法律の確実性向上へ
欧州委員会は3日、「European Blockchain Sandbox」という取り組みの最初の対象になる20のユースケースが決定したことを発表した。
この取り組みの目標は、ブロックチェーンプロジェクトと規制機関の対話を促進することである。選出された全プロジェクトの名称まではまだ公表していないが、対象となる業界を発表。選ばれた業界は「金融・資本市場」と「通信・IT」が最も多い。なお、以下の画像に書かれている業界の合計数が20を超えているが、発表に「ユースケースの多くが業界をまたいでいる」と説明されている。
Sandbox(サンドボックス)とは
今回のようなサンドボックスとは、一般的には、新しい技術やサービスを事業化する目的で、地域限定や期間限定で現行法の規制を一時的に停止する制度。当局の監督の下で革新的な商品やサービス、ビジネスモデルをテストできる場合もある。規制を限定的に緩和し、イノベーションにつなげることが目的。
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今回のサンドボックス制度は、革新的なブロックチェーンソリューションのために、法律の確実性を向上させることも目的だ。選出されたプロジェクトには、規制機関から法的なアドバイスを受けることができるというメリットがあり、一方で規制機関には新しい技術を学べるというメリットがあると説明されている。
実施される期間は2023年から2026年まで。そして、毎年20のプロジェクトを選ぶと決められている。1回目である今回は、約90の申請があったと欧州委員会は説明した。
上述した以外にも国際貿易や政治、輸送に関するプロジェクトも多い。ほかにも、スポーツやeスポーツ、ファッション、音楽、不動産など、選出された業界は幅が広い。
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今後の流れ
現在は、選ばれたプロジェクトに合わせて、最も関連する規制分野を選び、当局とのマッチングを実施中。このマッチング終了後に、選出された20のプロジェクトが公表され、対話が開始されるという。
なお、この対話は内々に実施。対話が終了した後に、広範なブロックチェーンコミュニティのために、レポートを公開するとした。
今回の発表では選出されたプロジェクトについて、「European Blockchain Services Infrastructure」が含まれていると1つだけ紹介。このように、今回のサンドボックス制度では公共団体も選出される。
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