TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

ブロックチェーンでつながるヨーロッパ、欧州全域ヘ公共サービス提供を目指すEBSIとは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ヨーロッパ全域に及ぶブロックチェーン・プロジェクト

ヨーロッパでブロックチェーン技術を利用した、大規模な取り組みが着実に前進しているようだ。

欧州委員会(EC)と欧州ブロックチェーン・パートナーシップ(EBP)が共同で立ち上げた欧州ブロックチェーン・サービス基盤(The European Blockchain Services Infrastructure=EBSI)は現在、テストネットにおけるノードの技術要件を発表する段階にある。EBSIプラットフォームは、相互に接続されたノードのP2Pネットワークで、ノードはECとEBP加盟国が運営する。

EBSI開発の目的

2018年、EU加盟国27カ国とノルウェーおよびリヒテンシュタインが欧州ブロックチェーン・パートナーシップ(EBP)の創設宣言に署名した。

EBPの目的は、ヨーロッパの公的機関が展開するデジタルサービスを支援するために、EBSIが利用可能になることであり、ブロックチェーンを基盤とした欧州全域に及ぶ公共サービスのインフラとなるEBSIの開発を支えている。EU法に完全に準拠しつつ、プライバシー、サイバーセキュリティ、相互運用性、そしてエネルギー効率の面で最高水準を満たすプラットフォーム構築を目指しているという。

加盟国間の緊密な協力により、断片的なアプローチを回避することで相互運用性を高め、デジタルスペースでも欧州単一市場の利点を活用することが可能になると、ECは期待しているようだ。

EBSIの恩恵を受けるのは

EBSIの活用により、市民、EU機関および各国の行政機関が様々な恩恵を受けると考えられている。

市民レベルでは、より安全な国境を超えたデータのやり取りが可能になり、政府やEU機関では事務処理や管理プロセスが簡素化され、効率を高めることができる。また、規制遵守を容易にし、国を跨いだ公共サービスの提供も効率化されるという。

EBSIの活用事例

EBPはこれまでに次の4つのユースケースを選定している。ユースケースごとにユーザーグループが設立され、ユーザーグループはEBSIブロックチェーン上の試作アプリを作成する。

公証サービス

信頼できるデジタル監査証明の発行:適合性チェックを自動化し、データの整合性を証明する。

自主管理可能なアイデンティティ

ユーザーが公的機関に頼ることなく、国境を越えて自己のアイデンティティを管理できるようにする。

学位証明

教育資格証明の管理を市民の手に還元する。検証コストを大幅に削減し、真正性の信頼性を向上させる。

信頼されるデータ共有方法

ブロックチェーン技術を活用し、EU内の税関・税務当局間でデータを安全に共有する。

EBSIと市場参加者

ブロックチェーン技術を利用した明るい未来を目指す一方で、ECはしっかりと現実も見つめているようだ。

ブロックチェーン基盤の公共サービスを、国境を超えて欧州全域にできるだけ早く展開するため、EBSIは、既存のブロックチェーン技術を使って比較的簡単に実装できるユースケースの開発に焦点を当てている。しかし、昨年12月に一般市場の調査を開始し、広く市場参加者からの意見を求めた結果、ECは既存のブロックチェーンソリューションと、理想とするプラットフォーム構築にはギャップがあることを認識するに至ったという。

そのため、ECはEBSIのための「斬新なブロックチェーン・ソリューション」を広く一般から募集している。事前調達のための入札募集は今年9月に公表されるとのことだ。

今年、EBSIはEU加盟国間の繋がりを深めるための基金、コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(Connecting Europe Facility=CEF)プログラムが提供するデジタルサービスの一環である「ビルディング・ブロック」に指定されている。CEFからの資金提供を受け、今後、EBSIは再利用可能なソフトウェアや仕様、サービスの提供を通して、EU機関や欧州の公共行政機関による採用をサポートしていくことになるという。

参考:European Blockchain Services Infrastructure

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧