利下げ後のパフォーマンスは
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのリサーチ部門は27日、FRBの利下げと株式や仮想通貨市場の関係についてのレポートを公開した。過去データでは、利下げ後のパフォーマンスは好調だったと述べている。
まずレポートは現在の状況を説明。FRBが2024年9月に金利の目標を0.5%引き下げたことが利下げサイクルの始まりを告げるものとなっており、過去1年間でインフレ率が次第に低下する中、2025年までに1~2%の利下げが予想されているところだと述べている。
その上で、仮想通貨市場はまだ新しいことから、2019年後半と2020年3月に行われた利下げしか経験していないと留意した。
この二回の利下げ後に、株式と仮想通貨はどちらも、概して良好なパフォーマンスを示したが、特に仮想通貨は、2020年3月の利下げから1年後までに530%以上の成長を遂げたと続けている。
2020年3月にFRBは、コロナウイルスのパンデミックを受けて二回の緊急利下げを行っていた。まず0.5%、次に1%の下げ幅だった。
ただ、レポートを執筆したシヴァム・シャルマ氏によると、この際は利下げよりも、広い金融政策が重要な影響を与えていた。パンデミックを受け、各国の中央銀行が国民に助成金を配布するなど金融緩和を行い、一部が仮想通貨市場にも流入したとみられる。
2019年7月から8月にかけては、FRBの「中期サイクル調整」の一環として0.25%の利下げが三回行われた。その後12か月の時点で、仮想通貨市場は25%成長していた。
シャルマ氏は、データは限られるものの過去二回の利下げについて、12か月間でみれば、仮想通貨市場のパフォーマンスは好調だったと指摘している。ただ、他の金融政策などの影響も大きいと注意を促す形だ。
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利下げとS&P500
シャルマ氏は、S&P500についても、金利引き下げ後(3か月、6か月、1 年後)後には概ね上昇していたと指摘。過去8回の利下げサイクルのうち、2001年と2007年を除けばこれが当てはまる形だ。
ただし、過去50年間を見ると、米国株式は構造的に上昇を続けており、一方で米国の金利は1980年代の8~10%から2010年代の0%時代、そして最近の5%と、同期間のうちに構造的に低下しているとも指摘した。
米国株式は、一般的に技術革新、企業収益の強化、金融政策や流動性の高さなどの構造的要因から長期間上昇を続けているとみなされる。利下げの他、こうした要因も考慮する必要があることが示唆された。
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