10/26(土)〜11/1(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、10/26(土)〜11/1(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は市場最高値の1123万円を更新するも、その後は上値の重い展開となり、11月1日正午時点で、1060万円周辺で推移している。
先週金曜日にテザー社が米司法省の調査を受けているとの報道があったが、週末に同社が報道内容を否定したことで、週明けのBTCは強地合いとなり1050万円を回復。この日の米国時間には、トランプトレードの影響で暗号資産(仮想通貨)マイニング株が上昇し、BTCは連れ高となった。
29日の東京時間にも上昇の流れは続き、相場は1090万円周辺まで上値を伸ばすと、米S&Pケース・シラー住宅指数とJOLTs求人件数の下振れや、ナスダック総合の上昇を味方に、BTCは1100万円を上抜け、円建て市場最高値を更新した。
一方、これによってドル建てBTC相場が市場最高値73,700ドルに肉薄すると、相場は失速。その後は決定的な材料に欠ける中、1110万円周辺で小幅な揉み合いに転じた。
31日、この日も東京時間は揉み合いが続いたが、米国時間序盤に発表された9月の米個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数が前年比で加速したことと、米新規失業保険申請件数が市場予想を下回って低下したことが相場の重石となり、BTCはロングの投げを伴って1060万円周辺まで反落した。
11月1日には、日経平均株価の急落を眺めBTCにも売りが入り、一時は1050万円近傍まで下値を広げた。
ドル建てBTC相場は下降チャネルからのブレイクアウトに成功したが、重要な米国の経済指標は今一つパッとしない結果が続いている。
来週はなんと言っても5日の米大統領選挙投票日が目玉イベントとなるが、その2日後には米連邦公開市場委員会(FOMC)も控えており、ボラタイルな1週間となることが見込まれる。
予測市場のポリマーケットでは今週、米大統領選におけるトランプ氏の勝率が低下したが、本稿執筆時点でも61.1%と明確にハリス氏をリードしている。票の集計が始まり下馬評通りにトランプ氏が優勢となれば、素直にBTCには追い風になるだろう。
ハリス氏は、具体性は欠けるものの、仮想通貨を支持する発言をしており、同氏の勝利自体は市場にとって長期的にネガティブではないとみているが、これまでのBTC相場はトランプ勝利期待で上昇してきただけに、ハリス氏が優勢となればその期待が剥落し、一時的に売られる可能性が指摘される。
尤も、投票日を首尾よく通過できたとしても、FOMCが待ち受けており、すぐには安心できない。
米連邦準備理事会(FRB)は9月に50bpの大幅利下げに踏み切り、市場では当時速いペースでの利下げが続くと期待されていたが、9月の雇用統計が大幅に上振れたことや、消費の底堅さが明らかとなり、こうした観測は消滅している。
一連の米インフレ指標は、前年比では市場予想を上回るものもあったが、緩やかな減速傾向は続いている。ただ、本日発表される10月の米雇用統計が引き続き強めにでれば、FRBがハト派的なスタンスを弱めることはほぼ確実と言えよう。
勿論、利下げペースに一定のブレーキが掛かることは市場も織り込み済みだが、万が一、利下げを一時停止するような可能性が仄めかされれば、BTC相場にとってはかなりの痛手となろう。
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