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ブロックチェーンはインターネットの様な身近な技術になれるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

専門家の主張
複雑なブロックチェーン技術を単純化することを目標に掲げているスタートアップClovyrの共同創業者兼CEOのBaldet氏は、将来的にあるべき形として、企業が独自のプライベートチェーンを所有し、分散型のパブリックチェーンがそれらを繋げる役割を果たすべきと主張した。
現時点でのユースケース
ブロックチェーン技術は、将来的にインターネットと同様、あらゆる人々に使用可能になると示唆された。その先駆けとして、IBM、デロイト、HSBCなどが既にブロックチェーン技術を使用した取り組みを開始している。

Baldet氏の主張

複雑なブロックチェーン技術を単純化することを目標に掲げているスタートアップClovyrの共同創業者であり、CEOを務めるAmber Baldet氏(以下、Baldet氏)が、先日、同技術における企業での使用について自身の見解を述べた。

彼女は、最終的にブロックチェーン技術があらゆる場所で使用されていくことに疑問を持っておらず、長期的に見て、今後多くの企業がその技術を採用することになると予想している。

そして、各企業は、それぞれのプライベートブロックチェーンを所有すると共に、それに互換性のあるオープンで分散されたパブリックブロックチェーンの存在も必要不可欠になると言及した。

つまり、彼女は単一のパブリックブロックチェーンが複雑な計算を行い、膨大な数のスマートコントラクトを処理し、全ての取引を処理するのではなく、あらゆる場所でプライベートブロックチェーンが使用され、イーサリアムのようなパブリックブロックチェーンは、あくまでもそれらを繋ぎ合わせるものとしての役割を担うべきであると述べているのである。

各企業がパブリックブロックチェーンを使用すべきでない理由として、スケーラビリティ、や匿名性の問題が挙げられている。

例えば、大企業がそのオペレーションの一端をブロックチェーン上で処理しようとしただけでも、既存のほとんどブロックチェーンは処理仕切れず、CryptoKittiesの事例のようにブロックチェーン自体が一時的に機能不全になってしまう可能性があるとしている。

さらに、パブリックチェーンがもともと合せ持つ、フルブロードキャストという特性自体が匿名性を重要視するビジネス利用に向いていないと主張された。

このことからBaldet氏は以下のように述べている。

オンチェーンでの信頼できる匿名性や、匿名性が保持可能な構造が開発されていかない限り、企業におけるパブリックチェーンの使用という分野は未熟であると言える。

Baldet氏は、現状のブロックチェーン業界は、当時高価なコンサルタントなしではWebを企業に採用できなかった1990年代に似ていると言及し、以下のように主張した。

現在ブロックチェーンは、世界中のビジネスの1%に相当する、高価なコンサルティング料を支払える企業にのみ、大きな革新を与えている。

しかし、当時コンサルタントのみによって使用可能であったWebも現在は広く普及し、あらゆる人々がドメイン名を取得し、オンラインショップなどの定型のシステムを使用できるようになっている。

同様に、現時点で複雑で、一部の人々にのみ操作可能なブロックチェーン技術も、将来的には、ユーザーフレンドリーな形で、上記以外の99%の企業で広く普及することを示唆した。

現時点でのユースケース

Baldet氏が示唆する通り、現状では、世界に存在する99%のビジネスにとってブロックチェーン技術は縁もゆかりもないものだ。

しかし、1990年代にそうであったように、高価なコンサルティング料を支払える大企業では、新しい技術の普及は着々と始まってきている。

テクノロジー分野大手のIBMでは、Linux FoundationのHyperledger Fabric基盤による独自のIBM Blockchain Platformを使用したIBM Food Trustプロジェクトが進められている。同プロジェクトでは、ブロックチェーンを使用することで、サプライチェーン上の透明性を確保し、説明責任を強化することが目的とされている。

さらに、今月11月には、世界最大級の会計事務所であるデロイトトーマツが個人情報マネジメント企業Attestと提携し、政府を対象とするデジタルアイデンティティ関連問題に対し、ブロックチェーン技術を使用したソリューションを提供していく予定だ。

そして、同月、世界最大級の金融機関HSBCもブロックチェーン技術を使用した貿易金融プラットフォームeTrade Connectを発表し、注目を集めた。

このように現状ブロックチェーン技術は、大手企業中心に着々と普及してきており、将来的にその普及が中小企業や個人ビジネスにまで波及することが期待されている。

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