19万6,000 BTCを保有
ブラックロックのビットコイン(BTC)現物ETFが保有するビットコインが、米マイクロストラテジーの保有量を上回ったことがわかった。
ブラックロックのビットコインETF(上場投資信託)であるiシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)は8日時点で約196,000 BTCまで保有量を増やした。ETFなので単純比較は出来ないが、これはマイクロストラテジーが数年かけて財務資産として購入してきた193,000 BTCを上回る。
Data table showing each ETF’s activity👇 pic.twitter.com/UTak9hsCQn
— HODL15Capital 🇺🇸 (@HODL15Capital) March 9, 2024
HODL15Capitalによると、IBITは3月8日までの一週間で、新たに、31,588 BTC の流入があった。1月11日の立ち上げ以来でも、3番目に流入額が多い週となっている。継続的な資産流入は機関投資家の参加も示唆している。
10社のビットコイン現物ETF全体では、8日までの週に33,614 BTCの流入があり、IBITが牽引する形だ。
米上場企業マイクロストラテジーは、財務資産としてビットコインを最も多く保有する企業として知られている。
主力事業はビジネス・インテリジェンス(BI)であるが、ビットコイン購入戦略が注目されたことも一つの背景に株価を上げてきた。先日も、ビットコイン買い増しのために転換社債で7億ドル(約1,030億円)を調達することがわかった。
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一部の投資家はこれまで、マイクロストラテジー株購入を、従来型の株式市場内で間接的にビットコインへのエクスポージャーを得る方法と見なすことがあった。現物ETF承認後は、ビットコイン間接投資の新たな手段が加わった形だ。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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ゴールドETFを追い抜かす可能性は?
ビットコイン現物ETFの一つGBTCを運営するグレースケールのマイケル・ソネンシャインCEOは、ビットコインETFへの需要について次のようにコメントした。
私たちは膨大な資金の流れと、投資家の需要を目の当たりにしている。需要は、毎日市場に流入するビットコインの供給量を上回っており、そのことが価格に上乗せしている。
ETF専門家のネイト・ゲラシ氏も、過去2か月間で、GBTCを除いた9つの現物ビットコインETFへの流入額が、過去5年間のすべての現物金(ゴールド)ETFへの流入総額を上回っていると指摘している。
ブルームバーグのアナリスト、エリック・バルチュナス氏は2月、ビットコインETFの運用資産残高が、2年以内にゴールドETFを上回る「十分な可能性」があると意見していた。
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SoSoValueのデータによると、8日時点で10社のビットコイン現物ETFへの純流入は累計で約2.2億ドル(約323億円)に達している。
ブラックロックやモルガン・スタンレーが今後、運用ファンドでビットコイン現物ETFへのエクスポージャーを持つ可能性も浮上しており、そうなれば投資家からのさらなる資金流入につながると期待する声もある。
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