今週12/30(土)〜1/5(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
12/30(土)〜1/5(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は乱高下しつつも上昇し、5日正午時点で、630万円周辺で推移している。
年末年始にかけてブラックロック(BR)がJPモルガンとジェーンストリートを現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の指定参加者(AP)に指名した他、ロイターが1月第1週にも米証券取引委員会(SEC)が複数のETFに承認を下す可能性があると指摘したことで、BTCは年始から上値を追う展開を繰り広げ、2日には640万円を回復した。
一方、3日にはマトリックスポートが、「SECは1月のETF承認を見送る可能性が高い」と指摘すると、相場はロングの投げを伴って急落を演じ、一時は600万円をも割り込んだ。
ただ、この日はNY証券取引所、ナスダック、シカゴ・オプション取引所(Cboe)が現物ビットコインETFを巡ってSECと会合を開いたとFOXニュースが報じると、ブルームバーグのアナリストが「(ETF)を否認もしくは延期するならこのタイミングでこんなことはしない」と指摘したことや、フィデリティがETFの有価証券登録をSECに提出したことで、やはり承認が間近であるとの思惑が再浮上し、相場は620万円周辺まで回復した。
翌4日にはヴァルキリーとギャラクシーもETFの有価証券登録をSECに提出。この日は米雇用関連指標が強めに出て米債利回りが上昇したが、BTCは640万円を回復した。
BTCは2日にドル建てで4.5万ドルを一時的に回復したが、年末に指摘した通り、ショート不在の燃料不足で綺麗な上抜けとはならなかった。
3日の相場急落で無期限先物市場では一時的に資金調達率(fr)がマイナスに振れる場面もあったが、すかさず押し目買いが入り、結果的にfrは0.3%台と記録的な水準まで上昇し、市場のポジションの偏りは改善されていない可能性が高い(第2図)。未だにETF関連の材料でBTC相場が上昇するのも驚きではあるが、織り込みは相応に進んでいると見ており、目先では「Sell the Fact(事実確定売り)」に注意したい。仮にSECが現物ビットコインETFを承認するとすれば、アークと21シェアーズが共同で申請するETFの最終判断期限となる1月10日までと指摘され、承認までまさに秒読みと言える。
事実、確定売りが発生し相場が強く押せば、連鎖的なロングポジションの解消によって相場下落に拍車が掛かると指摘され、目先では下値リスクに十分に注意したい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:先物市場に偏りも、ビットコイン上抜けは今週が勝負か