能をリリース

リスクの取り方を再考

Trezor社もまた、Ledger社と同様にセールスが記録的に急増しているという。TrezorのビットコインアナリストJoseph Tetek氏が、「11月7日以降に売上が指数関数的に増加した」とDecryptに対して認めている。

ハードウェアウォレットが普及しなかった背景には、投資家が自分で仮想通貨を管理することで生じる複雑な手間や、秘密鍵や復元可能なシードフレーズの紛失・盗難などのリスクへの懸念があった。

仮想通貨投資の初心者や莫大な資金を扱う機関投資家が、セキュリティや利便性を鑑みて取引サービスプロバイダーに資産を預託する方を好んだとしても想像に難くない。

Tetek氏は「自己保管ウォレットへの関心が高まっていることは歓迎するが、現在の需要の急増がFTXの資金が大量に失われた結果であることは嬉しくない」と複雑な心境を語っている。

11月7日は、市場も半信半疑だったFTXの財務リスクが本格的に危惧された日である。FTXのライバル企業で業界最大手の取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが、「最近明らかになった事物」を理由に、保有する21億ドル(3,000億円)相当のFTTを今後全て売却する方針を表明。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

FTXの姉妹会社アラメダ・リサーチを巡る財務懸念の信憑性が高まり、取引所から投資家が資金を引き上げる「バンクラン(取り付け騒ぎ)」が加速した。

その後の調査で、FTXが顧客資産の一部を融資に流用していたことが明らかになったほか、破産申請後に600億円の仮想通貨の不正流出が発覚。こうした事態はCEX全体への信頼失墜となり、バンクランは他の仮想通貨取引所にも伝播している。

仮想通貨市場の多くの著名人が、仮想通貨を自己保管することの重要性を改めて呼びかけている。バイナンスのCZ氏は仮想通貨を自分で管理することの重要性についてツイート。同社が2018年に買収したウェブ・モバイルウォレット「Trust Wallet」の使用を促した。

これを受けて、BNBチェーン基盤のトラストウォレットトークン(TWT)は、1.14ドルから2.75ドルまで2.4倍以上高騰。トラストウォレットトークン(TWT)やSafePal(SFP)など関連銘柄も上昇した。

Trust WalletはMetaMaskと同様にソフトウェアベースのホットウォレットと呼ばれ、デバイスに秘密鍵を暗号化形式で保管し、インターネットに接続して使用する。TrezorやLedgerなどコールドウォレットに比べて使い勝手が良いが、セキュリティ面で難がある。

米仮想通貨取引所クラーケンの共同創業者ジェシー・パウエル氏は「クラーケンを含む取引所で、トレードに必要以上のコインを保管しないようにしてほしい」と主張。LedgerとTrezorを使用するよう促した。

パウエル氏はまた、自己保管型ウォレットと同様にFTX騒動によりトレーディング基盤としての需要が高まっている分散型取引所(DEX)のリスクを指摘。スマートコントラクトの脆弱性が突かれて約50億円が盗まれたThe DAO事件を例示した。

11月8日以降、DEXカテゴリーの総取引量は22年5月のテラ(LUNA)ショック以来最大となる、1.54兆円(110億ドル)規模まで拡大した(DeFillama調べ)。

The DAOとは

参加者の投票によって投資先を決定する非中央集権ファンド。その革新性に注目が集まり、わずか二週間のうちに約150億円を調達したが、稼働後にプログラムの脆弱性を利用した攻撃によって、約50億円が盗まれた(The DAO事件)。

▶️仮想通貨用語集

関連:分散型取引所がFTXの後釜に、GMXやDYDXの関連トークンが高騰

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/09 金曜日
16:18
ビットコイン、利益確定が年内2番目の規模に 1日約10.3億ドル=サンティメント
オンチェーン分析企業サンティメントによると、ビットコインの実現利益が1日で約10.3億ドルに達し、2026年で2番目の規模となった。8万7000ドル超えまでの上昇を受けた利益確定の集中が、短期的な売り圧力として意識される。
15:42
シトリニ・リサーチ、伝統金融と仮想通貨の「壁」が崩れ始めたと指摘
米調査会社シトリニ・リサーチは8日、伝統金融と仮想通貨を隔てる壁が崩れ始めたとするレポートを公開した。AIエージェントの普及と株式・国債のトークン化を契機に挙げ、SEC特例やハイパーリキッドの事例から投資家の論点を整理する。
14:40
公開鍵露出のビットコイン、供給の31.2%に 量子リスクで移行論=グラスノード
グラスノード共同創業者は8日、公開鍵がオンチェーンで露出したビットコインが626万BTC(供給の31.2%)に上ると集計した。量子コンピューターへの備えとして資産移行を求める声が出るなか、取引所や政府保有分ごとの露出割合も示した。
14:30
トークン化株式の保有者は何を持つか Backpack共同創業者らが解説
トークン化株式の保有者は何を持つのか。ApyxとBackpackがThe Great Rotationで登壇し、米国法の下での権利の中身や原株への交換、24時間取引といった利点を語った。
13:45
JPYC、公取委に情報提供──「決済導入店の割引は消費者利益」
JPYCは9日、ステーブルコイン決済の登場を踏まえ、9月14日に公正取引委員会へキャッシュレス決済市場の競争環境を情報提供したことを明らかにした。導入店の割引・送料無料と加盟店規約の関係についての考え方も公表した。
13:30
ネットフリックス、FTX破綻を描く新作ドラマ「アルトリスト」の予告編公開 
Netflixは10月8日、FTX破綻を描く新作ドラマ「アルトリスト」の予告編を公開した。FTXの元CEO、サム・バンクマン=フリード氏とキャロライン・エリソンの関係を軸にした全8話で、配信は11月19日に予定されている。
12:55
「量子コンピュータは脅威だが仮想通貨業界は対処可能」ユーロポールが予防策提示
ユーロポールは仮想通貨の量子脅威に関するレポートを発表。主なリスクはブロックチェーン自体ではなくウォレットの公開鍵暗号にあると指摘。耐量子暗号への段階的な移行を提言した。
12:06
金融庁、書類画像の漏えい受けIC読取前倒しを要請 暗号資産交換業者も
金融庁は9日、本人確認書類の画像を含む顧客情報の漏えいが相次いでいることを受け、金融機関等に対策の点検を要請した。2027年4月の画像送信方式廃止を待たず、ICチップ読取への移行を前倒しするよう求めた。暗号資産取引所の口座開設にも影響する。
11:45
ビットコインコア、送信元を隠す機能の修正を次期版に反映|現行版は未反映
ビットコインコアは、オプション機能のプライベートブロードキャストの接続が通常の接続と関連付けられうる問題の修正を、10月1日に32.x系へ反映した。31.x系向けの反映は未了で、リリース日は決まっていない。
11:35
バイナンス、ブラジルで22の仮想通貨銘柄取引を終了|規制対応で8サービスも制限
バイナンスは9日、ブラジル中央銀行の新たな仮想通貨規制に対応するため、10月27日からブラジルサービスでXVGを含む22銘柄の取引を終了し、ローンを含む8サービスを制限すると発表した。対象ユーザーは10月29日までに現地法人へ移行される。
11:08
トークン化株式取引の約8割が1株未満、IMFが拡大条件を分析
国際通貨基金(IMF)は8日、資産トークン化の拡大に必要な条件を分析した。法的確実性や規制の明確化、相互運用性、決済資産の4点を挙げ、レポ中心の市場規模やトークン化株式の取引実態、拡大に伴うリスクを示した。
10:16
財務省、国債オンチェーン化の3類型を提示 新形態の国債発行も類型に
財務省は8日、国債のオンチェーン対応に関する研究会の初会合で国債トークン化の3類型を示した。MMF受益権の授受から日銀の振替口座簿の対応、制度外での新形態の国債発行まで含む。BUIDLなど海外事例も整理した。
10:05
ビットコイン採掘事業者による売り圧力は緩和傾向=クリプトクアント
クリプトクアントは8日、仮想通貨市場の週間レポートを発表。ビットコイン・マイナーをめぐる収益などの状況が回復し売り圧力が和らいだと分析している。
09:38
AI銘柄NEAR、7〜9月に約3倍上昇 ビットワイズCIOが事業性を評価
米ビットワイズのホーガンCIOは7日、AI向けブロックチェーンを掲げるNEARを分析した。クロスチェーン取引基盤Intentsの累計取引高は300億ドルを超え、今年の手数料収入は約4,500万ドルの見込み。AI以外の事業性を評価する理由を読む。
09:32
アプトス財団、2.1億APTトークンを売却せず永久ステーキング
アプトス財団は9日、2022年のメインネット開始時に保有していた量の約37%にあたる2.1億APTのアプトスを永久にロックし、売却せずステーキングし続けると発表した。流通量の18%近くに相当する量だ。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧