Apple GPTの開発プロジェクト
ブルームバーグの19日の報道によると、米アップル社は現在、「Apple GPT」と呼ばれる独自のAI(人工知能)チャットボットを開発しているようだ。
内部の情報筋によれば、Apple GPTはOpenAIのChatGPTと同様のウェブアプリケーションの大規模言語モデル(LLM)であり、プロンプトに対してドキュメントを生成する。その目的は一般消費者向けのサービス提供ではなく、内部的な製品改良に利用される予定だという。
また、アップルが開発を進めているAIは、特にプライバシーの保護を重要視している。開発に使用されているフレームワークは「Ajax」と呼ばれる、Google Cloud上で稼働する大規模言語モデル。Ajaxは機械学習研究のためのプラットフォームであるGoogle JAXを基に構築されている。
さらに、アップルは昨年、社内の機械学習開発の取り組みを統合する目的でAjaxを立ち上げたとのことだ。このApple GPTはすでに音声アシスタント「Siri」や「Maps」の改善に使用され、製品のプロトタイプ作成にも活用されている。
アップルがApple GPTでどのような計画を進めているのか具体的な内容は不明だが、情報筋によると、同社は来年に向けて「AI関連の重要な発表」を計画しているとのことだ。
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アップルのAI戦略
アップルのAI推進チームは、ソフトウェアエンジニアリング部門を指導するクレイグ・フェデリギ上級副社長と、かつてGoogleでAIと検索の責任者を務めていたジョン・ジャンナンドレアが共同で率いている。アップルは2018年に、ジャンナンドレア氏をSiriやその機械学習チームのヘッドとして迎え入れた。
アップルはこれまでに自社製品にAIを積極的に組み込んできた実績があるが、OpenAIのAIチャットボット「ChatGPT」や、マイクロソフトの画像作成ツール「Midjourney」のような、消費者向けのジェネレーティブAI製品をリリースしていない。18日には米Metaが次世代のオープンソース大規模言語モデル(LLM)「Llama 2」を提供開始したばかり。
アップルの最高経営責任者(CEO)であるティム・クックは5月の決算発表で、引き続き人工知能(AI)を製品に取り入れる考えを示したが、その一方で解決すべき課題が存在すると指摘。既に一部の製品でAIを組み込んでいると指摘し、その潜在能力は非常に興味深いとして、今後も同様の方針を続ける意向を明らかにした。
「ChatGPT」がリリースされて以降、AIはテック産業の重要テーマとなり、各社の開発競争が激化している。しかし、背景技術のブラックボックス性がプライバシー侵害や倫理・社会的懸念を招くことから、非営利団体Future of Life Instituteや著名な起業家・研究者を中心に規制を求める声も挙がっている。
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ジェネレーティブAIとは
入力されたデータや指令から新しいコンテンツやデザインを自動的に作成するAIのこと。文章や画像、音楽、動画などのメディアコンテンツや、プログラムコードなどを生成し、人間の創造性や発想力を補助する。
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