はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム、ビットコインの年初来上昇率を上回る 現物ETF承認への期待感と集中リスクの懸念 現物ETF承認への期待感と集中リスクの懸念

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

年初来の上昇率

時価総額2位の暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)が、年初来の価格の上昇率でビットコイン( BTC)を上回った。 米当局による先月のビットコイン現物ETF(上場投資信託)承認を受けて、イーサリアム現物ETFが承認される可能性が高いとの楽観的な見方がその一因となっている。

米国の仮想通貨現物ETFの次の波が、この第2位のデジタル資産に集中するとの思惑もあり、イーサ・トークンは今年、ビットコインを凌駕している。

イーサリアムは21日、22年4月以来初めて1ETH=3,000ドルを超え、年初からの上昇率が28%となり、ビットコインの21%を上回った。その後、イーサリアム価格は下落し、執筆時現在、2,924ドルで取引されている。

現在、米国証券取引委員会(SEC)には、大手資産運用会社ブラックロックやフィデリティをはじめとする9件のイーサリアムETF上場申請が登録されているが、SECは先月、フィデリティに続いてブラックロックの申請の可否判断を延期。グレースケールのイーサリアム現物ETF転換申請の判断も、再び延期した。

SECによる延期は予測通りとの見方もあり、5月下旬に承認可否判断の最終期限を迎えるVanEckやARK Investなどの申請に対し、SECがどのような判断を下すかが注目されている。

仮想通貨投資会社OSLシンガポールのトレーディング部門責任者、Stefan von Haenisch氏は、ETF承認判断の期日が近づく4月から5月にかけて、イーサリアムはビットコインを上回るパフォーマンスを継続するとの予測を示した。

ETF承認の可能性

イーサリアム現物ETFが承認される可能性については、専門家の中でも意見が分かれている。

米JPモルガンは、イーサリアムの証券性を明らかにする必要性から、5月にSECが承認する可能性は低いと見ている。前出のHaenisch氏も、SECの強硬な姿勢に言及し、承認しない可能性があると指摘した。

米投資銀行TDコーウェンは、今年行われる米大統領選挙など政治的な背景から、イーサリアム現物ETFの承認は2025年後半から2026年初頭になるのではないかと予測している。

ゲンスラーSEC委員長はイーサリアムETFの実現可能性について、「ビットコインETFの商品の場合、我々が判断を行ったのは、あくまでビットコインという非証券商品にとどまったことであり、それ以外の仮想通貨に対しても承認するという意味を示唆していると読むべきではない」と述べている。

関連:5月までのイーサリアム現物ETF承認可能性、JPモルガン「50%以下」と分析

一方、英大手銀行のスタンダードチャータード銀行(SCB)は、承認に対し強気の姿勢を表明している。

同行の外為・デジタル資産リサーチ責任者であるGeoff Kendrick氏は、SECがイーサリアムを明確に有価証券として分類していないこと、またイーサリアム先物がシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場していることを根拠に、5月に承認されると予想した。さらに、グレースケールによるイーサリアム投資信託の現物ETFへの転換申請に言及。非承認となった場合、同社のビットコインETF転換申請訴訟でSECが敗訴となった前例もあることから、SECは同じ轍は踏まない可能性が高いと見ているようだ。

関連:SCB銀 SECは5月にイーサリアム現物ETFを承認すると強気予想

米大手取引所コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は21日、SECに対し、グレースケールのイーサリアム信託からの転換申請の承認を求める意見を提出した。

「イーサリアムの想定ドル取引量は、時価総額で調整した場合を含め、S&P500を構成する銘柄の大半を大きく上回っている」と指摘。「イーサリアム市場の深さ、スプレッドの狭さ、そして現物市場全体の価格相関は、詐欺や操作に耐性がある市場であることを強く示している」と主張した。

イーサリアムETFが集中リスクを高める可能性

SECに提出されたイーサリアム現物ETF申請の一部には、ステーキングを組み込んだETFが含まれているが、このような投資商品が承認された場合、イーサリアムネットワーク内で、バリデータの集中リスクが高まる可能性が指摘されている。

ステーキングが可能なETFを申請しているのは、Ark Investとフランクリン・テンプルトンで、ETHをステーキングすることで追加の利回りを生み出すことを目指している。

S&Pグローバル・デジタル資産研究所の Andrew O’Neill氏らは、単にイーサリアムを保有する現物ETFは、バリデータに影響を与えることはないが、ステーキングを組み込んだイーサリアム現物ETFは、イーサリアムネットワーク内で「バリデータの集中を変えるほど大きくなる可能性がある」と指摘した。

現在、イーサリアムネットワークの最大のバリデータは、分散型ステーキング・プロトコルのLido Financeで、コインベースがこれに続く。Dune Analyticsのデータによると、LidoはステーキングされたETHの31.7%を、コインベースが14%を管理している。

ステーキング可能な現物ETF提供する場合、米国の資産運用大手企業が分散型プロトコルであるLidoを選ぶ可能性は低いとアナリストらは見ており、Lidoへのバリデータ集中は軽減される可能性があると指摘した。

一方、機関投資家のカストディ機関としてすでに大きな役割を担っているコインベースに、イーサリアムステーキングの集中が高まる可能性があるとの懸念を示した。

アナリストによると、コインベースは、米国のビットコインETF11銘柄のうち8銘柄のカストディアンとして、また、米国外のイーサステーキングETF最大手4社のうち3社によりステーキング機関として指名されている。

関連【02/21最新】おすすめの仮想通貨取引所のメリットを比較 イラスト解説付き

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/16 月曜日
16:12
マイナンバーカード×Web3認証 コインチェック、マイナウォレットと協業へ
コインチェックは、マイナンバーカードを活用したWeb3ウォレットを開発するマイナウォレットと協業。本人認証の新たなインフラ構築を目指す。
14:09
トランプ陣営顧問「米大統領選の鍵となったのは仮想通貨票だった」
2024年米大統領選でトランプ大統領のキャンペーン上級顧問を務めたクリス・ラチヴィタ氏は、仮想通貨関連問題を争点とした選挙戦略の採用が、トランプ氏の再選に大いに貢献したと主張した。
12:53
メタプラネットがビットコイン追加購入|保有1万BTC突破
メタプラネットがBTC保有1万枚を達成。時価総額は1兆円を突破。最終目標は21万BTCとしており、資金調達戦略と今後の展望を解説する。
12:27
SECが承認 トランプ・メディアがビットコイン財務戦略開始
トランプ・メディアが米証券取引委員会の承認を受けて、仮想通貨ビットコインの財務戦略を開始予定だ。すでに機関投資家から3,000億円超を資金調達している。
11:57
中東情勢緊迫化の中ビットコインに底堅さ、機関投資家の資金流入が下支えに
マクロ経済と金融市場 イスラエルとイランの軍事衝突をめぐり、両国の攻撃対象がエネルギーインフラに拡大したことで、世界の金融市場にも影響が広がっている。 イスラエルは前週末、イラ…
10:56
経済学者らが需給モデルからビットコイン強気予想「2027年初頭までに100万ドルの可能性」
経済学者らが仮想通貨ビットコインの将来価格を分析した。供給制約と需要増加により強気シナリオで2027年初頭に100万ドル到達の可能性があると予想している。
06/15 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米SEC委員長のDeFi支持発言でETH上昇やXRPL採用事例増加など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン中東リスクで調整、FOMC通過後の買い戻し予想|bitbankアナリスト寄稿
bitbank長谷川アナリストによる仮想通貨ビットコイン(BTC)週次分析。中東情勢緊迫化で1600万円から1490万円に下落するも、過去の地政学リスク時と同様に一時的調整と分析。FOMC通過とトランプ減税法案への期待で反発予想。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|アーサー・ヘイズのBTC急騰分析に高い関心
今週は、参政党の神谷代表による仮想通貨政策提案、米コネチカット州による反戦略的ビットコイン準備金法可決、アーサー・ヘイズ氏によるビットコイン急騰分析に関するニュースが最も関心を集めた。
06/14 土曜日
13:55
相次ぐ小規模企業による大規模な仮想通貨投資発表、VanEck専門家は株価操作の可能性を指摘
時価総額数億ドルの小規模上場企業が数百億ドル規模の仮想通貨アルトコイン購入計画を発表する事例が相次いでいる。VanEck専門家は一部を株価操作目的と分析し、投資家に注意を促している。
13:10
ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析
米コインベースが最新レポートで、現在228社が仮想通貨ビットコインを82万枚保有していると指摘し、こうした財務戦略でシステミックリスクも上昇していると説明した。
11:38
イーサリアム専門家らがETH価格を「大幅に過小評価」と主張、長期目標8万ドルも
イーサリアム技術者らが新報告書でETHを「デジタル石油」と位置付け、ビットコインとの比較で機関投資家向けに大幅な過小評価を訴える。ステーキング収益や供給上限機能により長期的な価値上昇を予測。
10:44
ブラジル下院委員会、ビットコイン戦略準備金法案を可決 
ブラジル下院委員会が仮想通貨ビットコイン戦略準備金法案を可決。外貨準備の最大5%をビットコインで保有する「RESBiT」創設を目指し、中央銀行デジタル通貨の担保活用も検討。
09:50
「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
ドン・キホーテ運営のPPIHは、セキュリタイズジャパンと提携し若年層支援の仕組みを持つデジタル社債を発行する。majicaポイントなどで利息支払いし、若者に特典を付与する。
09:30
ソラナ現物ETF承認へ前進か、複数企業がSEC要請でS-1書類を修正提出
米SEC要請を受けフランクリン・テンプルトンやフィデリティなど複数企業がソラナ現物ETFのS-1書類を修正提出。ステーキング機能組み込みも検討され承認に向け前進。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧