はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインL2プロジェクトStacks、大型アップグレード実行でビットコインとの連携強化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインのファイナリティと同等に

ビットコインのレイヤー2プロジェクトStacks(STX)は29日、トランザクションの高速化を実現する「ナカモト アップグレード」を有効化したと発表した。ナカモト アップグレードは、Stacksブロックチェーンの設計の問題点に対処するもので、同チェーンにとって大きな前進を意味する。

Stacksは、ビットコイン・ブロックチェーンのセキュリティを使用する、分散型アプリケーションとスマートコントラクト用のオープンソースネットワーク。Stacksは、トランザクションとStacksブロックがビットコインに固定されるProof of Transfer(PoX)と呼ばれる合意形成アルゴリズムを使用している。

ナカモト アップグレードで最も注目される点は、Stacksとビットコインのファイナリティとの連携が強化されることだ。これは「根本的な変化」であり、Stacksは、ビットコインから離れて単独でフォークすることが不可能になる。

Stacksの共同創設者であるMuneeb Ali氏は、「Stacks L2をフォークする唯一の方法は、ビットコイン自体を再編成(reorg)することだ」と述べている。

マイナーのハッシュパワーが大きいビットコインブロックチェーンで再編成を行うのは、金銭的にも計算リソースの面でも非常に困難であり、ビットコインの不変性に貢献している。

アップグレードによってStacksは、このようなビットコインのセキュリティ機能の恩恵を受けるため、Stacksのトランザクションは一旦承認されると、ビットコインと同等の不可逆性を持つことになる。

再編成(reorg)とは

reorgとはReorganizationの略で再編成という意味を持つ。ブロックが生成されるタイミングで、ブロックチェーンが分岐した場合、最も長い履歴のブロックチェーンが残り、短い履歴のブロックチェーンが削除され、チェーンが再度統合されることを指す。

▶️仮想通貨用語集

サトシ・ナカモトの願いを叶える

Ali氏は、ビットコイン(BTC)の生みの親であるサトシ・ナカモトは、ビットコインのハッシュパワーを利用したサイドチェーン「Namecoin」上で追加のアプリを開発するという構想を持っていたが、これまで実現することがなかったと指摘。

しかし、今回のStacksのナカモト アップグレードによって、Stacks上のトランザクションはビットコインのハッシュパワーによって安全性が保証されることになり、サトシが提示した問題を解決するに至ったことは、大変感慨深いと語った。

ブロックの高速化とsBTC

今回のアップグレードにより、Stacksのブロック生成がビットコイン(BTC)ブロックチェーンから分離され、より高速で効率的な処理が可能となった。トランザクション処理のスピードは大幅に改善され、10分から30分かかっていたブロック生成時間が約5秒に短縮される。

また、このアップグレードは、Stacks上のビットコイン担保トークン「sBTC」の技術的基盤を提供することになる。発表によると、Stacksは今から4週間から6週間後にsBTCをローンチする予定だ。

sBTCは、ビットコインと1対1で裏付けられる資産で、Stacksネットワーク内でビットコインと同等の機能を果たす。ユーザーは、スマートコントラクトを通じてビットコインをsBTCと交換し、Stacksブロックチェーン上に構築されたさまざまなDeFi(分散型金融)アプリを利用して、レンディングや借入、取引などを行うことが可能になる。

sBTCを利用することで、ビットコインをStacksネットワークにシームレスに移動することが可能になると同時に、ビットコインと同じレベルのセキュリティおよびトランザクションのファイナリティで、スマートコントラクトとDeFiアプリを実行できるようになる。

Stacksによる安全性の高いL2開発は、さまざまなdappsの誕生を促進し、多くのユーザーを惹きつけることで、ビットコインエコシステムの拡大と発展につながるものと期待されている。

SECが調査終了

米証券取引委員会(SEC)は7月、2021年のStacksメインネットの立ち上げから、Stacksとその開発企業Hiroシステムズに対して行ってきた3年に及ぶ調査を終了した。

Hiroシステムズは、当初2018年に販売したトークンを証券として扱っていたが、2021年に新たなコンセンサスメカニズムを基盤とするStacksの新バージョンをローンチし、ネットワークが完全に分散化されたため、証券として扱う必要はなくなったとSECに報告していた。

SECが調査を終了したことで、プロジェクトの信頼性が高まったとAli氏は次のように述べた。

数年後、すべてが適切に行われたということが、このプロジェクトに非常に強力な基盤を与えることになる。多くの人々は、STXがビットコインのような明確なコモディティになると述べている。

関連:米SEC、ビットコインL2・仮想通貨「Stacks」への調査を終了 法的措置行わず

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧