米司法省と和解か
米司法省は、バイナンスの規制違反の疑いに対する調査を巡り、同社に約5,930億円(40億ドル)超の支払いを要求していることがわかった。「ブルームバーグ」が複数の情報筋の話として21日に報じた。
司法省は、マネーロンダリング防止と制裁のルールに違反したことと、銀行詐欺を行った疑いでバイナンスを調査していると伝えられている。今回行われている交渉の内容には、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが刑事起訴される可能性も含まれているという。
バイナンスを司法省が起訴する可能性は今年8月にも報じられていた。この時、司法省は詐欺罪などで起訴することを検討しているが、一方でFTXのような取り付け騒ぎのリスクを考慮して罰金などの代替案も検討していることが明らかになっている。今回の40億ドルは、罰金などの支払い額とみられる。
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ブルームバーグはバイナンスや司法省からコメントは得られていない模様で、状況はまだ流動的だと説明。その上で、今月末までには正式発表が行われる可能性があると伝えた。
暗号資産(仮想通貨)のベンチャーキャピタル「Castle Island Ventures」の創設パートナーは今回の件について以下のようにコメントしている。
監視規定を含めた和解が行われれば、投資家を保護したり、バイナンスが組織として成長して規制により準拠したりするための妥協案となるだろう。
これから司法省と和解できれば、バイナンスは事業を継続することができる模様。今回の報道が好感され、BNBの価格は一時8.5%上昇した。
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米国の動向
米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)から提訴されたバイナンスを巡っては、米司法省の動きにも注目が集まっている。
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先月には米議員が司法省に対して書簡を提出し、バイナンスとテザー社に対する起訴や調査を行うよう要請したことがわかった。
この時に議員らは、ハマスのイスラエルに対する攻撃の際に使用された資金の調達を含め、「重大な違法金融活動」を両社が可能にしていたという報告があると述べている。
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バイナンスとは
取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い大手仮想通貨取引所を運営。他にもベンチャーキャピタル部門の活動や教育コンテンツの提供、慈善活動など幅広い事業を展開している。昨年11月には、日本市場への進出を発表した。
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