はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインETF承認で事実売り、材料出尽くし感も|bitbankアナリスト寄稿 ETF承認で事実売り、材料出尽くし感も|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週1/6(土)〜1/12(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

1/6(土)〜1/12(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円も、乱高下しつつも上昇し、一時は2021年11月ぶりに700万円を回復した。

米証券取引委員会(SEC)による現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認判断が10日に迫る中、週明けからETFを申請する各社が手数料を公表したことで承認への期待感が膨らみ、BTCは670万円を回復した。

9日には、SECがX(旧ツイッター)で現物ビットコインETFの承認を発表すると、相場は一時700万円に肉薄するも事実売りが入り、一気に40万円ほど急落した。一方、その後SECのゲンスラー委員長が、委員会のXアカウントが何者かに乗っ取られ、ETFの承認はしていないと発表すると、相場は俄かに反発した。

しかし、これによりETFの「承認後は事実売りが入る」との警戒感から翌10日のBTCは上値の重い展開で始まったが、米時間に入るとSECの判断に先駆けてCboeが7件のETFの上場許可を委員会に報告した他、イーサ(ETF)を筆頭にアルトが強含み、BTCは680万円付近まで戻した。

11日未明には、SECが11件の現物ビットコインETFを全て承認し、BTCは一時的に下値を試したが、前日の誤報を受けて売りある程度で尽くしていたからか、その後は690万円近辺まで反発した。

しかし、ETFの承認は既に織り込まれていたことで、その後は買いが続かず、11日の東京時間のBTCは上値を重くした。

一方、ETFの取引初日となった11日には、プレマーケットでIBIT(ブラックロックのETF)が好調との報告を受け、相場は復調。さらに、米市場が始まると、ビットコインETFの合計売買代金が開始数十分で5億ドルを超えたと報じられ、相場は一時710万円をも回復した。

ただ、この日は12月の米消費者物価指数(CPI)の上振れを受けた米株の下落が相場の重石となり、BTCはすかさず上げ幅を解消している。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

遂に米国で現物ビットコインETFが承認されたが、相場の動きは想定していた以上に冴えない結果となった。

承認後は「事実確定売りによる急落」を想定していたが、前日の誤報でデリバティブ市場のポジションがある程度捌け、警戒感による売りも承認に先んじたことで、実際のETF承認後に大きな動きはなかった格好だ。

ETFの取引初日は祝賀買い的な取引も多かったと指摘され、目先ではETFの活況さが相場の支えともなろうが、その影響は徐々に衰えていくだろう。

他方、今週は米CPIの上振れサプライズがあったが、FF金利先物市場では3月の利下げ開始観測が後退する様子はなく、「インフレの高止まりは一時的」というのが市場のコンセンサスのようだ。

確かに、年末商戦に向けた消費や雇用の増加によって12月の経済指標はそれ以前と比べて強目に出る可能性があり、今週のCPIの結果に悲観する必要はないか。

ただ、12月のCPIの総合指数は3.4%となっており、3月までに米連邦準備理事会(FRB)の目標の2%まで低下するかは依然として不透明だ。また、債券市場はCPIの上振れに売り(金利は上昇)で反応しており、インフレ指標の高止まりはBTC相場にとっては好ましい材料ではない。

今週はETF承認でめでたいムードではあるが、材料出尽くし感も窺える中、BTC相場が高値を更新するにはもう少し材料が必要か。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインETF承認まで秒読み段階か、目先では下値リスクにも注意

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当ビットコインを送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧