まずはアルゼンチンで開始
米暗号資産(仮想通貨)関連企業パクソスのUAE事業体「Paxos International」は、アルゼンチンを最初の市場として、Lift dollar(USDL)という利回り付きのステーブルコインをローンチした。
発表によると、米ドルと1対1となるLift dollar(リフトドル)は、イーサリアム上でパーミッションレスで発行され、トークン保有者に日単位でプログラム的に利回り(利子)が支払われる。
裏付け資産に関しては、米ドル預金、短期間の米国債、現金同等物など「最高品質の流動資産のみを」保有し、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制庁(FSRA)によって規制されている。
また、利回りについては、保有者は現在、USDLで約5%の利回りを得ることができ、これは現在の米FFレート(5.25~5.50%)に近い。パクソス・インターナショナルは、利回りを分配するためにリベース技術を使用しており、保有者のUSDL保有高は利回りに応じて毎日増加することになる。
なお、資産保全に関しては、パクソスのCascarilla CEOはThe Blockの取材で「もしパクソスに何かあったとしても、資産は破産手続きの一部にはならない。資産は直ちに投資家に返還される」と話している。
リフトドルはハイパーインフレの状況に置かれるアルゼンチンだが、有価証券と見做される可能性があるとして、米国、ADGMを除くアラブ首長国連邦、英国、欧州連合、カナダ、香港、日本、シンガポールを含む特定の法域の居住者は利用できないとしている。
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現在、利回りつきのステーブルコイン市場では、USDYやUSDeなどが利用されている。バイナンスの最新レポートによると、利回りつきのステーブルコインへの需要は大きく増加しているという。
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