CoinPostで今最も読まれています

アービトラム、無許可型の検証プロトコルを発表、分散化に向け一歩

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

パーミッションレス検証プロトコル

イーサリアムのレイヤー2ソリューション「アービトラム(ARB)」の開発を手がけるOffChain Labsは4日、パーミッションレス検証プロトコル「Bounded Liquidity Delay(BoLD)」を発表した。

アービトラムはOptimistic Rollupという手法を取り入れたレイヤー2スケーリングソリューションで、トランザクションをオフチェーンで処理して、その結果を1つのブロックにまとめてレイヤー1(イーサリアム)に提出する。レイヤー1の混雑を軽減することを目指している。

だが、レイヤー2の取引の正当性を主張するシークエンサーが不正な情報を提供する可能性が懸念される。Optimistic Rollupでは、その防止策として、他の検証者(バリデータ)がその主張を検証し、間違いがあればそれに挑戦する(不正証明)という仕組みが導入されている。

しかし、その紛争プロトコルがDoS攻撃に対して脆弱であり、悪意を持った検証者が金銭を投じて主張の検証を妨げ、レイヤー2からレイヤー1への資金移動を遅らせる事態が生じる可能性がある。これを防ぐため、現行のアービトラムでは、シークエンサーは許可制となっている。

新たに提案されたBoLDは、こうした課題の解決を目指す。BoLDは取引確認の上限時間を一律7日間に設定するとともに、確認作業が特定の検証者や組織に依存しないようにすることで、誰でも取引の正当性について主張を行うことができる。その主張が認められれば、取引は正当とみなされる。

さらに、BoLDのプロトコルでは、少なくとも1人の誠実な検証者がいれば、その人が不正な主張に挑戦し、計算結果に基づいて正しさを証明することが可能になる。これがBoLDの強みであり、ネットワークを不正行為から守る強力なツールとなるという。

関連アービトラム財団が透明性向上を約束、DAOで再投票を実施へ

シークエンサーをオープンに

Offchain Labsの共同設立者兼チーフ・サイエンティストであるエド・フェルテン氏は、「これがアービトラムのパーミッションレス検証をオープンにするきっかけになるだろう」と述べている。

今後数週間から数ヶ月にかけて、Offchain LabsはBoLDを取り入れた開発者テストネットをリリースする予定。さらに、DAOでの投票により、アービトラムにBoLDをデプロイするか判断することになる。

レイヤー2のデータを追跡するL2BEATによれば、アービトラムの「Total Value Locked(TVL)」、つまりネットワークに預けられた資産総額は8日時点で約59.3億ドル(約8,400億円)に達している。この数値は、イーサリアムのレイヤー2ソリューションの中で最も高いもので、アービトラムが業界内でどれだけ信用されているかを示している。

一部報道によると、アービトラムのシークエンサーとして稼働しているのはひとつだけであり、アービトラムの開発会社Offchain Labsによって運用されている。このシステム構成は単一障害点を生むと、以前から指摘されてきた。

関連アービトラム財団の設立へ、ARB保有者の投票開始

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア