トークン化された金の提供
金融大手HSBCが香港の個人投資家向けに、金(ゴールド)の実物資産に裏付けされたトークンの提供を開始したことが27日に明らかになった。このトークン化されたゴールド商品は、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
昨年11月には、トークン化された金の機関投資家向け取引が開始されていた。HSBCのジェネラルマネージャー兼ウェルス・パーソナル・バンキング香港責任者、マギー・ウン氏は、「顧客が金投資に親しみを持っており、デジタル資産への需要が高まっていることを認識している」とサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙に対して語っている。
ゴールド・トークンは、HSBC Orionというトークン化プラットフォームを通じて発行される。
HSBCは世界有数の金融グループであり、日本を含む62の国と地域にオフィスを構え、2023年9月末時点で450兆円(3兆ドル)を超える資産を管理している。
HSBCは昨年11月にデジタル資産の新しいカストディサービスを開始する計画を発表。トークン化された有価証券に投資する機関顧客を対象としており、米リップル社が買収したMetaco(メタコ)と協力して、2024年のサービス開始を目指す。このカストディサービスは、ゴールドのトークン化を補完するもので、機関顧客にデジタル資産サービスとして提供される。
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トークン化された金
トークン化された金は、インフレ対策としての資産性と、デジタル化による利便性の向上、小口投資の実現を特徴とする。すでに10億ドルを超える市場を形成しており、テザー社が時価総額5億ドルを超える最大のトークン発行企業となっている。米パクソス・トラストは、4億ドルで2番目である。
国内では、三井物産デジタルコモディティーズが、金を裏付けとした価格の安定を目指す「ジパングコイン(ZPG)」を発行。1ZPGは、金現物1gと同等の価値(円換算)を有しており、2022年2月17日から2023年3月31日までの期間で、総発行数量は34,760ZPG、総払込額は291,029,346円に達している。
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