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イーサリアムのステーキング集権化への対応策、ブテリン氏が解説

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イーサリアムの課題

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は20日、ブログを公開し、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の中央集権化に対応するための解決策について説明した。

経済圧力によってステーキングの集権化が進むことは、イーサリアムの最も大きなリスクの1つだと主張。ステークした数量が多いほど報酬を得やすくなる仕組みでは、当然のように大規模なステーカーがネットワークを支配するようになり、小規模のステーカーはネットワークを抜けて大きなプールに参加せざるをえなくなると課題を指摘している。

PoSとは

基本的に、保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。

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ブテリン氏は今月、「イーサリアムプロトコルに起こりうる未来」と題するブログを続けて発表しており、今回はその3回目。過去にはステーキング要件を32ETHから1ETHへ大幅緩和することなど、各回ともアップグレードの名称に合わせて執筆しており、今回は「The Scourge」について説明した。

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上述した内容からわかる通り、The Scourgeの主な目標は「PoSの設計における集権化への懸念を軽減すること」。この取り組みはすでに進行しており、ブテリン氏は今回、どんな問題を解決しようとしているのかなどを解説した。

集権化が進むと51%攻撃、トランザクションの検閲などのリスクが高まるとブテリン氏は指摘。また、集権化のリスクに加え、イーサリアムユーザーに与えられるはずの価値が少数のグループに集中してしまうリスクもあると説明している。

イーサリアムを大量に所有するステーカーは、最大抽出可能価値(MEV)を得るために高度なアルゴリズムを使うことが可能で、ブロックごとの収入を増やすことができると指摘。そして、リキッドステーキングを行うことで、イーサリアムがロックされることに対し、より効率的に対応もできると優位性を述べた。

今後の対応

一方、ブテリン氏は、集権化のリスクは昨年に大幅に理解が進んだとの見方を示した。このリスクは、ブロックの構築とステーキングの資金という2つの重要な要素にあることも十分理解されているとし、今年は対策も進んできていると述べている。

The Scourgeでは、特にMEVやステーキングプールの問題に取り組んでステーキングの集権化のリスクを減らしたり、ユーザーから価値が過度に奪われるリスクも軽減したりすると説明した。

例えば1つの技術として、ユーザーが送信したトランザクションを一時的に保管するメモリプール(mempool)を暗号化する技術を紹介。この技術を導入すると、ブロックを作る主体(Builder)がトランザクションの内容を見ることができなくなると解説している。

今後は具体的に、ブロック構築の仕組みとステーキングの経済的側面を修正していくとし、エコシステム内のアプリにも協力してもらうことができるとも説明した。

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