はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

シンガポールの金融管理局と証券取引所、トークン化資産の決済システムの開発に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

シンガポール金融管理局とシンガポール証券取引所がトークン化資産の決済システム開発に成功
シンガポールの金融管理局と証券取引所が共同声明で、トークン化資産のブロックチェーンを実装した決済システムの開発に成功した事を発表した。資産トークン化への基盤として注目が集まっている。
シンガポール金融管理局(MAS)とは
シンガポールの通貨当局、中央銀行。外為基金の管理や、銀行など金融業に対する監督、通貨制度の維持が主な任務。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

シンガポール証券取引所(SGX)とは
アジア・太平洋地域で最初に株式会社化及び現物株式市場と派生商品市場の統合を行った取引所。1999年に既存のシンガポール証券取引所(SES)とシンガポール国際金融先物取引所(SIMEX)との合併により設立。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

シンガポールでトークン化資産の実装成功

シンガポール金融管理局(以下MAS)とシンガポール証券取引所(以下SGX)が11月11日に共同で発表した公式リリース によると、MASとSGXがトークン化資産のブロックチェーンを実装した決済システムの開発に成功したことが明らかになった。

また今回発表されたDelivery versus Payment(DvP)システムでは、有価証券取引後処理(ポスト・トレード)をスマートコントラクトによって簡素化し、決済サイクルを短縮することが出来る事が明らかになった。

ブロックチェーン基軸のDvP決済システムとは

公式定義によると、DLT基軸のDvPシステムとは、購入した証券の現金支払いがほぼ同時に起こる決済システムである。一方の資産の譲渡が他方の譲渡に条件付けられる事によって、取引相手は元本リスクから守られる。

つまり、スマートコントラクトにより、有価証券の売り手が引き渡しても支払われないリスク、または買い手が支払いを実行したにもかかわらず引き渡しを受け取らないリスクから守られると考えられる。

現在の資本市場のプロセスでは、営業時間により取引が制限され、取引後はカウンターパーティーリスクや機会損失などのためマニュアルで処理・調整する必要がある。

ブロックチェーン基軸のキャピタルマーケットが実現すると、24時間356日のトレードが可能になり、資産保全の必要性が無くなり、ブロックチェーンによる自動化で運用コストが削減されると期待が集まっている。

デジタル証券の決済システムを進めるMAS

また今回の発表の中で、MASとSGXはデジタル証券の決済システムであるDvPの促進を後押しすると言及。その為、今後有価証券はブロックチェーン上の多数のプラットフォームでスマートコントラクトを介して売買されるのではないかと予想されている。

このプロセスにより、フィンテック・投資企業は、同時取引や決済が可能になる為、決済リスクが軽減され、業務効率が向上が期待される。

なお、この新しいシステムはProject Ubinの発展版でもある。同文書によると、Project Ubinは2016年11月に、MASとシンガポールの金融サービス業界が米大手証券取引所ナスダックや英大手会計企業デロイトなどと協力して、ブロックチェーン技術の証券の決済と清算への応用方法を探求する為に発足したプロジェクトである。

このプロジェクトでナスダックとデロイトによりプロトタイプが開発されており、金融機関や投資家がトークン化されたデジタル通貨と証券資産を、異なるブロックチェーンプラットフォーム上で同時に交換・最終決済することをすでに実証している格好だ。

MASの最高フィンテック責任者のSopnendu Mohanty氏は次のように述べた。

ブロックチェーンと資産のトークン化は、世界的に新しいイノベーションのトレンドを促進している。 このプロジェクトによってブロックチェーンの価値とそれが金融業界にもたらす利益が実証された。短期から中期的に見て資産のトークン化の概念はより広義の経済に適応され、新しい機会を創出していくだろう。

仮想通貨自体を禁止することはない|シンガポール金融管理局Pang氏が示唆
9月19、20日にかけて行われたSingapore Consensus 2018にてシンガポール金融管理局(MAS)のPang氏は、仮想通貨をユーティリティトークンや、証券トークン、決済トークンなどに分け、必要に応じて規制すると言及したものの、仮想通貨やブロックチェーン自体を禁止することはなく、許容していくことを示唆した。

トークン化の将来性とは

資産のトークン化は、最近では少しずつ注目され始めたとされている。

例えば8月には、米国のコロラド州ロッキー山脈に位置する高級ホテル、St. Regis Aspenの所有者である資産管理企業Elevated Returnsは証券トークン販売(STO)にて資金調達に成功し、業界内でも先見的な取り組みであると賞賛されていた。

現段階、株をはじめとした、債権、社債、オプションなど、法的に証券というカテゴリーに分類されているもの、そして不動産や美術品なども含めたすべてのアセットがトークン化できると言われているため、「トークン化エコノミー」にはその大きな潜在力があると期待されていると言っていいだろう。

仮想通貨常識を変える、次世代の資金調達方法STOの潜在能力:IPOとの競合の可能性も
昨年のICOブームを経て様々な詐欺的なプロジェクトが溢れた中、新たな資金調達法として注目を浴びるセキュリティトークン・オファリング(STO)。 適応できる分野が広く、規制に準ずる為、その大きな潜在能力に期待が寄せられている。
▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨IOTAで進むプロジェクトの躍進|欧州銀行会議にも参加表明
時価総額12位の仮想通貨IOTAは先週発表されたcarVerticalなど、下降相場の中でもプロジェクトの開発が淡々と進められている。また会長のSchiener氏がフランクフルト欧州銀行会議にも参加を表明した。
リップル社がxCurrent4.0を発表|仮想通貨XRPを利用するxRapidへの利用が可能に
シンガポールで開催中フィンテックカンファレンスにて、リップル社の新たなパンフレットから、xCurrentを利用している金融機関がシームレスでXRPを用いたxRapidへのアクセスが可能となる事が判明。今後のXRP需要拡大につながるとして注目を集めている。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。
12:55
メタプラネット支援コンソーシアム、タイ上場企業買収でビットコイン戦略を東南アジアに拡大
メタプラネット支援者らが筆記るコンソーシアムがタイ上場企業DV8の買収計画を発表した。日本で成功したメタプラネットのビットコイントレジャリー戦略をタイで再現し、さらに東南アジアに展開する第一歩として注目される。
12:36
オルタナ信託、BOOSTRY・ALTERNAと連携しデジタル証券の管理体制を強化
デジタル証券特化の「オルタナ信託」設立。BOOSTRYとALTERNAが協業を深化し、STの取得から販売まで一貫した新たな枠組みを構築する。
11:35
米雇用統計好調でビットコイン一時11万ドル超、アーサー・ヘイズが下落リスクを警告する理由は?
米国6月雇用統計が予想を上回る14万7000人となり、ビットコインは一時11万500ドルまで上昇した。しかしBitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、米財務省がステーブルコインを国債購入の受け皿として活用することで市場から流動性が奪われ、8月開催のジャクソンホール会議前に9万ドル水準へ下落すると予測した。
11:00
アルトコイン取引の増加傾向続く 仮想通貨OTCレポートが公開
Finery Marketsは、仮想通貨のOTC取引に関する2025年上半期のレポートを公開。ビットコインやイーサリアム、ステーブルコインの他にアルトコインの取引が増加傾向を継続していると指摘した。
10:35
「1兆ドル予測は楽観的すぎた」、 JPモルガン ステーブルコイン時価総額の2028年予測を下方修正=報道
JPモルガンはステーブルコイン市場の2028年予測を5000億ドルとし、他社の1-4兆ドル予測を否定。決済利用は6%に留まり、主用途は仮想通貨取引と指摘。
10:00
ビットコイン、クジラによる売却と機関投資家の需要が拮抗=報道
仮想通貨ビットコインの大口保有者が過去1年で50万BTCを売却する一方、機関投資家の需要増加により価格が膠着している。今後のビットコイン価格については様々な見解がみられる。
09:30
ロビンフッドCEO OpenAI株式トークン化を「革命の種」と表現も、提携否定で波紋広がる
ロビンフッドがOpenAI株式トークン化サービスを欧州で開始したが、OpenAIは提携を否定。テネフCEOは「トークン化革命」と強調するも、未上場株式の権利問題が浮き彫りに。
09:16
仮想通貨SEI、国内取引所OKJに新規上場へ
国内暗号資産取引所OKJが2025年7月8日からセイ(SEI)の取扱いを開始。ゴールドマンサックス・Robinhood出身者が開発した高速ブロックチェーンで、米国でETF申請も話題。入出庫は7月8日、売買は7月11日17時開始予定。
09:00
ビットコイン今年4度目11万ドル超え、株価相関強まり最高値更新も視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは3日に今年4度目となる一時11万ドル突破を記録した。7月3日から4日にかけて、トランプ政権の大きく美しい法案が可決されたことに加え、米雇用統計が底堅い推移を示したこと、さらにシンシア上院議員が暗号資産の減税法案を提出したことが追い風となった。
08:05
ETF購入減速でビットコイン価格上昇に陰りか、ETHは蓄積量が過去最高に=Cryptoquant分析
仮想通貨ビットコインETFとMSTR(ストラテジー)の購入は大幅減速、全体需要の縮小で価格上昇が鈍化。一方、イーサリアムは6月に蓄積アドレスが史上最高を記録、機関投資家による大量保有が続く。
07:45
米下院、7月14日の週を「仮想通貨週間」と指定 3つの主要法案を審議
米下院指導部が7月14日の週を「仮想通貨週間」に指定し、GENIUS法、CLARITY法、反CBDC監視国家法を審議すると発表。
07:25
IMF、パキスタンの仮想通貨採掘などへの補助金提供提案を却下
IMFは、パキスタン政府による仮想通貨マイニングなどのための電気代補助提案を却下。同国は、ビットコインのマイニングとAIのデータセンター向けに2,000MWの電力を割り当てる計画を発表している。
07:20
ビットコイン今後の価格、9.5万ドルまで下落の可能性も=アーサー・ヘイズ分析
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は、8月のジャクソンホール会議まで市場が横ばいか軟調な展開を予想。TGA補充の影響でビットコインが9万~9.5万ドルまで下落する可能性があるという。
06:30
米国初のソラナ現物ETF、取引開始初日で出来高約48億円の好スタート
「REXオスプレイ・ソラナ・ステーキングETF」が7月3日に取引開始。米国初のステーキング機能付き仮想通貨現物ETFとして約100万ドルの運用資産で滑り出し。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧