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コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

契約の履行プロセスを合理化

世界四大会計事務所の1つであるアーンスト・アンド・ヤング(以下、EY)は17日、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」(OCM)の立ち上げを発表した。

EY OCMは、社内外のサイロ化した業務およびテクノロジーにまたがるビジネス契約管理で、企業が直面する課題の解決を目指すものだ。具体的には、複雑なビジネス契約の履行、機密保持のサポート、時間効率の改善、合意された条件の自動的な順守により、コスト削減とセキュリティ維持の達成を支援する。

EYによると、多くの企業が契約の履行プロセスの合理化に苦労しているという。例えば、支出面においては、企業内で細分化されているため、契約で合意された割引やリベートの適用が困難な状況にある。しかし、スマートコントラクトを利用することで、システムや外部のビジネスパートナーにまたがる支出を集約し、契約条件を一貫して適用することが可能になる。

グローバルブロックチェーン部門のリーダーを務めるポール・ブロディ氏は、契約を自動化することによって、精度が向上し、サイクル時間が90%以上短縮されるとともに、契約管理コストは40%近く削減されることが、クライアントの取り組みから明らかになったと述べた。

さらに同社のゼロ知識プライバシー技術により、サービスの産業化が実現したことで、わずかな初期費用でプライバシーの向上が可能になったと付け加えた。

ゼロ知識証明 (ZKP)とは

ゼロ知識証明とは、証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。言い換えると、プライバシーを侵害する可能性のある情報を提供せずに、主張の正当性を証明するプロトコル。

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イーサリアムとポリゴンの活用

同社はEY OCMは、イーサリアムブロックチェーン上で実行されると発表しているが、実際には同社が開発したゼロ知識ロールアップ「Nightfall」はポリゴンとの協業で開発されたもので、現在、取引コストの安いポリゴン上で運用されている。Nightfallの次回のアップグレードで、イーサリアムに移行する予定だという。

ポリゴンはイーサリアムのスケーリングソリューションを開発しており、セキュリティを犠牲にすることなく、安価な手数料でブロックチェーンを活用可能な環境を提供している。

関連:大手会計事務所EYとポリゴン、サプライチェーン向けソリューション(ベータ版)をローンチ

パブリックブロックチェーンを利用

EY OCMは、企業向けのプライベートブロックチェーンではなく、ポリゴンやイーサリアムといったパブリックブロックチェーン上に構築されている。

前出のブロディ氏は、パブリックチェーンを採用したことについて、次のように述べている。

パブリック・ブロックチェーン上に展開することは、低コストであるだけでなく、はるかに拡張性が高い。そして、一企業がネットワークをコントロールすることで、不公平な優位性を持つことがないオープンなプラットフォーム上で、多数同士の統合が可能になる。

ブロディ氏は、大企業がブロックチェーンを活用する未来は、イーサリアムのようなパブリックブロックチェーンにあると主張する。その理由の一つが、プライベートブロックチェーンにはプライバシーの問題があることがわかったからだという。

人々はテクノロジーをよく理解せずにこの世界に飛び込んだが、参加して初めて、『おや、プライベート・チェーンの参加者全員が、すべてを見ることができる』ということがわかったのだ。

プライベート・ブロックチェーンには、参加企業の購入量や価格などの機密情報が明らかになってしまうという弊害があり、ライバル企業との協業を妨げる要因の一つとなっていたと同氏は説明した。

EY OCMの特徴

EY OCMソリューションは、標準化されたAPIを通じて、既存の企業システムで簡単に使用することができるように設計されている。

大量購入契約、大量割引、リベート、市場データに基づく価格モデルなど、ほとんどのビジネス契約の種類をサポート可能だという。

また、ゼロ知識証明技術の実装により、パブリックブロックチェーン上においても、重要な契約条件や取引の詳細、価値連鎖の機密情報が確実に保護され、プライバシーは強化されている。

さらに、リアルタイムで、契約条件を自動的に検証したり、契約の遵守を監視し、矛盾があった場合には即座にアラートを受け取ることも可能となっている。同時に契約条件に準拠しない取引が通過しないように配慮されている。

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