CoinPostで今最も読まれています

エルサルバドルのビットコイン担保債券「ボルケーノ債」が規制認可を取得 来年3月までの発行目指す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン担保債券の発行予定

エルサルバドルの国家ビットコイン事務局(ONBTC)は11日、ビットコイン担保債券「ボルケーノ債」が、同国のデジタル資産委員会(CNAD)によって承認されたと発表した。

この債券は、2024年第1四半期に発行される予定でビットコインベースの資本主義のスタートを象徴する取り組みと位置づけられる。

エルサルバドルは2023年1月11日に、ビットコイン担保債券に関する「デジタル証券法」を可決した。当時の計画によると、ボルケーノ債は約1,400億円(10億ドル)分のビットコインを担保に発行され、資金調達を行う。10年間の期限を持ち、年間6.5%の利回りを投資家に提供する。

調達資金の使途は、税制優遇を受ける「ビットコイン・シティ」の建設やビットコインの大量購入に充てられる。

発展途上国のエルサルバドルは、政情不安や経済難に長年悩まされてきた一方、豊富な資源を有する。

同国では21年9月、世界で初めてビットコイン(BTC)を法定通貨化したナジブ・ブケレ大統領によって火山の地熱エネルギーなど再生可能エネルギーを利用したビットコインのマイニング(採掘)プロジェクトが推進されており、火山を利用したBTC採掘はボルケーノ・マイニングと呼称される。

今回、その発展を支援するための取り組みの一環として「ボルケーノ債」による資金調達が計画された。

関連:ビットコインが法定通貨になったエルサルバドルへ行ってみた|体験記寄稿1

ONBTCによると、ボルケーノ債はブロックチェーンベースのデジタル証券取引所Bitfinex Securitiesで発行される。このプラットフォームは、暗号資産取引所Bitfinexの傘下にあり、カザフスタンのAstana International Financial Centre(AIFC)およびエルサルバドルで登録されている。

なお、国際通貨基金(IMF)は、金融や財政の安定性、消費者保護に対するリスクへ対応する必要があるとして、「ビットコイン債」の発行を見直すべきと23年2月に指摘した。

エルサルバドルは2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨として認定し、米ドルと共に決済手段として使用されている。2022年11月には、ナジブ・ブケレ大統領が「毎日1BTCを購入する」と宣言し、注目を集めた。

ブケレ大統領は今月、ビットコイン投資の含み益がプラスに転じたことを公表。公表時点で約5.3億円(362万ドル)の利益が出ているという。同政府はFTX破綻の2022年11月時点で平均取得価格44,300ドル(主に2021年の購入)として2,381BTC(現在の価値=9,981万ドル)を保有していた。

関連:約5.3億円の含み益か、エルサルバドルのビットコイン投資がプラスに転じる

エルサルバドルの政策の進展

エルサルバドルのビットコインを法定通貨とする決定には賛否両論があるものの、ビットコイン価格の上昇とともに、同国の金融セクターの成長と潜在的な影響力が見直され始めている。

今月、米資産管理大手VanEck社のアドバイザーは、エルサルバドルが南北アメリカ大陸においてシンガポールのような金融ハブになる潜在力を持つと評価した。同社は、移民の流入、資本投資、そして一般的な経済成長がエルサルバドルで続くことを予想した。

また、USDT発行元のテザー社は、エルサルバドルでのビットコインマイニングファーム「Volcano Energy」に出資。このプロジェクトは2023年10月に火山資源を活用したビットコインマイニングプール「Lava Pool」を立ち上げ、同国政府に利益の23%を提供している。

なお、ビットコイン政策を推し進めてきたナイブ・ブケレ大統領は、2024年2月4日の選挙に向け、6ヶ月間の職務を離れる許可を得ている。同氏は、ギャングへの厳しい取り締まりで国民の支持を得ており、再選を目指している。

関連:VanEckアドバイザー「エルサルバドルは次代のシンガポールとなる潜在力」

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/09 土曜日
12:35
米ブロック社、ビットコインマイニング部門の資金強化 7~9月期決算報告
米ブロック社が7~9月期決算を発表。仮想通貨マイニング部門への投資を強化し、音楽配信TIDALなどの投資縮小を表明した。
11:05
米大統領選で人気を博した予測市場ポリマーケット、今後エアドロップの可能性
今回の米大統領選で注目を集めた分散型予測市場「ポリマーケット(Polymarket)」は今後ユーザーへトークンのエアドロップを実施する可能性が浮上した。トランプ新政権の規制緩和が期待されるか。
10:05
テザー社の新事業、70億円規模の中東原油取引に資金提供 
ステーブルコインUSDT提供のテザー社が中東での原油取引に約70億円の資金提供。貿易金融事業への参入で新たな収益源を開拓している。
08:20
バイナンス、GRASSやDRIFTの永久先物取引提供 価格高騰
大手仮想通貨取引所バイナンスは8日23時ごろ、3銘柄の新規永久先物取引を提供開始した。対象となったのは、GRASS、DRIFT、SWELL。
07:30
仮想通貨取引所ビットバンク、投資子会社を設立
仮想通貨取引所ビットバンクは、投資活動を行う完全子会社Bitbank Venturesを設立。マネーのインターネット化を促進して、日本と世界の架け橋になるとしている。
07:00
イーサリアム財団が財務開示、資産の8割をETHで保有
イーサリアム財団は8日、2024年10月31日時点の財務状況を公表した。財団の資産総額は約9億7000万ドルで、そのうち7億8870万ドルが仮想通貨、1億8150万ドルが非仮想通貨(現金など)だった。
06:30
FOMC利下げが追い風、ビットコインが初めて77000ドル超え
仮想通貨ビットコインは日本時間9日4時30分ごろに史上最高値を更新し、77,312ドル(約1,180万円)に到達した。
11/08 金曜日
15:45
ソラナのリキッドステーキング大手Jito、10月のDeFi収益ランキングでトップに
ソラナの大手リキッドステーキングJitoは、10月に手数料として過去最高となる7,892万ドルの収益を上げ、LidoやUniswapなど分散型金融大手の収益を上回った。
13:30
イタリア、仮想通貨キャピタルゲインへの42%課税案を見直しか
イタリアの経済財務大臣がビットコインなど仮想通貨への増税案見直しを示唆。党内からも、戦略的な資産クラスになり得ると反対意見が上がっていた。
13:20
トランプ新政権、SEC委員長候補を物色 ロビンフッドCLOが有力に
アメリカの次期SEC委員長候補として、ロビンフッドのダン・ギャラガー氏や元SEC委員のポール・アトキンス氏が浮上し、トランプ政権下での規制緩和が期待されている。
10:35
イーサリアム、新テストネット「Mekong」をローンチ
仮想通貨イーサリアムは、次期大型アップグレードPectraのためのテストネットMekongをローンチ。イーサリアム財団がローンチの目的を説明している。
09:50
トランプ氏大統領再選でビットコイン政策はどう変わる? CoinShares分析
トランプ氏の大統領再選がビットコイン市場に与える影響をCoinSharesが分析。BTCの国家準備資産化や規制緩和の可能性を解説している。
07:50
ポリマーケットのクジラ、トランプ氏勝利で130億円超の利益か
ブロックチェーン分析企業Chainalysisはポリマーケットを分析し、米大統領選のトランプ氏の勝利に賭けていたTheo4というユーザーが合計で130億円超の利益を得ている可能性があると公表した。
07:30
米デトロイト市、仮想通貨での税金支払いを2025年開始へ
米ミシガン州のデトロイト市は7日、2025年半ばから市民がビットコインなどの仮想通貨を使って税金やその他の市の手数料を支払えるようになると発表した。
07:15
ビットバンク、ビットコインなど3銘柄で信用取引開始へ 現物市場の流動性強化
ビットコインなど3銘柄の信用取引 国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットバンクは7日、2024年11月11日より信用取引サービスの提供を開始すると発表した。開始当初はビットコイン…

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧