はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインなど仮想通貨投資銘柄を決める上で「有益な指標」を指摘する論文が発表|時価総額の欠点も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

時価総額だけで仮想通貨プロジェクトの判断はできない
時価総額を主要指標としておくデメリットや、代わりと成り得る指標・メトリクスを挙げる論文が発表された。時価総額という指標の弱点を見ながら、時価総額の改善方法やプロジェクトの判断を下すのに有益な指標をまとめた。

時価総額という指標の弱点とは

仮想通貨界隈では、時価総額が通貨を評価する上で重要な指標の一つとして認識されているが、指標にはそれぞれ良くも悪くも仮定がある為、参考とするデータに伴う先入観というものが少なからず存在する。

そのため、一つの指標、一つの側面だけではなく、複数の面から仮想通貨プロジェクトを吟味する必要がある。

そのような中で、時価総額を主要指標としておくデメリットや、代わりと成り得る指標やメトリクスを挙げる論文が発表された

仮想通貨業界においてプロジェクトの価値、または本質的な価値を見極めるのは、元来非常に困難である。

特に仮想通貨では特有のボラティリティの高さ、仮想通貨毎のプロジェクトの進捗状況、ICO調達額や発行枚数、流通量など、プロジェクトによって異なる要素が多い為、なおさら難しい。

一般的に、仮想通貨の状況を測るのに最も注目されるのが価格面だと言え、ボラティリティが高いビットコインや仮想通貨の場合は、一つのニュースで相場が大きく動くケースが幾度となく見られており、ボラティリティが低下しているのは最近の出来事である。

価格の次に重要な指標とされるのが、時価総額だ。CoinMarketCap等、仮想通貨投資で最初に表示される指標は多くの場合、時価総額である。

時価総額 = 価格 X 発行済み通貨数

時価総額、またはMarket Capitalizationsは価格と総合供給量(または流通量)を掛けて計算する指標で、プロジェクトの価値を測る際に利用される指標だ。

出典:CoinMarketCap

時価総額は、一般的には株式市場で取引される銘柄の価値を測定する為に、19世紀後半にCharles Dow氏により考案された。

当時30ほどの銘柄がなかったから単純に通用したが、その後1957年に時価総額に応じてプロジェクト毎の平均を算出する「S&P500インデックス」指数が考案され、60年近く経った現在でも重要指標として投資家から重宝されている。

その為、一見して考えてみれば、時価総額という指標で仮想通貨という新しい資産クラスを測定するのも、自然な流れだったと言えるだろう。

時価総額の欠点

しかし、既存の市場指標を株式とは性質の異なる仮想通貨に当てはめるのには、難点もいくつか存在する。

  • 株と違い、法的権利が伴わない
  • プロジェクトの利益が反映される保証は無い
  • 発行数が一定していない(発行スケジュールが組み込まれている)
  • 失踪・紛失している通貨の把握が困難、または不可能に近い
  • アップデート後、手付かずになる通貨が存在する

仮想通貨は株ではない

重要なポイントとなるのは、仮想通貨などのトークンや通貨は、一般的には株とその性質が異なる点だ。

仮想通貨は株式と違い、発行数が定期的に上昇するケースもあるが、株式は株式分割をしない限り、発行数や供給量は変動しない。

中にはビットコインのように2100万枚などと供給量が一定しているケースもあるが、発行数に上限がないケースや、発行数が徐々に減っていく通貨など、バリエーションは様々だ。

また、株には企業責任として情報の開示、利益の配当などがあるが、仮想通貨ではそのような義務は必ずしも課せられていない為、情報を正当に開示しないプロジェクトも中には存在する。

「流通量」の定義

またもう一つ「時価総額」の問題点として挙げられるのが、供給・需要数の定義である。

ビットコインの例にすると、ビットコインの「総」発行数は2100万BTCと決定されているが、全てマイニングされるには2140年までかかるので、実際に流通している量(本稿執筆時点で17,375,375BTC)は、総発行数とは異なる。

さらに、仮想通貨は秘密鍵を紛失してしまうと、2度とアクセスできなくなるデメリットを持っているため、既に発行済と言われる約1730万BTCの内、200〜400万は紛失されている可能性があると言われている。

昨年イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は、供給量を表示する際は現在市場に出回っている通貨を表す「総流通量」と「総供給量」の二つを明記するべきだと述べていた

時価総額指標の改善方法

時価総額の問題点を改善する方法として、論文では以下のような解決策が提案された。

1. 完全希薄後の時価総額

2. 実現キャピタル(資本)

3. ネットワーク・コミュニティの貢献度

「完全希薄後」時価総額

仮想通貨価格サイトOnChainFXなどは、2050年時に想定される供給量を時価総額の指標の一つにしている。

その理由として同サイトは、「2050年までには大半の仮想通貨の供給量が安定するため、2050年頃の流通量を表示することで投資家は価値の判断がしやすくなる」としている。

出典:onchainfx.com

もちろん、全ての通貨が2050年までに発行を終了する訳ではないが、より総供給量に近くなるとされている。

実現キャピタル

前述した通り、ビットコインなど仮想通貨ではハッキングや秘密鍵の紛失など、様々な理由で再起不能なビットコインが数多く存在すると言われている。

そのため、流通量でそれらの流通することがないビットコインを考慮することで、より実際の供給・流通量に近い需要、より実際の価値に近くなることが期待できる。

使用されていないビットコインはブロックチェーンの性質故に、UTXOを参照することで確認できる。

UTXOとは

UTXOは『Unspent Transaction Output』の略で未使用のビットコインを指している。

utxo_age_distribution

ネットワーク・コミュニティの健全度

時価総額は成功の指標として見ていない。コミット数、解決された問題の数、そしてネットワークの正常運転が大事だ。

価格参考サイトでは、実際にCoingeckoなどが、すでに開発者とソーシャルメディアの活動を示す指標を明記している。

出典:CoinGecko

直接的な市場指標にはならないが、プロジェクトの進捗状況を表すゆえ、ある意味では直接的な相場指標より重要だと言える。

時価総額などの指標が開発者の参加率より重要視される傾向自体が、投機目的で仮想通貨を保有しているユーザーの多さを表しているのかもしれない。

CoinPostの関連記事

仮想通貨 時価総額ランキング(リアルタイム更新)
リアルタイムで更新される、300位までの仮想通貨時価総額ランキングページです。値上がり率、値下がり率、24時間出来高、ドミナンス、それぞれのTOP5までのリアルタイムランキングも掲載しています。
バイナンスのCZ氏、CNBC番組内で仮想通貨市場の強気転換を語る
CNBC AFRICAの番組CRYPTO TRADERにCZ氏が出演した。司会のRan NeuNer氏はCZ氏に対し、低迷する仮想通貨市場の強気市場転換の鍵は何かとの質問を投げかけ、また先月からおよそ50%減少した取引所の取引量に関しても質問をしている。
&from=in_article
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
11:55
ブラジル金融大手イタウ、3%のビットコイン配分を推奨
ブラジルの金融機関イタウがポートフォリオの1%から3%をビットコインに配分するよう推奨した。米国のバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーも最大4%の配分を提案している。
11:20
ファントムウォレットが予測市場機能を導入、カルシと提携
主要仮想通貨ウォレットのファントムが予測市場プラットフォームのカルシと提携し、ウォレット内で政治、スポーツ、文化イベントの契約を可能にする新機能を発表した。
10:25
Pyth Network、トークンの買い戻しメカニズム「PYTH Reserve」を導入
分散型オラクルPyth Networkが、収益の一部で仮想通貨PYTHを毎月買い戻す新メカニズムを導入する。DAOの資金残高の3分の1程度を購入に充てる予定だ。
09:20
テザー、イタリアサッカー名門ユベントス買収を提案
ステーブルコイン発行企業テザーがサッカークラブのユベントス買収を提案した。エクソール保有の65.4%株式を現金取得後、残る株式も公開買付けし、10億ユーロの投資を準備している。
08:30
テザー、自社株のトークン化や買い戻しを検討か
仮想通貨ステーブルコインUSDTなどを発行するテザー社は、自社の株式の流動性を確保するためにトークン化や自社株買いなどの手段を検討していることが報じられた。検討の背景が明らかになっている。
07:40
ソラナDEX大手ジュピター、7つの大型アップグレード発表 オンチェーン金融強化へ
ソラナ上のDEXアグリゲーター「ジュピター」がレンディングのオープンソース化、ステーブルコインジュプUSDローンチ、トークン検証システムVRFD拡張など7つの包括的アップグレードを発表した。
07:05
バンガード幹部がビットコインを投機的収集品と指摘、仮想通貨ETF取引解禁も慎重な姿勢
バンガードの責任者ジョン・アメリクス氏がビットコインを人気玩具ラブブに例え投機的資産と指摘。同社は仮想通貨ETF取引を解禁したが、独自商品提供や投資助言は行わない方針を維持。
06:35
ソラナ「ファイアダンサー」がメインネット稼働開始、100万TPS目指す
ソラナの新しいバリデータ・クライアント「ファイアダンサー」が3年間の開発を経てついにメインネット稼働を実現。1秒あたり100万トランザクションの処理を目指している
06:10
米ムーディーズがステーブルコイン格付けフレームワークを提案、準備資産評価へ
米大手格付け会社ムーディーズがステーブルコインを評価するための新たなフレームワークを提案した。ステーブルコインを裏付ける準備資産プールの各適格資産タイプを評価し、信用力に基づいて格付けを付与。
05:45
リップルやサークルなど5社、米連邦信託銀行免許の条件付き承認を取得
米通貨監督庁がリップル、サークル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソスの5社に連邦認可信託銀行免許の条件付き承認を付与した。ステーブルコイン発行企業を連邦規制監督下に置く重要な一歩となる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧