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シンガポール当局、個人投資家のステーキングサービス利用の制限を検討

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新たな投資家保護措置を義務付けへ

シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)は3日、暗号資産(仮想通貨)などデジタル決済トークン(DPT)のサービスプロバイダーに対して、新たな投資家保護措置を行うよう発表した。

2023年末までに、デジタル決済トークン(DPT)サービスプロバイダーは、法令に基づく信託の下で顧客資産を安全に保管するため、主に次のような要件を守る必要がある。

  • 顧客資産を自社の資産から分別して保管する。
  • 顧客資産を毎日照合し、適切な帳簿と記録を維持する。
  • カストディ機能が、他の事業部門から運営上独立していることを確実にする。
  • DPTサービスプロバイダーが顧客資産を保管することに伴うリスクについて、ユーザーに明確に開示する。

レンディングやステーキングの制限を提案へ

さらに、シンガポール金融管理局(MAS)は、DPTサービスプロバイダーが、リテール顧客に仮想通貨レンディングやステーキングのサービスを提供することを制限する提案を準備していると述べた。

MASは、この理由として、こうした活動が一般にリテール顧客(個人投資家)には適していないと説明している。一方で、機関投資家および認定投資家向けには、レンディングやステーキングの仲介サービスを続けられる可能性はあるとした。

ステーキングとは

特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。

▶️仮想通貨用語集

今回の発表は、シンガポール金融管理局(MAS)が昨年10月に公表した協議書と、それに対して寄せられた意見を受けたものだ。

この際MASは、消費者保護を背景にして、リテール投資家による仮想通貨レバレッジ取引やレンディングの制限などを提案していた。ステーブルコインに関する協議書も同時に発行している。

今回、レンディングやステーキング制限については具体的な提案を準備すると発表したが、レバレッジ取引などの制限に関しては、現時点では言及がない。

関連シンガポール当局、仮想通貨レバレッジ取引の制限を提案

不正取引を防ぐための協議書も

MASは3日、仮想通貨市場の健全性を保つための規則について新たに協議書を発行している。

DPTサービスプロバイダーが、ウォッシュトレードや、虚偽の情報による価格操作、インサイダー取引などの不公正な取引を防ぐための要件を提案するものだ。関連する法的な規定や、犯罪とみなされる不法行為の種類についても触れている。

MASは、仮想通貨取引のリスクについても一般消費者に呼びかけた。「高いリスクと投機的な性質を考慮すると、規制だけでは消費者をすべての損失から守ることはできない」としている。

MASは、次のように注意喚起する形だ。

顧客資産の分別保管やカストディ要件により、顧客の資産損失のリスクは最小限に抑えられるが、サービスプロバイダーが破産した場合、消費者は依然として資産を長い間取り戻せない可能性がある。

消費者は、海外拠点の企業も含め、規制されていない企業と取引しないよう常に警戒しなければならない。

MASは特に、2022年に相次いだ仮想通貨企業の破綻や、一部企業における杜撰な経営などが発覚してから、規制強化の方針を取っている。

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