今週9/16(土)〜9/22(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
9/16(土)〜9/22(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は、一時は400万円台に乗せるも、上値トライに失敗し、22日正午時点でほぼ横ばいとなっている。
週明けのBTCは、米債利回りの急落やチェーンリンク(LINK)相場の上昇に連れて400万円を回復したが、米証券取引委員会(SEC)が米裁判所にバイナンスUSのソフトウェアの調査許可を要請したことが嫌気され、上げ幅の殆どを解消。しかし、この要請が早々に却下されると、相場は390万円台中盤で下げ止まった。
19日には、テザーから10億USDTの発行が確認され、相場は再び上値を試したが、これが市場に流通するUSDTの「発行」ではなく「在庫補填」ということが明らかとなり、失速。ただ、この日は野村HDの子会社レーザー・デジタルが、BTC投資ファンドを機関投資家向けに開始したとの報道を追い風に再び400万円に乗せた。
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利据え置きが決定された一方、経済見通しでは年内のこり一回の利上げ見通しが維持された他、来年と再来年の利下げ幅見通しが縮小され、高金利政策の長期化懸念が台頭。BTCは、イベント通過後は上下に振れるも400万円を維持したが、翌21日には米債利回りの上昇と米株の下落に耐えきれず、391万円まで下値を広げた。
先週懸念した通り、米連邦準備理事会(FRB)の金利見通しはタカ派的なシフトを見せた。
裏を返せば、経済のソフトランディングに対するFRBの自信の現れとも言えるが、利下げペースの減速見通しは米債利回り及び米株市場に大きなインパクトを齎した。
ただ、こうした長期的な金利の見通しはその時々の状況によって大きく変化するのも事実だ。また、年内の追加利上げに関しても「データ次第」というパウエルFRB議長の姿勢は変わっていない。
FOMC翌日の21日には、米新規失業保険申請件数が前週比で減少し、労働市場の底堅さが示唆された一方、フィラデルフィア連銀の9月製造業景況指数、同新規受注、さらには全米リアルター協会(NRA)発表の8月中古住宅販売戸数は前月比で下振れており、追加的な引き締めが確実視される状況でもないと言えよう。
BTC対ドル相場は前週にレジスタンスとなった26,500ドルがサポートに転じており、目先では下げ渋る展開が見込まれる。
勿論、米金利の見通しに関しては従前からの不透明感が払拭された訳ではなく、BTC相場の方向感はこの先も経済指標次第と言えよう。来週には8月の米個人消費支出(PCE)価格指数、再来週には9月の米雇用統計が控えており、次に相場が動き出すのは今月末から来月初にかけてか。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコインは12日から三連騰の逆転劇、9月FOMCの注意点は